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Excel今すぐマスターして業務に活用したいExcelワザ(カレンダー編)

2017.04.18

著者:飯島 範久

Excel今すぐマスターして業務に活用したいExcelワザ(カレンダー編)

オフィスソフトの中で、業務と切っても切れない関係にあるのが「Excel」です。日々の入力作業や資料作成などでかなりの時間が割かれていると思いますが、Excelの機能を使いこなしている人とそうでない人では、作業時間に大きな差が出てきます。そこで今回は、カレンダーのつくり方を通じて、Excelを使いこなす「ワザ」をいくつかご紹介しましょう!なお、今回作成するカレンダーのExcelファイルはここからダウンロードできますので、ぜひ参考にしながらこの記事をお読みください。

※本原稿では最新版のOffice 365を元に説明しています。バージョンによってはメニューの構成が多少違う場合があります。

Excelの基本中の基本となるショートカット

最近のExcelはマウス操作だけでも簡単に扱えますが、操作のスピードアップの基本は“キーボード操作”です。極力キーボードから手を離さずに各種機能を使いこなせれば、作業効率アップにつながります。カレンダー作成の前に、Excelの操作の中でもごく基本的なものを紹介しておきましょう。

やり直しのやり直し「Ctrl+Y」

入力ミスなどで元に戻すことはよくあること。元に戻すのは、「Ctrl+Z」を押すだけで簡単に戻すことができますが、つい戻さなくていいところまで戻してしまうことがたまにあります。そんなときは「Ctrl+Y」を押すことで、元に戻す前の状態にしてくれます。Ctrl+Z をする時点まで元に戻せるので、Ctrl+ZとCtrl+Yの組み合わせはセットで覚えておきましょう。

前のデータをコピー「Ctrl+D」「Ctrl+R」

データをコピーして貼り付けるという作業はよくありますが、入力した直前のデータをコピーしたいとき、セルを移動してコピーを実行し、次のセルへ移動して貼り付けするのはとても面倒。しかし、上のセルなら「Ctrl+D」、左のセルなら「Ctrl+R」を押すだけでコピーが実行されます。

左がCtrl+D、右がCtrl+Rの動作。書式も含めてコピーされる
左がCtrl+D、右がCtrl+Rの動作。書式も含めてコピーされる

勤怠やスケジュール管理で使えるカレンダーをつくる

会計や経理以外でExcelがよく利用されるのは、勤怠やシフト、プロジェクトの管理、従業員の休暇スケジュールといったカレンダーでしょう。今回紹介するカレンダーの作り方は、いくつかのワザを駆使していますのでカレンダー以外の制作でも参考になります。

まず、月と日付部分です。2月や3月など月を自分で都度入力することで、自動的にその月の日付や曜日が表示されるシートを作成してみましょう。つくりたい年月をまずA1セルに入力します。

A1セルに「2017/3」と入力すると「Mar-17」と表示。ここで、[セルの書式設定]にある[日付]の[種類]で[2012年3月※]を選択すれば、画像のようになる ※日付が異なる場合があるが、xxxx年y月と表記される項目を選択すればOK
A1セルに「2017/3」と入力すると「Mar-17」と表示。ここで、[セルの書式設定]にある[日付]の[種類]で[2012年3月※]を選択すれば、画像のようになる
※日付が異なる場合があるが、xxxx年y月と表記される項目を選択すればOK

次に、3行目を日付にします(別の行でもOKです)。まず、B3セルに「=A1」と入力します。右のセルC3には「=B3+1」とB3セルの値に1プラスします。B3とC3セルを選択したあと、「Ctrl+1」で[セルの書式設定]ダイアログを表示し、[表示形式]のユーザー定義で[種類]に「d」と入力します。dを入力する理由は日付のみを表示するためです。

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POINT
Ctrl+1で表示される[セルの書式設定]は、値をどのように表示するか決めたり、フォントや罫線、背景などを指定したりする際に使います。値の表示方法は、いくつかテンプレートが用意されており、初心者でもその中から選択するだけで利用可能です。

