The Top CRM Vendors to Consider in 2024 その10
今回で締めとなる2社とも知りませんでしたが、これまでのCRMベンダーとは少々異なったタイプです。
eGain
The Top CRM Vendors to Consider in 2024での紹介に、
Technology vendor eGain creates and distributes various intelligent forms of software, from the eGain knowledge hub for contact centers, to virtual assistant and co-browsing tools.
と書かれているように、同社は、コンタクトセンターの為の“knowledge hub”から色んな機能を提供しておられるようで、wikipediaでも同様に、
The eGain software suite comprises three groups of apps: Conversation Hub, Knowledge Hub, Analytics Hub.
となっていることから、各種“hub”を元にしたシステムなのでしょう。
だからか、同社のwebsiteのTopには、
Ready to hub your knowledge?
というメッセージが出てきます。
つまり、
貴方の会社は様々な情報をhubを介してやりとりしながら業務効率を上げて行けるようになっている?
と問いかけているわけで、一般のCRMベンダーとは少しアプローチが違うようです。
Appian
同じく、The Top CRM Vendors to Consider in 2024に於いて、
More than just a standard CRM vendor, Appian is a workflow automation and business intelligence software vendor.
の前半で、「ウチは普通のCRMベンダーとは違ってさ」と言っているように見えますが、説明の最後では、
Appian offers a unique alternative to most market leaders.
と補足していますし、wikipediaには、
The company sells a platform as a service (PaaS) for building enterprise software applications.
と書かれているので、確かに、同社も一般のCRMベンダーとは考え方そのものが違うように見えます。
だからか、同社の日本語websiteでも、
ローコード・アプリケーション・プラットフォームおよびプロセスマイニングにおけるリーデング企業、およびビジネスワークフロー自動化ユースケースでナンバーワンの企業として評価されています。
と説明しています。
The Top CRM Vendors to Consider in 2024 その9
Pega Systems
“The Top CRM Vendors to Consider in 2024”に於いて、
Communication technology and software vendor, Pega Systems, competes against other top CRM vendors with an all-in-one solution for customer relationship management.
と書かれているようにCRM以外に広範な分野で事業展開している会社で、同社の日本語websiteには、メガバンクや大手保険会社での導入事例が紹介されています。
また、同サイトでも、
創業から40年にわたるソフトウェアの革新は序章に過ぎません
と長い業歴があることを言っていますが、日本法人を設立したのも2011年とのことです。
そしてCRM分野においては、
Forrester ranks Pega a top CRM offering
と評価されたことを紹介しています。
因みに、同社と並んでLeadersとランクされているのは、
などなのですが、このForrester社はココでも書いているので参考にして下さい。
servicenow
2022 Enterprise SalesTech Landscape
でも何回か出て来たので社名は知っていましたが、wikipediaに、
2004 年に、Peregrine SystemsとRemedy CorporationのCTO (最高技術責任者) であった Fred Luddy によって創立された企業向けクラウドサービスを提供する企業である。
と紹介されていて、
2019年、独SAPの最高経営責任者からの退任が発表されていたBill McDermottが、ServiceNowのCEOに就任した。
そうですが、パートナーには著名コンサルやメインフレーマーが名を連ねており、
2013 年に日本法人を設立し、日本でも事業活動を行っている。
とのことで、日本国内の導入先も多数に上ります。
また、同社では、
ServiceNow CSM で従来の CRM システムを超える
としているのですが、因みに、このCSMとは、
Customer Service Manegement
の略語ですが、
CRM は、売上を生み出すことを目的としており、営業とマーケティングの労力を管理するにも効果的なソリューションとなり得ます。
ではあるものの、
カスタマーサービス以外の部門が問題解決に関与しようとすると限界があります。
ので、CSMが必要なのだそうです。
The Top CRM Vendors to Consider in 2024 その8
今回紹介する2製品/サービスは、ノルウェーとアメリカの会社ですが、両社とも私は知りませんでした。
SuperOffice
古い話で恐縮ですが、表計算ソフト「Lotus1-2-3」で一世を風靡したロータス社が、
日本以外の市場での製品名は「SmartSuite」(読み:スマートスイート)だが、日本市場のみ「スーパーオフィス (SuperOffice)」とされたのは、「スマートスイート」では、マイクロソフトのオフィス製品の対抗製品であるということが分かりにくい、マイクロソフトオフィスより優れた製品であることをアピール
していたことを思い出しましたが、そんな日本の事情なんて、
SuperOffice AS was listed on the Oslo Stock Exchange from 1997[3] to 2009 under the ticker "SUO".
