2024年 12月 02日
「山逢いのホテルで」
「Laissez-moi」…aka「Let Me Go」2023 フランス/スイス/ベルギー
スイスアルプスの麓の小さな町に住むクローディーヌは仕立て屋をしながら障害のある息子バティストと暮らしている。中年となった今、振り返ると苦労の多い日々だったが、毎週火曜日、近隣のシャンタルにバティストを預け、山間のリゾートホテルで一人旅の男性客に声をかけひと時の情事を楽しんでいた…
クローディーヌが選んだのはイタリア、英国、ドイツなどの国からやって来た中年の男たち。あと腐りなくその場限りの情事だったが、ドイツからやって来た技術者のミヒャエルに”また会いたい”と言われ受け入れてしまう。やがて仕事でアルゼンチンに行くミヒャエルは”一緒に行かないか?”とクローディーヌを誘う。
究極の大人のラヴ・ストーリーは監督の長編デビュー作品。良くぞ一般公開されたと思うくらい地味な一作。主演がジャンヌ・バリバールだから?そしてバリバールの存在感はバッチリ。
華やかなキャラが似合うジャンヌ・バリバールが仕立て屋を営むシングルマザーって?でもやはりバリバールらしい謎に満ちたシングルマザーを演じている。
ミヒャエルに子供の年齢を聞かれ”大人よ”と答えるクローディーヌ。そしてラスト、クローディーヌの慟哭の叫びが悲し過ぎる。母は辛いのだ。
原タイトルの「Laissez-moi/Let Me Go/放っておいて」は、クローディーヌの心をグサリと表現していて最高。邦題ダサ過ぎ。
クローディーヌに「ボレロ 永遠の旋律/2024」のジャンヌ・バリバール。
ミヒャエルにトーマス・サルバッハー。
バティストにピエール=アントワーヌ・デュベ。
シャンタルにヴェロニク・メルムー。
監督はマキシム・ラッパズ。
シネスイッチ銀座 ↓3枚は銀座4丁目、服部時計店のショーウィンドウ
2024年 11月 26日
「ふたりで終わらせる/IT ENDS WITH US」
「It Ends with Us」2024
リリーはボストンで、長年の夢だったフラワーショップを開く。ある夜、ライルと名乗る脳神経外科医と出会う。その場限りの出会いに思えたが、店を手伝うアリッサの兄であることがわかる。ライルに恋をしたリリー。二人は結婚し幸せは続くものだと信じていた…
ライルと食事に行ったレストランで、高校時代に恋をした青年アトラスと再会する。久しぶりの再会に心が落ち着かないリリー。そんな折、アトラスから渡された連絡先を見つけたライルはリリーに詰め寄る。
ヒロインのブレイク・ライヴリーがいつもながらスーパーゴージャス!ブレイク映画は、一人サメと闘う「ロスト・バケーション/2016」がnice。
監督でもあるジャスティン・バルドーニは初めて見た俳優。イヤな男を見事に演じ、似合っている。
原作はコリーン・フーヴァーの全米ベストセラー『世界の終わり、愛のはじまり』。
本国ではヒットしたらしい。Yahooニュースでも紹介していた。単なるロマンス・ドラマではないと言うことは想像していたけど、このような展開になるとは…。
鑑賞前 ”ふたりで/WITH US”のタイトルがとても気になった。で、結果がわかり納得。
リリー・ブルームに「かごの中の瞳/2016」「シンプル・フェイバー/2018」のブレイク・ライヴリー。
アリッサにジェニー・スレイト。
マーシャルにハサン・ミンハジ。
アトラス・コリガンにブランドン・スクレナー。
監督、出演(ライル・キンケイド)はジャスティン・バルドーニ。
TOHOシネマズ
2024年 11月 24日
「ぼくとパパ、約束の週末」
「Wochenendrebellen」…aka「Weekend Rebels」2023 ドイツ
”幼いころから自閉症と診断されているジェイソンは、独自のルーティンやルールを持っており、それが守れないとパニックになってしまう少年だった。ある日、クラスメイトから好きなサッカーチームを聞かれた彼は、自分も好きなチームを持ちたいと考え、56ある国内のクラブすべてを自分の目で見て決めたいと家族に宣言する。”