Ctrl+1で表示される[セルの書式設定]は、値をどのように表示するか決めたり、フォントや罫線、背景などを指定したりする際に使います。値の表示方法は、いくつかテンプレートが用意されており、初心者でもその中から選択するだけで利用可能です。

C3セルをコピー(Ctrl+C)し、右のセルD3から「Shift+→」で29セル分選択します。左上にある[名前ボックス]に注目すると、何セル分を移動したかが分かります。選択後Ctrl+Vで貼り付けると連続した日付になります。

「Shift+カーソルキー」で、セルを選択できる。選択したセルの数は、左上の[名前ボックス]か、選択しているセルに表示される
「Shift+カーソルキー」で、セルを選択できる。選択したセルの数は、左上の[名前ボックス]か、選択しているセルに表示される
「Shift+カーソルキー」で、セルを選択できる。選択したセルの数は、左上の[名前ボックス]か、選択しているセルに表示される
POINT
セルの選択は、Shift+カーソルキーでできますが、例えばグラフを作成する場合、表全体を選択します。そのとき、まず左上のセルを選択し、続いて「Shift+Ctrl+→」を押すと、値の入っている左端まで一気に選択されます。さらに「Shift+Ctrl+↓」を押せば、値の入っている下端まで一気に選択され表全体が選択されます。Shift+カーソルキーと組み合わせて使えば素早く選択できます。

セルの選択は、Shift+カーソルキーでできますが、例えばグラフを作成する場合、表全体を選択します。そのとき、まず左上のセルを選択し、続いて「Shift+Ctrl+→」を押すと、値の入っている左端まで一気に選択されます。さらに「Shift+Ctrl+↓」を押せば、値の入っている下端まで一気に選択され表全体が選択されます。Shift+カーソルキーと組み合わせて使えば素早く選択できます。

続いて3行目の日付の下に曜日を表示するようにしましょう。B4セルに「=B3」と上のセルを参照させます。Ctrl+1で[セルの書式設定]ダイアログを表示し、[表示形式]のユーザー定義で[種類]に「aaa」とすると、曜日が日本語1文字で表示されます。「月曜日」と「曜日」を入れたい場合は「aaaa」とします。

B4セルに「=B3」と入力し、書式設定で[ユーザー定義]の[種類]に「aaa」と入力。するとセルには「水」と曜日が1文字で表示される
B4セルに「=B3」と入力し、書式設定で[ユーザー定義]の[種類]に「aaa」と入力。するとセルには「水」と曜日が1文字で表示される
B4セルに「=B3」と入力し、書式設定で[ユーザー定義]の[種類]に「aaa」と入力。するとセルには「水」と曜日が1文字で表示される

先ほどと同様に、B4セルをコピー(Ctrl+C)し、右のセルC4からShift+→で30セル分選択しCtrl+Vで貼り付けます。これで、A1で指定した年月に合わせて、日付と曜日が表示されます。

あとは、マウスでBからAFのタブを選択し、境界線をダブルクリックすると文字幅に合わせたセル幅になります。罫線を入れればカレンダーのでき上がりです。

とてもシンプルだが、左側に従業員名やプロジェクトの工程などを記載して活用できる
とてもシンプルだが、左側に従業員名やプロジェクトの工程などを記載して活用できる

【応用編】カレンダーをより見やすく整形する

完成したカレンダーは、日付と曜日が並んでいるだけで、会社が休みの週末が認識しづらいですね。そこで、土曜日を青色に、日曜日を赤色にしましょう。

曜日によって色を変えるには、[条件付き書式]機能を使います。まず条件をつけたいセルB3からAF4の範囲を選択します。続いて「Alt+O→D」と押すと[条件付き書式ルールの管理]ダイアログが開くので、「Alt+N」を押して[新しい書式ルール]を作成します。