(SuperOffice AS は、1997年から2009 年まで「SUO」という銘柄コードでオスロ証券取引所に上場されていました。)
とwikipediaに紹介されているノルウェーの会社は知らなかったのでしょう。
また、同社は、
SuperOffice delivers its products through subsidiaries, distributors and resellers in Norway, Sweden, Finland, Denmark, Germany, the United Kingdom, the Benelux countries, Austria, Switzerland and the United States.
The company claims that more than 6,000 European companies are using SuperOffice CRM products.
とヨーロッパ各国だけでなく米国において販売代理店網を築き、ヨーロッパだけでも6000社のユーザーを擁していたようです。
そして、その後は、
On 14 September 2020, SuperOffice acquired the Dutch software company Infobridge.
により現在はオランダのInfobridge社の一部門となっています。
Nutshell
同社は、
Nutshell is headquartered in downtown Ann Arbor, Michigan.
米国ミシガン州に本社を構えているとwikipediaに書かれています。
同社のwebsiteのトップには、
Stress-free Sales and Marketing
と書かれているのは、使うのが面倒なCRM製品/サービスが多いと思われているからでしょうが、逆に、同社の製品なら、
Meet the all-in-one CRM that helps B2B teams close more deals.
全部コミコミの製品なので、法人向け取引を円滑に進めることができる
とのことです。
そう言えば、“Nutshell”とは、
名 堅果の殻、ごく小さなもの[容器]、ごく狭い場所
可算自動 簡潔に述べる
と英辞郎に書かれていますが、要するに「小さくまとまっていて簡単に使える」的な意味なのでしょう。
また、“The Top CRM Vendors to Consider in 2024”の説明にある、
AI timeline summarization features
とか
The platform can also integrate with numerous business resources through one-click integrations and API support.
あたりは興味深い機能なので、改めて詳しく研究してみることとします。
The Top CRM Vendors to Consider in 2024 その7
今回紹介する2社(2製品)は何れもヨーロッパの主要国で設立されたERPベンダーです。
SAP
SAPは元々ドイツ
で設立された著名はERPベンダーであることは今更説明の必要がありませんが、同社が提供するCRMの一般的な紹介をしつつも最後に、
There are also add-on solutions available for Enterprise Resource Planning.
(Enterprise Resource Planning に使用できるアドオン ソリューションも提供しています。)
とさらりと書くあたりが一番言いたいことなのでしょう。
同社の日本語websiteを見てみると、
とアピールした上で、いかにも世界的な大企業が安心して導入できそうな説明がされていますが、同社のパートナーであるAXXIS Consultingさんのwebsiteでは、
一般的に今日のCRMシステムは、販売に焦点を当てていますが、販売が終了しても、顧客との関係は終了するわけではありません。カスタマーエクスペリエンスの向上は、世界的にも経営の最優先事項となっており、この企業の考え方と戦略の変化に伴い、SAPのC/4HANAは設計されています。
と単に売り上げを伸ばす為に使うシステムではないのだと他社との違いを明確にした上で、
SAP C/4HANAは、”レガシーのCRMソリューション(販売に焦点を当てている)”を近代化したため、「次世代CRM」と呼ばれます。
と最新性を大きく強調しています。
Sage
“The Top CRM Vendors to Consider in 2024”に掲載されているロゴとは異なるものの、
Sage Group plcは、wikipedia日本語版に、
セージ・グループ(英: Sage Group plc)は、会計や給与管理向けのソフトウェア「Sage」の開発企業。イギリス・ニューカッスルに本拠を置き、欧米豪アジアなど世界約25カ国に拠点を展開、ヨーロッパの法人向けソフト開発企業としては、SAPに次ぐ規模を持つ。ロンドン証券取引所上場企業(LSE: SGE)。
と説明されている大企業です。
残念ながら現時点で日本法人もないので、日本国内の企業が検討することは少ないのかもしれませんし、
2015年5月、セールスフォース・ドットコム(現・セールスフォース)と戦略的パートナーシップを締結
というあたりも良く分かりませんので、今回は簡単な紹介に留めます。
The Top CRM Vendors to Consider in 2024 その6
今回紹介するのは、共にアメリカ以外で設立されて、その後米国を拠点に移して事業展開している会社の製品です。
Insightly
“The Top CRM Vendors to Consider in 2024”に書かれていることで興味を持ったのは、
There are marketing automation workflow builders, with A/B and multivariate testing, as well as the Insightly Service portal for customer support.Insightly can even leverage a full SLA management center, to help ensure they deliver on their service promises.
