2012年 04月 29日
天上の音楽としてのカサドシュ/セルによるモーツァルトピアノ協奏曲
昨日から、カサドシュ/セルによる演奏を聴きなおし、やはりこれは稀有の名演と感じ入っている。
カサドシュのビアノの音色はどこまでも蒼く澄み、初夏の高原をわたる風のように心地よい。
短調のフレーズも、重々しくなり過ぎず、蒼い空にうっすらと刷毛で淡くグレーを重ねるような翳りを与えて、また軽やかな舞に戻り、その程の良さが翳りを一層引き立たせるのだ。
セルの指揮も涼やかで濁りのない玲瓏な演奏でカサドシュのピアノに寄り添う。
明日から五月が始まるのだ。
ジョージ・セルは、むかしの石丸電気の黄色いレコード袋のイラストの一つにあった漫画のイメージ(やんちゃオジサン)がどうしても頭から離れずで、どうしてもきちんと向かうことをしていませんでした。優しいオジサンだったんだなあ…。