キーボードからショートカットを使ってもいいが、マウスで[条件付き書式]をクリックし、メニューから[新しいルール]を選択してもいい
キーボードからショートカットを使ってもいいが、マウスで[条件付き書式]をクリックし、メニューから[新しいルール]を選択してもいい
POINT
[条件付き書式]は、セルの値に対してセルの書式設定を変更できるもの。セルの値が変化する場合、ここで条件を設定しておけば、自動的に変化してくれます。ルールがあらかじめ用意されているものを活用してもいいですが、自分でルールを設定することも可能。条件は数式で表現し、関数も使えます。

[条件付き書式]は、セルの値に対してセルの書式設定を変更できるもの。セルの値が変化する場合、ここで条件を設定しておけば自動的に変化してくれます。ルールがあらかじめ用意されているものを活用してもいいですが、自分でルールを設定することも可能。条件は数式で表現し、関数も使えます。

[新しい書式ルール]では、まずルールは[数式を使用して、書式設定するセルを決定]を選択。内容は[次の数式を満たす場合に値を書式設定]に「=WEEKDAY(B$4)=1」と入力します。このとき、入力中にカーソルキーを押すと、参照するセルの値が入力されてしまうので注意しましょう。カーソルを移動するときは「F2」を使います。「Alt+F」でセルの書式設定ダイアログを出し、[フォント]タブで色を赤色に、[塗りつぶし]タブで背景色を薄い赤色にしましょう。

数式を入力しているときに、カーソルキーを使うとセル名が入力されてしまう。カーソル移動したいときは、まずF2キーを押そう
数式を入力しているときに、カーソルキーを使うとセル名が入力されてしまう。カーソル移動したいときは、まずF2キーを押そう
POINT

=WEEKDAY(B$4)=1

関数「WEEKDAY(日付)」は、曜日の値を返します。日曜日が1で土曜日が7になります。WEEKDAY(B$4)=1とは、セルB$4の日付の曜日が1(日曜日)のとき書式を変更するという意味になります。

セルの書式設定は、日曜日のときに変化させるフォントの色と背景色を指定する
セルの書式設定は、日曜日のときに変化させるフォントの色と背景色を指定する

同様にもう1つ新しい書式ルールを作成し、[数式を使用して、書式設定するセルを決定]を選択。[次の数式を満たす場合に値を書式設定]に「=WEEKDAY(B$4)=7」と入力し、書式設定でフォントの色を青色に、背景色を薄い青色にします。

こうすることで、土曜日は青色系に、日曜日は赤色系に自動で変化します。

土曜日と日曜日に色がつくことで、1週間が判別しやすくなった。色を変化させるセルの範囲を広げるには、[条件付き書式ルールの管理]で、[適用先]の範囲を変更すればいい
土曜日と日曜日に色がつくことで、1週間が判別しやすくなった。色を変化させるセルの範囲を広げるには、[条件付き書式ルールの管理]で、[適用先]の範囲を変更すればいい
土曜日と日曜日に色がつくことで、1週間が判別しやすくなった。色を変化させるセルの範囲を広げるには、[条件付き書式ルールの管理]で、[適用先]の範囲を変更すればいい

ただ、これだと祝日や会社の休みは反映されません。そこで、別のシートに祝日と会社の休日を登録してカレンダーに反映させてみましょう。

まず、別のワークシートを挿入し、必要に応じてシート名を変更しましょう。ここでは「休日」としました。次に、休日になる日を登録します。国民の祝日の情報は、内閣府が発表しています。またGWや夏休み、冬休み、創立記念日など会社の休みも登録します。

別のシートに休日を登録していく。何の日か分かりやすいよう、名称も合わせて登録しておこう
別のシートに休日を登録していく。何の日か分かりやすいよう、名称も合わせて登録しておこう

元のカレンダーシートに戻り、セルB3からAF4の範囲を選択したあと、[条件付き書式]で[新しい書式ルール]を作成します。[数式を使用して、書式設定するセルを決定]を選択。[次の数式を満たす場合に値を書式設定]に「=MATCH(B$4,休日!$B:$B,0)<>””」と入力し、書式設定で休日と同じ配色、フォントの色を赤色に、背景色を薄い赤色にします。

