ポートワインのお値段あれこれ:ドイツ再発見:SSブログ
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ポートワインのお値段あれこれ [ポルトガル北部]

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現在、イースター休暇中のポルトガル北部旅行記を連載中。

ポートワインの原料となる葡萄はドウロ河流域のこんな葡萄棚で栽培されている。
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緑が綺麗だが、それは地面の草の色。
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3月後半、葡萄はまだ芽も出していなかった。
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新たに葡萄棚を作っているところも多く見かけた。
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先日から書いているように、今回の旅のテーマは、ここで穫れた葡萄から作られたポートワイン。滞在最初の2日間にポートワインの魔の世界に片足を突っ込み、そのまま北部一週の旅に出ためぎ家は、3日目の夜に泊まったギマランイスのポサーダという修道院を改築したホテルで、初めてホワイトにも手を伸ばした・・・例のワイン学のお店のプロフェッサーが、ホワイトは食前酒として飲む、と言っていたので、ポサーダのレストランで食前酒は?と聞かれたとき即オーダー。これ、一杯4ユーロくらい。
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そのとき、あれ?と思ったのが、レストランでオーダーしたのに運んできたのはバルのおじさんだったこと。その後食事中にオーダーしたワインはレストランの人が給仕してくれたのだが、最後に食後酒としてオーダーしたときも、バルでお飲みになりますか?と聞かれ、いえ、ここで、と言ったらやっぱりバルのおじさんがポートワインを運んできた。
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↑これはたしか、うちのドイツ人が10年物トウニーを頼んで13ユーロくらい、めぎはレイト・ボトルド・ヴィンテージのルビーを頼んで9ユーロくらいだった。

もしかしてポートワインって、どこのレストランでも置いているけど、基本的にはバルで飲むものなんじゃない?ということになって、グラスを持ってバルへ移動。
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ポサーダのバルはシック。
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良いのを並べて飾ってるし。
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ポサーダは高級なので、たぶんこれがポートワイン一杯の値段の上限かと思う。もちろんもっと良いのを頼めばもっと高いだろうが、そこそこのでも食前酒と食後酒二人分で30ユーロくらい(4千円弱)だと言うことだ。東京の高級バーで飲むと考えれば破格。日本からポサーダを泊まり歩くツアーなどがあるというのも頷ける。

数日後、それより格の低そうな、でもそこそこのリゾートホテルらしかったPóvoa do Varzimという町の海辺のホテルのバーでは、食前酒のホワイトが一杯2.7ユーロくらいだった記憶。
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写真を撮っていないが、そのバーで食後酒に飲んだ20年物のトウニーは一杯6.8ユーロくらいだったと思う。普通のトウニーは3ユーロくらいだったかな。ずいぶん良心的な価格設定のホテルだね、と言いながら飲んだのだった。

それからこれは入っていないところだが、ポルトのポートワイン工場の並ぶヴィラ・ノヴァ・デ・ガイアのレストランの一つ。
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飲み物の値段の表示を拡大してみると・・・普通のトウニーやルビーやホワイトは2.5ユーロ、LBV(レイト・ボトルド・ヴィンテージ)は4ユーロ、10年物トウニーは4.5ユーロ、20年物トウニーは8.5ユーロと書かれている。ちなみにこの上の赤い表示のソフトドリンクのところにはコーヒーが60セント(75円!)と出ていて、それはどこのカフェでもだいたいそうだったから、ポートワインの値段もここの値段が相場なのかな、と思う。ドイツではカフェでコーヒーを頼んでも2.5ユーロはするのだから、ずいぶん物価が低い。ここはポルト観光の目玉の地域だし、ポルトの観光客向けレストランで飲んだ場合、このくらいの値段なのだろうな。
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しかし、昨日ご紹介したこのバルのこのトウニー一杯のお値段は・・・
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1ユーロだった。(日本円で125円。)

