厚生労働省、コード・フォー・ジャパン開発のアプリを採用せず 団体代表がイベントで説明 | Med IT Tech

厚生労働省、コード・フォー・ジャパン開発のアプリを採用せず 団体代表がイベントで説明

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日本版のいわゆる「コンタクトトレーシング」アプリについて、政府の検討チームの一員である一般社団法人コード・フォー・ジャパンが開発していたものを採用せず、別のチームで独自開発することが明らかになった。13日、同団体の代表がオンラインイベントで明らかにした。

現在開発中の仕様不明 コード・フォー・ジャパンは18日にもソースコード公開

新型コロナウイルス感染拡大防止のためのテクノロジー活用を検討する「新型コロナウイルス感染症対策テックチーム」は、4月の初会合以来3回にわたり、民間企業もチームに入れさまざまな取り組みを検討している。その中でも柱となるプロジェクトが、各国も実施している感染者との接触追跡、いわゆる「コンタクトトレーシング」アプリだ。チームには第1回より、独自にApple/Googleが共同で公開予定のAPIを利用するアプリを開発中だった一般社団法人コード・フォー・ジャパンが入り仕様の検討、調査を進めてきた。5月8日に開催された第3回では、同団体がほぼ開発が完了していることを報告。アプリ名や画面UIも提示し、AppleとGoogleのAPI公開があり次第リリースされるものとみられていた。

しかし13日に同団体が開催したオンラインイベントの冒頭で、代表の関 治之氏が、今回厚生労働省が開発するアプリに同団体が開発していたものは採用されない旨を報告した。同団体としては引き続き政府に対し、仕様などについてのアドバイス、ソースコードの提供などの協力を行う予定であるという。なお、イベント参加者から、今回の厚生労働省の方針についての質問が複数上がったが、「答える立場にない」としていずれも回答しなかった。

この方針には、AppleとGoogleが5月に入って公開したAPIの利用許諾条件のなかに「各国の保健当局のみが利用でき、1国1アプリ限定」という内容が盛り込まれたことが影響しているともみられたが、同団体は当初より政府のテックチームの一員として参加しており、事実上政府の意向を受けて取り組んでいたものとみられるだけに、条件には抵触しないと考えられる。またApple/GoogleのAPIを活用する方向であることは変わらないとしており、今回の同省の方針がどういった根拠で決定されたのか、現在公開されている情報では不透明なままだ。

なお8日の会議では、以後は新たに設置された有識者会合で仕様の検討を行い、プライバシー保護の観点などから精査することが示されたが、その後9日に開催された第1回会合では、仕様について「非公開」とされている。

コード・フォー・ジャパンでは、これまで開発してきたソースコードについて、政府も含めた今後の取り組みに資するため18日にも公開するとしている。もし今後政府がリリースするアプリの公開が、同じような仕様であるにも関わらずこの日より大幅に遅れるようであれば、緊急事態宣言解除後の「新しい生活様式の徹底」に資するはずのICTツールの公開が、不透明な経緯で遅れることになる。今後有識者会合でどのような検討が行われ、速やかな開発と公開に繋がるのか注目される。

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