POINT

シートの作成は「Shift+F11」、シートの切り替えは「Ctrl+Pageキー」ですが、複数のファイルを開いたときの切り替えは「Ctrl + F6」で切り替えられます。複数のシートやファイルを開いての作業時はとても便利です。

関数「MATCH(値,参照範囲,0)」を使用することで、休日の日付を参照し、セルの値がない場合は何も値を返さない。これを利用して、何も値がないとき以外はセルの書式を変えるという指定をしている
関数「MATCH(値,参照範囲,0)」を使用することで、休日の日付を参照し、セルの値がない場合は何も値を返さない。これを利用して、何も値がないとき以外はセルの書式を変えるという指定をしている

こうすることで、休日に登録した日付と一致した日は、休日の色に変化します。

登録した休日が反映された。休日はいくつでも登録可能だ
登録した休日が反映された。休日はいくつでも登録可能だ

最後にもう1つ。月によって、28日だったり31日だったりするため、これまでのやり方だと31日より少ない月は、翌月の日付が表示されてしまいます。そこで、月に合わせて表示する日数を増減させましょう。

月によって表示するか否かは関数を使います。表示されない可能性があるのは29日から31日の3日間。このセルに次の関数を埋め込みます。

  • 29日のセルAD3
    =IF(MONTH($A1)<>MONTH(AC3+1),””,AC3+1)
  • 30日のセルAE3
    =IF(MONTH($A1)<>MONTH(AC3+2),””,AC3+2)
  • 31日のセルAF3
    =IF(MONTH($A1)<>MONTH(AC3+3),””,AC3+3)

これは、各セルの値がA1セルで指定した月と同じか否かを判断し、月が違えば何も表示しないようにしています。

セルに関数を使って条件分岐させている。セルA1の月と現在のセル(AC3+1)が同じだったら日付を表示、そうでなければ何も表示しない
セルに関数を使って条件分岐させている。セルA1の月と現在のセル(AC3+1)が同じだったら日付を表示、そうでなければ何も表示しない
POINT

関数の中で条件分岐は基本。「IF(条件,真の場合,偽の場合)」と記載します。今回は条件で関数「MONTH(値)」を使い、何月か調べています。先ほども使用しましたが、論理式「<>」は、「ではない」の意味で「=」の反対になります。

罫線も表示と非表示の設定しておきましょう。[条件付き書式]で[新しい書式ルール]を作成します。[数式を使用して、書式設定するセルを決定]を選択し、[次の数式を満たす場合に値を書式設定]に「=AD$4<>””」と入力し、書式設定で罫線の指定をします。これで、値がないときは罫線も表示されません。

29日から31日に当たる範囲を指定し、日付のセルに値があれば、罫線を表示するルールを指定。あらかじめ罫線を指定していた場合は、罫線なしにしないと消えないので注意
29日から31日に当たる範囲を指定し、日付のセルに値があれば、罫線を表示するルールを指定。あらかじめ罫線を指定していた場合は、罫線なしにしないと消えないので注意
左から2月、4月、5月のときの表示。月に合わせて自動的に表示調整される
左から2月、4月、5月のときの表示。月に合わせて自動的に表示調整される

これでカレンダーは完成です。月ごとにシートをコピーして利用すれば、年月を変えるだけでその月のカレンダーになります。今回紹介した操作方法や機能については、まだまだExcelのごく一部ですが、例えば、売上の管理で未入金の案件がある場合、目立つように背景の色を変えるといった、ほかの業務でも応用できます。今回作成したExcelファイルはここからダウンロードできますので、ぜひ参考にしてみてください!

この記事の著者

飯島 範久(いいじま のりひさ)

フリーの編集・ライター。1992年にアスキー(現KADOKAWA)へ入社し『DOS/V ISSUE』や『インターネットアスキー』『週刊アスキー』などの編集に携わる。2015年に23年務めた会社を辞めフリーとして活動開始。PCやスマホはもちろん、ガジェット好きで各種媒体に執筆している。

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