の2つで、A/Bテスト、多変量解析、SLA(Service Level Agreement)管理センターに着眼した機能を使ってみたくなったからです。
元々、2009年にオーストラリアのパース(Perth, Australia)
という街で設立された同社は、
The Insightly CRM platform was designed to integrate with Google Apps products.
とGoogle Apps向けのCRM製品からスタートしたとwikipediaに書かれていますが、
In 2012, the company relocated to San Francisco,where it raised $3 million in funding led by Emergence Capital Partners.
と3年後の2012年には、ベンチャーキャピタルの出資を受けてサンフランシスコに移り、製品ラインを広げながら現在に至っています。
Zendesk
“The Top CRM Vendors to Consider in 2024”では、
Ranked among the top CRM vendors for modern businesses, Zendesk is a software solution provider, offering a range of tools for business collaboration, customer insights, and more.
と説明されていて一般的なCRMベンダーに見えますが、日本法人(日本語website)の会社概要には、
カスタマーサポートソフトウェアの開発・提供
とハッキリ書かれています。
一般に、CRM、或いはSFAなどは特にそうですが、売上増を図るためのツールであるのに対して、同社は少し立ち位置が違うわけです。
だからか、製品も
- Zendesk for Service:包括的なカスタマーサービスソリューション
- Zendesk for sales:営業支援ソリューション
に分かれていて、前者の先に出して来るあたりから、同社のスタンスが伺えます。
また、wikipediaによれば、同社は、
Zendeskは、2007年にデンマークのコペンハーゲン市において、ミッケル・スヴェーン氏、アレクサンダー・アガッシポア氏とモーテン・プリムダール氏により設立された。
のだそうですが、翌年にはベンチャーキャピタルの出資を受けて、米国に拠点を移していますし、
2012年5月にZendesk製品の日本語版の提供を開始した。2013年2月28日に「株式会社Zendesk」を設立。
と早い段階から日本にも進出しています。
The Top CRM Vendors to Consider in 2024 その5
“The Top CRM Vendors to Consider in 2024”において、Oracle製品が二つ挙げられています。
Oracle NetSuite
先のサイトの冒頭に、
Powered by Oracle cloud technology, NetSuite is a comprehensive CRM solution. (Oracleのクラウド テクノロジーを活用した NetSuite は、広い分野で利用いただける CRM ソリューションです。)
と書かれていますが、これだけでは分かりません。
そこで、同社の日本語websiteに行って、「製品」の「NetSuite」をクリックするとイキナリ英語ページに飛んでしまいます。
改めて“Oracle NetSuite”で検索し直してみたところ、
2016年11月7日 オラクルはNetSuiteの買収を完了しました。
とココに書かれていましたので、ようやく事情が呑み込めたものの、更にwikipediaで調べると、
NetSuite Inc. is an American cloud-based enterprise software company that provides products and services tailored for small and medium-sized businesses (SMBs) including accounting and financial management, customer relationship management, inventory management, human capital management, payroll, procurement, project management and e-commerce software.
と長いので簡単にまとめると、
そうですが、
The company is widely seen as the first cloud computing software company, with its founding pre-dating that of Salesforce by about a month.
つまり、
同社は最初のクラウドコンピューティング ソフトウェア会社として広く認知されており、しかも設立はSalesforce よりも約 1 か月先んじていたのです。
と老舗でもあったようです。
話を戻すと、
世界No.1のクラウドERPシステム
NetSuiteは、ERP/財務会計および顧客管理(CRM)、Eコマースなどを含む主要な業務アプリケーション機能を、単一のシステムで提供するビジネス管理ソフトウェアで、世界中の38,000社を超える顧客で利用されています。
と書かれているように、要するに全部コミコミの製品なのでしょう。
Oracle
単に“Oracle ”と言われても分かりませんが、
Alongside powering the NetSuite CRM offering, Oracle also offers dedicated CRM solutions to sales, service, and marketing teams, through its “Customer Experience” portfolio of tools.
つまり、
NetSuite CRM 製品の強化だけでなく、オラクルは、ツールの「Customer Experience」ポートフォリオを通じて、営業、サービス、マーケティング チームに専用の CRM ソリューションも提供しています。
と書かれているので前記の製品とは別の製品のようですが、「Customer Experience」を手掛かりに、Oracleのwebsite内で調べてみると、
カスタマー・エクスペリエンス(CX)
マーケティング、セールス、コマース、サービスにまたがってすべてのビジネスデータを結び付けることで、すべての顧客とのやり取りをより重要なものにします。Oracle Customer Experience(CX)は、従来のCRMを超える、密接に連携されたアプリケーション・スイートを提供し、顧客との永続的な関係の構築、管理、提供、および育成をサポートします。
というページに辿り着きます。
これが本家の製品/サービスなのでしょうが、
Oracle Advertising and Customer Experience(CX)が選ばれる理由
CRMとバックオフィス・システムを結び付ける
リアルタイムのカスタマー・エクスペリエンス(CX)を強化する
データを利用して顧客を把握する
広告成果の向上
などを挙げた上で、
Oracle Advertising and CXのお客様成功事例
として世界的に著名なユーザーリストを公表しています。
ただ、同社のソリューションとしては、Oracle Siebel CRMもある筈なのですが、何を基準に選べばよいのでしょう?
