ワイヤーカットのワークを切り落とす時の残し量はどれ位必要?ワーク落下防止方法について

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ワイヤーカットでの切り落とし時の残し量について

今回はワイヤーカットの切り落としの際の、残し量は何ミリ残したら良いのかについてです。

まず残し量は0.1~0.3mmまでの設定では、ワークは切れ落ちてしまいます。

そもそもなぜワークは切り落としてはいけないのか?については以下のような理由があります。

切れたワークが落下してしまうと下ガイドにぶつけてしまい、それが原因で垂直度が狂ってしまう恐れがある(その後の仕上げ加工に影響が出る)

斜めに中途半端に切れ落ちたワークとの間で二次放電が発生して何時までも加工が終わらなかったり、またそこでワークへの食い込みが発生し、寸法に悪影響がでてしまう

最悪加工曹下部にあるなんらかの部品などが、落下したワークによって破損する可能性がある

このようにワイヤーカットにおけるワークの落下防止はとても重要な項目であり、残し量は重要な数値なのです。

私の経験では、最低でも0.4mm以上ですね。

0.4mm残した後ワークを切り落とした状態

残り0.4mmまで加工したところでM00を入れ加工をストップし、ガイドをワークからかなり離した位置まで移動させてワーク真下になにも無いことを確かめた後、最後は銅など傷のつかない塊で叩いて落とします。

この後仕上げ加工がある場合、叩き落とした後に叩いた影響でセットしたワークが動いてないかを確かめた方が良いでしょう。

別の切り落とし方法

ワークの大きさや重さによっては数ミリ敢えて残してM00で一旦加工終了させ、強力な磁石を何カ所かに配置しワークが切れ落ちないようにしてから、再度加工を始めるか、逆からの加工プログラムを組んで最後まで加工する方法もあります。

その他の方法としては、ワークに予めM6とかM8のタップ穴をダイかパンチか必要無い方に何カ所かたてておき、上述したように数ミリ手前まで加工したところで一旦終了させて、ワークが落ちないようにワーククランプをボルトで締めつけて、加工を再開し最後まで切り落とす、または逆からプログラムを組みなおして切り落とすという方法もあります。

まとめ

まとめです。

ワークを切り落とさないように残す最低残し量は0.4mm以上(0.4mmは最低の数値であり、0.4mmでも切れ落ちる可能性はある)

強力な磁石を切り落とす前に配置することで落下を防止できる

ワークのダイ・パンチどちらか必要ない方にタップ穴をあけて、そこにワーククランプを締め付けることで落下を防止できる

磁石を使えない場合や、タップを立てるのが難しい場合もあるかもしれません。しかし、今回ご紹介した方法は代表的な一例であり、工夫次第で他にもさまざまな落下防止策を考えられると思います。

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