その後の旅先で、いつもどうってことのないバルへ食前酒にホワイトを飲みに行き・・・(次の2枚は2口くらい飲んでからの撮影)
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別のレストランで食事してから再びバルへ行ってトウニーを飲んだのだが・・・(このように、常になみなみで溢れそう)
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いずれも一杯1ユーロだった。

入ったバルというのは外見はこんな感じの、決してお洒落でも素敵でもなく、ポルトガルまで来てこんなどうでもいい店に入るの?と言いたくなるような、例えばこんなところ。
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中はキオスクのようにスナック菓子なども置いてあり、頼めばパンにハムかチーズをささっと簡単に挟んで出してくれたりもし、時間帯によっては読み散らかした新聞などで結構ぐちゃぐちゃしてて、極めて庶民的。決して観光客向けではなく、地元の人が(例えば大工さんとか道路工事の人とか消防の人とかが作業着のままで)仕事の合間にちらっとコーヒーを飲みに来たり(そういう人はカウンターでさくっと飲んでさくっと消えた)、ビールを引っかけに来たりするところ。
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しかし、そういうところでは常に1ユーロでこんなになみなみ飲めるのだった。この丸い可愛い形の小さめのグラスは1ユーロトウニー用なのかな・・・香りを楽しむのではなく、美味しいお酒をたっぷり飲もうという感じ。結構な量なのに、後にも残らない不思議なお酒。
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田舎の普通のバルでは、ポートワインと言えばトウニーのことで、トウニーと言っても通じなかったり、ルビーなんて全く無かったり。ホワイトはどこにでもあった。10年物トウニーをおいているところもあったが、それ以上の等級のは無かった。まあ、ポサーダや高級ホテルのバーに泊まれば田舎でも何でもあるんだろうけれど。

この国の少なくとも北部の地域では、ポートワインのホワイトとトウニーが日常に溶け込んでいるのだな。誰でも払える1ユーロでこんなにたっぷり飲める日常がここにある。ヴィンテージだの30年物だの良い香りと魅惑的な味わいを楽しむお値段の際限のない高級でお洒落な世界と背中合わせのこの日常。文化というのはこういうものなのかも知れない。
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ポートワインの蘊蓄を知ってあれこれ試したり語ったり味わったりするのはとても楽しい。しかし、そういうバルには外国人観光客しかいない。この日常の、地元の普通の人々のポートワイン文化はめぎの心にずっとずっと深く共鳴し、非常に味わい深かった。

撮影: Nikon 1 V3 + 18.5mm(F1.8)、D600 + 20mm(F1.8)
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Baldhead1010

琥珀色のワイン、おいしそうですね^^

でも、酔っ払いそう^^
by Baldhead1010 (2016-04-13 04:28) 

YAP

昨日の答えは1ユーロでしたか。
安い方に答えがありそうという予想は当たってましたが、ここまでお得だとは。
by YAP (2016-04-13 07:15) 

ふーみん

ワイン ポートがつくと軽い感じなんですかね。
白ワインが好きです。
by ふーみん (2016-04-13 15:12) 

ナツパパ

プクリと、丸いグラス、良いなあ。
アップで見て、欲しくなっちゃいました。
これでポート酒やワイン飲んだらいいだろうなあ
...などと夢想しています。
by ナツパパ (2016-04-13 17:31) 

Inatimy

葡萄棚、広いですね〜。 高低差、いいなぁ。
ドウロ川の上流にスぺインのワインの産地があるんですよね。
ワインは水よりも安かったです^^。
ユーロになった時に便乗値上げが多かったから、
バルで飲むポートワインも以前はもっと安かったのかも・・・。
by Inatimy (2016-04-14 05:12) 

mimimomo

ポートワインって酔わないのかしら(@@? 焼酎には酔わないけれどワインには酔うわたくし(●ーー;;;
by mimimomo (2016-04-14 09:44) 

engrid

地元の人々のお店で、そこで日常に
暮らしが見えてくるっていいですね、
丸いグラス、かわいいな、、バルで気軽に楽しむ
庶民の楽しみなのね、、
by engrid (2016-04-14 18:03)