「転職すべき人 / 現職にとどまるべき人」について(2023年版)|ミドルの転職
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93「転職すべき人 / 現職にとどまるべき人」について(2023年版)

アンケート実施期間 : 202337日 ~ 2023313
有効回答数 : 126
直近で面談した求職者の「3割以上が現職にとどまるべき」と感じたコンサルタントは54%。
現職にとどまるべき人の理由トップは、「本人の希望と、転職市場での市場価値にギャップがある」。
今回は、「転職すべき人 / 現職にとどまるべき人」についてコンサルタントに伺いました。

直近で面談した求職者のうち、「3割以上が転職せずに現職にとどまるべき」と感じたと回答したコンサルタントは54%。現職にとどまるべきだと思った理由では、「本人の希望と、転職市場での市場価値にギャップがある」が75%でトップとなりました。求職者に対し「現実を伝えたうえで、条件が下がってもなお転職したいのか再考するようアドバイスをした」といったコメントも散見されています。

一方、「転職すべき人」はどんな人か聞くと「今後やりたいことと、転職理由に整合性がある」「現職企業では、本人の希望が絶対に叶わない」の声が上位を占めました。

最後に、転職すべきか現職にとどまるべきか、見極めのポイントやアドバイスについても伺っています。ぜひご覧ください。

Q1面談を行った方のうち、「転職せずに現職にとどまるべき」と思う方は全体の何割ほどいますか。

Q2現職にとどまるべきである人について教えてください。

Q:現職にとどまるべきである、と思う理由はどのようなものですか。

その他の回答
  • 現職と転職先を比較した時、現職の方が先行きの不安が少ない(転職先は未知数で読めない)