そもそもの経緯としては、
Siebel's "first experience with sales technology was in the late 1980s, when he worked for Oracle."At the time, Siebel Systems co-founder Patricia House also was working for Oracle. Siebel left Oracle to try his hand at a startup. In 1992 House left Oracle and together they worked on what became Siebel Systems (in 1993).By the late 1990s, Siebel Systems was the dominant CRM vendor, peaking at 45% market share in 2002.
とwikipediaに書かれていることを要約すると、
Siebeを設立したThomas SiebelとPat Houseとも元々はOracle社の社員であり、腕試しで自分で会社を設立した結果、2002 年にはCRM市場シェアの 45% に達したので、Oracleに凱旋した。
といかにもアメリカンな話が書かれていますが、
Siebel Systems is Oracle's on-premises CRM system
(シーベルのシステムは社内に設置したサーバー機等の元で動作します。)
という利用形態が話を難しくしているのかもしれません。
The Top CRM Vendors to Consider in 2024 その4
“The Top CRM Vendors to Consider in 2024”に挙げられているベンダーから今回紹介する2社は対称的です。
SugarCRM
少し前にココでも書きましたが、同社は老舗のCRMベンダーで、しかもオープンソ-スという特徴を持っています。
ところがそのあたりについての説明が、先のサイトにはないので、日本語wikipediaから拾って行きます。
SugarCRM(シュガー・シーアールエム)は、有償版とオープンソースの両方で開発が進められている顧客関係管理(CRM)ソフトウェア。また、このソフトウェアを開発しているアメリカ合衆国の企業。 SugarCRMは、LAMP環境で動作し、40以上の言語に翻訳されている。
のですが、
SugarCRM社は同社のビジネスモデルを「コマーシャルオープンソース」と標榜している。コミュニティベースでソースコードが出来上がる従来のオープンソースモデルとは異なり、SugarCRM社が大半のソースコードを開発し、著作権も保持する。有償版を独自のライセンスで販売する一方、そのコードの一部を無償版としてコミュニティに公開するモデルである。
と説明しています。
ただ、この
『コマーシャル』オープンソース
のあたりが良く分かりませんし、
というのが本家の立場です。
そういったことが影響したのか、
日本語版の公開停止と再開
の状態があるようなのですが、詳しくは、同製品の日本語websiteを参考にして下さい。
Microsoft
Known for its huge selection of technology solutions, Microsoft is a global vendor with a robust customer relationship management platform in the form of Dynamics 365.
すなわち、
膨大な製品ソリューションを擁することで知られている Microsoft は、Dynamics 365という堅牢な顧客関係管理プラットフォームを提供するグローバル ベンダーです。
とワザワザ説明して貰わなくても誰もがMicrosoftを知っていますが、Dynamics 365となると案外知らない方がいるかもしれません。
元々は、
Microsoft Dynamics is largely made up of products developed by companies that Microsoft acquired: Dynamics GP (formerly Great Plains), Dynamics NAV (formerly Navision; now forked into Dynamics 365 Business Central), Dynamics SL (formerly Solomon), and Dynamics AX (formerly Axapta; now forked into Dynamics 365 Finance and Operations).
に進出するにあたり買収した製品の一つをMicrosoft CRMとしていて、当時はオンプレミス製品もあったように記憶していますが、
Microsoft Dynamics 365 is a cloud-based suite of enterprise resource planning (ERP) and customer relationship management (CRM) applications offered by Microsoft.
にて、現在はクラウドベースの製品です。
ただ、同製品の日本語websiteを見ても、失礼ながら「直訳的」な説明が目立ちます。
例えば、最初に書かれているメッセージは、英語版websiteでは、
Shape the future of your business
となっているのに対して、
ビジネスの未来を形成する
と訳されていますが、まだgoogle翻訳の
ビジネスの未来を形作る
の方がマシですし、DeepL翻訳の
ビジネスの未来を切り開く
くらいで初めて一般の事業会社の営業課長さんに理解して貰えるのであり、このあたりから見直したほうが良いと思います。