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「さおだけ屋はなぜ潰れないのか?」著者・山田真哉氏が登壇! 弥生×Misoca「経理の日イベント2018」レポート
2018.04.04
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突然ですが、読者のみなさんに問題です。
問題
あなたはサッカーチームの広報担当。チームのホームゲームでの成績は、現在1勝2引き分けです。より観客を呼ぶためにはどうする?
こちらは3月27日(火)に行われた「経理の日イベント2018」での公認会計士・税理士の山田真哉氏による講演「明日からつかえる“世界一やさしい会計学” ~さおだけ屋から紐解く、数字・会計センス~」内で出題された“数字センス”を問うクイズです。みなさんはお分かりになりますか?
「経理の日イベント2018」は、弥生株式会社と株式会社Misocaが「経理業務の大切さを認識し、新たな気持ちで新年度を迎える日」として、3月31日を『経理の日』と定め、日本記念日協会より認定を受けたことを記念した、お客さま参加型のイベント。今年で2回目の開催となります。
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定員を大きく上回る応募の中、弥生&Misocaをご利用のお客さまにお集まりいただき、イベントは大盛況となりました。今回は読者のみなさんに向けて、山田氏の講演を中心に当日の模様をレポートさせていただきます。
目次
会計は難しくない!「少しの知識と意識があれば大丈夫」
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今回の講演テーマは「世界一やさしい会計学」ということで、会計が苦手な人、数字や会計センスを磨きたい人、会計を自分の仕事に役立てたい人、起業したばかりの人などに向けて、会計について、分かりやすく教えていただきました。
「本日お越しいただいた中には、会計が苦手という方もいらっしゃるかと思います。でも、会計って本当は難しくない。会計は理系科目と思われがちですが、実は文系科目なんです。なぜかというと、会計には“ストーリーがある”から。そして、足し算、引き算、掛け算、割り算といった四則計算しか使いません。必要なのは少しの知識と、そして“意識”です。こういう視点で考えればいいんだよ、という意識があれば、会計は大丈夫です。今回はそういったお話をさせていただければと思います」
そこで、さっそく会場の方に出題されたのが、冒頭で紹介した数字センスにまつわるクイズです。
「数字センスとは何か。みなさんにクイズを解いてもらいながら解説していきます。『あなたはサッカーチームの広報担当。チームのホームゲームでの成績は、現在1勝2分け。より観客を呼ぶためにはどうする?』という問題です。もちろん有名人を呼ぶとか、いろいろな策はあると思うのですが、今回は数字センスの問題です。なので、“数字をどう扱うか”に注目して考えてみてください」
ヒントは「1勝2分という数字をどう言い換えるか」だと言います。
「1勝2分、といってもお客には響かないわけです。こういう時のパターンはもう決まっています。これは『3戦無敗』『負けなし』と言うのが正解です。数字というのは単位を変えたり、表現を変えたりすることで、いろんな形を見せてくれます。ストレートにいうことは誰でもできる。それをどうやって言い換えることができるかが、経理部だったり、経営企画室だったり、経理や経営に関わる人たちに必要な“数字センス”なんです」
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他にも、こんなクイズが出題されました。
問題
あなたは1教室しかない小さな塾の経営者。 有名高校Aに40名の合格者を出している。 駅前の大手塾が、「A高校に120名合格! 市内6教室で展開中」 というチラシを配った。対抗するにはどうする?
「普通に考えるとライバル校に負けてしまいます。小が大に勝つにはどうするか。そういう場合は『割ってしまう』んです。大手塾は1教室あたり20名。なので、答えは『大手塾より2倍の合格者を輩出!』とアピールすること。数字センスには、相手を割ったり、自分を割ったり、小さくセグメンテーションしたりすることが大切です」
問題
ライバル会社が買い物時に5%還元というキャンペーンを始めた。 しかし、あなたの会社は2%を還元できる分しかキャンペーン予算がない。どうする?
こちらは難問とのことで、来場された方たちも、うーんと頭をひねっていました。ヒントは「唯一あなたの会社が勝っている部分、それは何か?」とのこと。
「あなたの会社が勝っているのは、『相手はもうキャンペーンをはじめている』ということ。でも、うちの会社はこれからなので、勝機は“違う土俵で戦える”という点です。では、何ができるか?2パーセントは100分の2、つまり50分の1です。ということは、50分の1を還元すればいいということ。つまり50人に1人に還元するのも同じです。答えは『50人に1人無料キャンペーンを行う』こと」。こうしたキャンペーンのほうがお得じゃないかと感じる人はたくさんいますし、実際、50回買い物してくれる人だって現れるんです」
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数字センスを磨くユニークな問題、目からうろこの解答、そして山田氏のわかりやすい解説に、どなたも真剣な眼差しで聴き入っていました。
会計とは「人を冷静にさせるツールである」
続いてのテーマは“会計センス”について。こちらもクイズが出題されました。
問題
コスト削減をしたい。 次の2つのうち、どちらがお得?