Q:上記理由での具体的な実例と、求職者へ行ったアドバイスを教えてください。

本人の希望と、転職市場での市場価値にギャップがある
  • 実例
    現職での給与条件、労働環境に不満があり、転職することによって、良い条件で働けると誤認されているケースがありました。
  • アドバイス
    転職市場を見たとき、ご本人の給与、労働環境が悪いとは言えず、現職での業務を突き詰めて、改めて条件的な部分ではなく、仕事に対する情熱を持って頂くことで、取り巻く環境を変えられるのではとアドバイスしました。
  • 実例
    ITエンジニアであるが、上流工程(要件定義折衝)等の経験が乏しく、転職市場における希望年収を実現することが難しい。
  • アドバイス
    現職でまずは実力を培うことが先決。PMP、ITIL等の資格取得にも積極的に取り組むべき。
現職企業の待遇が良く、現職以上の待遇での転職が難しい
  • 実例
    現職の方針や体制に不満があり転職を希望しているが年収、休日、福利厚生の待遇が好条件である。
    年収と年間休日、福利厚生は維持したまま転職を希望されている。
  • アドバイス
    キャリアを生かせる求人案件はあるが年収・年間休日・福利厚生を維持することは難しい。
    転職にあたっての優先順位を整理していただき妥協点を見つけていただく。
  • 実例
    50代前半で、営業マネージャーの方。現職では管理系の仕事が多く、再度営業職でリーダー以上クラス希望。
  • アドバイス
    現職の待遇が良いし、大手企業ですので、中小企業やオーナー企業の社風やスピード感を伝え、違いを踏まえて再度ご家族と検討くださいとした。
  • 実例
    製薬メーカー勤務(総務・経理部門)の男性、勤続4年。薬の特許の関係で社の今後の業績に不安を感じて転職希望。しかし、社内の処遇をみると本人への期待が大きく、恵まれている。
  • アドバイス
    転職の動機・熱意が不十分だし(やりたい仕事などのイメージが不明確)、年収やそれ以外の処遇も恵まれている。企業のスケールを考慮すると経営陣もこのままじり貧を甘受するとは思われない。今後の経営戦略について社内で上司、先輩を含め意見交換をしてみてはどうか。
他責感が強く、キャリアアップできない理由が会社にあると思っている
  • 実例
    MBAを取得されたことがきっかけで転職活動を始められた40代の方。
    現職でできることがたくさんあるにもかかわらず、「上長と仲が悪いから。提案しても通らないから」という理由で学んだことを活かした行動は何もしておらず、転職すれば自分のやりたいことができるというお考えだった。
  • アドバイス
    まずは現職でMBAで学んだことを活かして業務改善を行い、実績を作られてから転職をしたほうがよいと提案。
    上長とちょっとしたいざこざで不仲になってしまったそうなので、和解をし、腹を割って話した上でそれでも難しければ転職を考えたほうがいいと伝えた。
  • 実例
    『現職にて異動ができないため』という転職理由が非常に多い。
    そして、新しい職種へのチャレンジを希望していたり、経験が少ない分野への転職にもかかわらず、現職同等以上の待遇を求める。
  • アドバイス
    現職で異動をするために実際に動いたか確認します。転職するよりも、社内異動の方が容易なケースがほとんどです。
    仮に転職をする場合は、処遇面が下がることはほぼ間違いないので、それでも新しい環境を希望するのであれば、サポートを行います。
転職により実現したいことが不明確である
  • 実例
    CMO/マーケティング責任者として活躍されている方で、業績が傾き始めており、このままで良いのか不安。転職するべきかと相談をいただきました。ただ、その会社も入社2か月目という事もあり、転職するならかなりチャレンジになるという状況でした。
  • アドバイス
    マーケティングやセールスは「売上を作る部門」なので、ここで売上や事業を再生、V字回復させる事で大きなキャリアアップに繋がるのでは?というお話をしました。
    勿論、業績下降気味の環境である事や、会社のマーケティングコストや営業人員などの兼ね合いもあり、思うようにいかない場面もあると思うが、行動する事で市場価値向上にも繋がり、会社がダメになったとしてもより良い転職先が見つかる可能性が高いとアドバイスしました。
現職企業での就業期間が短い
  • 実例
    数ヶ月前に転職したものの企業の体制が整っておらずトラブルの対応に常に追われている状況。そのため転職したいと相談を受けた。
  • アドバイス
    ・結論を出すのはまだ早い、たとえ転職するにしても数年は在籍しないと評価されないので頑張ったほうがいい。
    ・トラブルを自身で解決する。状況を改善した後に転職すれば大きく評価される。現状打破すべく業務に取り組んだほうがよい。

Q3転職すべきである人について教えてください。

Q:転職すべきである、と思う理由はどのようなものですか。

その他の回答
  • 会社の斜陽化
  • 転職リスクを理解した上でしっかりとしたキャリアプランがある場合

Q:上記理由での具体的な実例を教えてください。

今後やりたいことと、転職理由に整合性がある
  • 学生時代及び社会人になってからも語学スキルのアップに研鑽をしている方であったが、自身が勤めている企業にはグローバルな展開をしている事業が無い。自身としても、グローバル展開に向けて動いてきたが会社の経営方針的に叶う事がないというケース。
  • 社内SEで経験を積まれた方がIT知識と自身のコミュニケーション力を活かし対外的な業務をしたいと希望し登録。大手コンサルティングファームのコンサルタントにご入社された。
現職企業では、本人の希望が絶対に叶わない
  • 市場価値の高い医薬品臨床開発の仕事で確かな経験と実績をつけているが、現企業では上がつかえていて管理職へのキャリアップの道筋が見えなかった為、他社でマネジメントが目指せるポジションをお勧めした。
現職企業に将来性がない
  • 某総合メーカーでエレキ系の海外企画(事業再編、M&A経験あり)が長い方。エレキ事業の縮小が続いており将来性がないため、経験を活かしてチャレンジしてコンサルタントになりたい、とのこと。
給与・待遇などが、業界平均を下回っている
  • 高学歴で新卒入社が大手企業、その後自分の意志でベンチャーに転職した方。コンサル業だったが、彼の実力実績共にとても優れているにも関わらず、給与が業界平均を下回っていた。候補者のスキルアップも叶えられ、何より彼が目標としていることが達成できる会社にて転職が成功し喜んでいたので、転職でき良かったと感じている。
  • 日系企業で年収400万円台の候補者だが、外資系メーカー市場では600万円台が平均年収である場合。
心身に不調が出て日常生活に支障をきたしている
  • 優秀がゆえになんでもかんでも任され、さらに真面目な性格ゆえに断れない中、心身を病んで転職希望される方がいました。
    多くの人が暗黙の了解で分かっているように、会社の風土はなかなか変えられないものです。世の中には良い会社、良い風土、良い仲間が揃っている会社もたくさんあるので、その方のために環境を変えて転職を支援することはコンサルタント冥利に尽きます。
  • 上長との意見の不一致、企業風土とのミスマッチ。