(1)1,000円のものを500円で買う
(2)101万円のものを100万円で買う
「あくまでもコスト削減をしたいという話です。どっちのほうがお金は浮きますか?確実に1万円が浮く(2)が正解です。お得を考えるならパーセンテージではなく、絶対額で考えてください。これを私は『金額重視主義』と呼んでいます」
問題
同じような商品が2つ並んでいる。どちらがお得?
(1)「定価1000円 →特価800円」
(2)「定価700円」
「これも同じ考え方です。同じような商品ということは、純粋に金額だけで比較するべき。値引きや特別というと、お客さまは大事にされている感じがするんですが、同じ商品なら(2)のほうがお得です。あくまでも金額だけで判断してください」
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普段なにげなく生活をしていると、こうした数字に惑わされがちですが、これにひっかからないことが「会計センス」だと言います。
「あらゆる“感情”を排除して、あくまでも“勘定”で考える思考法が必要です。みなさんは会計をそもそも何のためにやっているのか。いちばん大事なのは、会計というのは人を冷静にさせるツールであるということ。数字を出して、ちゃんと冷静になって考えてみよう、というのが会計なのです」
「グラフィックレコーディング」でイベント内容をリアルタイムに可視化!
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その後も「10分でわかる!さおだけ屋はなぜ潰れないのか?」や「経営のための会計学」などをテーマにお話しいただきました。とても濃密でボリューム満点な講演だったため、すべてをご紹介できないのが残念ですが、なんと今回のイベントでは同時進行で「グラフィックレコーディング」も会場内に描かれていきました。
グラフィックレコーディングとは、議論や発表の内容、構造、流れをグラフィックを活用してリアルタイムに可視化するというもの。実際に描かれたものがこちらの4枚になります。講演を含め、「経理の日イベント2018」の内容がわかりやすくまとまっているのでぜひご覧になってください。
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作成いただいたのはグラフィックカタリスト・ビオトープさま。お越しいただいた方たちからも「分かりやすい」「イラストが可愛い」「イベント中にどんどん出来上がっていくのがすごかった!」など非常に好評でした。
懇親会ではお客さま同士での交流も!
イベントでは広報担当から、弥生が取り組んでいる「スモールビジネス支援」と「会計教育」についてもお話させていただきました。
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スモールビジネス支援については「東北復興応援活動」と「起業家支援」に取り組んでいます。東北復興応援活動は2011年より、現地の商工会議所や商工会にご協力をいただきながら、弥生ソフトの無償提供や、製品の使い方やお金の大切さをテーマにしたセミナーなどの活動を行ってきました。近年では地方創生支援へも活動の幅を広げています。また、起業家支援では、「夢とそろばんをすべての起業家へ。」をテーマに、起業を考えている方や起業間もない方たちを中心に、各所でのセミナー、小冊子配布やWEBサイト、また製品無償提供などを行っています。
会計教育の普及としては、教育支援プログラムである「弥生スクール」を提供しています。商業高等学校を中心に認定校として289校(2017年1月末現在)に実際に授業で活用いただいています。さらに弥生では「IT教育支援」の一環として、技術立国日本の次代を担う若い世代にものづくりの情熱を伝え、IT産業に一人でも多くの優秀な人材を招き入れるために創設された「BCN ITジュニア」に協賛しています。
その後、お客さま同士で交流を深めてもらいたいという想いから懇親会がスタート。イベント会場は弥生株式会社のオフィスがある秋葉原UDXビルに2018年4月新たに誕生したスペース「LIFORK AKIHABARA」で、おしゃれでアットホームな雰囲気の中、懇親会は大盛り上がり!
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以上、ダイジェストとなりましたが、「経理の日イベント2018」の模様をお届けいたしました。うれしいことに、参加していただいた方たちがみなさま、笑顔で帰っていかれたことがとても印象的でした。
今後も弥生では、お客さまに向けたイベントを開催していく予定です。気になるイベントがありましたら、ぜひお気軽にご参加ください。
この記事の著者
弥報編集部
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