Q:転職成功された方のうち、どのような希望を叶えられた方が多いですか。

その他の回答
  • 通勤条件
  • やりたい職種、もしくは業務

Q:その希望が叶った理由を教えてください。

年収のアップ
  • 業務内容が同じため即戦力として入社でき、企業規模も大きく給与水準が高いため、年収アップに繋がった。
  • 日系→外資、部長→社長(ポジションアップ)等で給与アップ。
仕事を通じての成長
  • 製造業エンジニアからコンサルティングファームへのご転職をされた方の事例:製造業における課題を感じ、より経営層にアプローチできる環境でこれまでのノウハウを活用していきたいとご転職を決められました。異業種へのご転職でしたが、シニアコンサルタントからのスタートとなり、ご年収も10%アップされました。フォローアップもかねて、1年後にお話をしたところ、コンサルタントとしてのノウハウも身に着けつつ、これまでのエンジニアとして培われた知識も活用することが出来ていると満足されているご様子でした。
仕事を通じての達成感
  • これまでの就業の経験の中で、惰性で働いていると感じる部分があり、様々なプロジェクトや案件に携われる企業に転職したことにより、日々刺激を感じ、新鮮味をもって就業ができると達成感を感じて入職されました。
大手有名企業への転職
  • 両親の介護を理由に勤務地を東京から大阪(実家)に戻したい事とエンジニアとしてのキャリアアップ、年収改善を希望し、希望していた大手企業での採用が決定。
    やはり自分の強みを理解し、しっかりと応募企業の分析、勤務地の確認、相応のポジションとやりたいことが実現できるかなどを纏め、しっかりと準備をしたこと。また自身でも十分に納得して応募したことがポイント。
リモートワークでの勤務
  • 完全リモートワーク勤務の企業に転職が叶い、生活にゆとりができた。その結果仕事にもより前向きに取り組む事が出来るようになり、目標を持ち、やりがいを感じながら仕事が続けられているようです。
  • 旦那さんの転勤で引っ越しを余儀なくされた方が、コロナ後も完全リモート勤務の会社に仕事が決まりました。今後もPCひとつで全国で仕事を続けられることに大変喜んでいらっしゃいました。
育児・看護・介護などとの両立
  • リモートワークが可能となり、通勤時間がなくなり、育児のための時短勤務からフルタイム勤務へとなった。

Q4転職を検討する際のポイントを教えてください

Q:自身が転職すべきか現職にとどまるべきかを見極めるには何をすればいいと思いますか。

Q:その上で、どのようなことを心がけるべきですか。

転職によって解決したい課題を整理し、解決方法を検討する
  • 軸の優先順位をつける。課題解決の筈が、活動を進める中であれもこれも大事となっていき転職理由を見失う方が多い
  • 転職をしたい理由、要因、目的を明確にすること。
    転職の軸を決めること。
キャリアの棚卸しを行い、キャリアプランを見直す
  • 自分の過去・現在と向き合い、そして未来にありたい姿を思い描くこと。ありたい姿からバックキャスティングで自身のキャリアを考えてみること。
  • 自身を俯瞰してみること。また目先のことに捉われずに5年、10年後のキャリアビジョンを考えるように心がけること。
転職市場や希望業界の動向について情報収集をする
  • 転職検討先の情報を収集する。ネットの書き込みではなく経営状態、社風など直接、またはエージェントに相談する
コンサルタントにキャリア相談を持ちかける
  • コンサルタントの中には「面談数」「推薦数」「面接数」といったKPIだけで成績を判断されている者もおり、面談時に「とりあえずマッチするものはすべて応募しましょう」といった「求職者不在」のマッチング→推薦を行う者もいることを、予め注意していただきたい。
  • まずはエージェント等を利用して、自身の内面・気持ち・動機の整理をするといった形で、まずはどんな形でもよいのでアウトプットしていくこと。
現職企業のマイナス面を整理し、解決が困難かを見極める
  • 今の職場で改善できるかどうかは、自分自身で動いてみないとわからない。そのうえで期限を設けてそれまでに改善がされないのであれば動くべき。
  • 感情ではなく、事実で整理する。

Q:「転職すべき人 / 現職にとどまるべき人」について、貴方の考えをお聞かせください。

  • 転職すべき人/とどまるべき人、と区切られていますが、実際話をしていて体感的には転職すべき人5割、どちらでもよい人3割、とどまるべき人2割という印象です。
    エージェントからして一番注意して話をしているのはどちらでもよい人で、転職したら確かに何かプラスになることはあるが、逆に失うものもあるので、その人の中で何が優先順位が高くて本当にその転職先で優先順位の高いものをプラスへ変えられるか、を一緒に考えるようにしています。
  • 「転職すべき」かどうかはその方が目指している人生のゴールから逆算して考えるべきなので、一概には何も言えないと考えています。そのため、「就職活動」や「仕事は仕事」として割り切るのではなく、自身の人生とリンクさせて考えるべきと私は考えています。
    その上で、「転職市場価値」のような観点からすると、原則的には長期就業している程高めやすいはずなので、現職に不満が無いのであれば「とどまるべき人」に該当するかと存じます。
  • 他責ではなく自責で社会人人生を振り返り、転職を通じて何を叶えたいのか。それを明確にすること。
    現職で叶えられる可能性があるのであればまずはその課題を解決するように動くこと。現職で頑張れない人は、転職しても変わらないことが多い。
    起業したいのなら別だが、雇われの身分で自分の人生をギャンブルする必要はない。
  • 転職希望が一時的なものなのか、本質的な課題解決に繋がるのかを他人の意見も聞きながら自己理解を進めた方が良い。「逃げ」ではなく、「攻め」で転職を「機会(Opportunity)」として捉えられる前向きな人材は、転職すべきと考える。

Q:転職をするか否かで悩んでいる方へ、アドバイスをお願いします。

  • ネガティブな気持ちでの転職ではなく、「あれをしたい」「こうなりたい」「もっと」と欲のあるポジティブな転職をすべきだと思う。ネガティブな気持ちでの転職活動はプラスを呼び込まないし、いい結果に結びつかない。当然、面接でもいいアピールができない。
    転職したいと思うなら、自分に何ができるか、どうしたいかを明確にし、「わくわく」して転職活動をして欲しい。
  • まずは転職するか否かで答えを出そうとしなくてよいです。少しでも別の機会・可能性に興味があるのであれば、情報収集を兼ねて転職活動しましょう。内定承諾するまでであれば原則的にはいつでも辞退可能です。転職活動を通して、転職するか否か、するとしたらどこがよいか、走りながら考えた方が情報精度は高まります。百聞は一見にしかずですしね。
  • 今の会社への不満からの転職というよりも、自身のキャリアプランに沿った前向きな転職となるよう冷静に状況を見定めることをお勧めします。
    先ずは自身の市場価値やキャリアの方向性などお悩みの事があればキャリアコンサルタントにご相談頂けると幸いです。
  • なぜ転職をするか悩んでいるのか、転職したとき/しないときのメリットデメリットや現職に残った場合/転職した場合の10年後の自分を想像し書き出してみることをおすすめします。
  • なるべく多くの人材コンサルタントに相談しましょう。
    色々な、レベル・タイプ・得意分野を持つコンサルタントがいるので、きちんと質問をして情報収集をした方が良いでしょう。
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