サステナブルな社会を推進するジェイソン。車には乗らない(地球温暖化問題)/動物愛護(肉を食べるのは2週間に1回や革靴を履かない)/食べ物を捨てない(無駄にしない)…などなどこだわりがいっぱい。
キリスト教の奇跡を語る宗教の教師を偽善者呼ばわりするジェイソン。彼に奇跡は通用しない。で、両親は呼び出しを食らい、特殊学校へ入ることを勧められる。
”僕はレインマンじゃない”と言うジェイソンは宇宙について異常なほど詳しい。将来宇宙工学を学びたい彼は特殊学校に入れられたら終わりだ。なんとかそれを回避したい彼は両親と提携を結ぶ。
原タイトルは「週末の反逆者」。映画を観たらタイトルの意味がわかる。
エンディングに実際の家族の写真が映る。集合写真に、人に触れられたくない(両親でも)ジェイソンだけ離れた位置にいる姿に納得。
ドイツではゆりかごの中でひいきのサッカーチームが決まるという。それは生まれた場所から来るそう。以前観た英国映画で”妻は変えられるがひいきのチームは変えられない”と言う台詞があったのを思い出した。ヨーロッパ人のサッカーに対する情熱は半端ではない。
ドイツ国内にある56のクラブチームを全て見たいジェイソン。将来はヨーロッパにも繰り出したいと考えている。ちなみにヨーロッパのクラブチームって21万以上あるらしい。
一時期ヨーロッパ・サッカーにハマったので、臨場感あふれるスタジアムのシーンに感激。
オーディションで選ばれたセシリオ・アンドレセンがものすごく頑張っている。パパ役のフロリアン・ダービト・フィッツもnice。
自閉症の子供って100人に一人いるという。この数には正直驚いた。
本国ドイツで大ヒットしたのも頷ける良い映画。
ミルコに「SIGNAL/シグナル/2024」のフロリアン・ダービト・フィッツ。
ジェイソンにセシリオ・アンドレセン。
ファティメにアイリン・テツェル。
監督は「5パーセントの奇跡~嘘から始まる素敵な人生~/2017」のマルク・ローテムント。
新宿ピカデリー
2024年 11月 20日
「自由を愛した男」
「Libre」2024 フランス
20世紀の真のアルセーヌ・ルパンであるブルーノ・スラクの物語。
ブルーノは1980年代に存在した実在の強盗。複数の強盗事件に関わり何度も逮捕され刑務所入り。しかし度々脱獄を図り、タイトル通り自由を求めた人物。そして強盗ながら銃は持たず、金銭要求の際もボンジュールと挨拶してから丁寧に金を頂戴して、メルシーと感謝するとてもユニークで紳士なブルーノ。
テーマソング♪The Windmills of your Mind/風のささやき♪はミシェル・ルグランの作品。スティーヴ・マックイーンの名作「華麗なる賭け/1968」で有名。主人公はどちらも強盗でmusicの使い方がニクい。本作ではPetula Clarkが歌っている。
まるでファッション番組のような「エミリー、パリへ行く2020~2024」でのシェフ、ガブリエルのイメージが強過ぎて、どの作品(↓2作品)もガブリエルに見えてしまうリュカ・ブラヴォー。
執拗にブルーノ逮捕に燃える刑事モレアス役のイヴァン・アタルがトレビアン。
監督のメラニー・ロラン出演していたようだけど、ちょい役だったのか気づかなかった。メラニーは前監督作品同様今ひとつかな?
ブルーノ・スラクに「チケット・トゥ・パラダイス/2022」「ミセス・ハリス、パリへ行く/2022」のリュカ・ブラヴォー。
ジョルジュ・モレアスに「私はモーリーン・カーニー 正義を殺すのは誰?/2022」「ふたりのマエストロ/2022」のイヴァン・アタル。
アニー・プラニエにレア・リュス・ブザート。
スティーヴにラシャ・ブコヴィッチ。
ドラゴに「レ・ミゼラブル/2019」のスティーヴ・ティアンチュー。
監督、脚本、出演は「ヴォルーズ/2023」「マーダー・ミステリー2/2023」のメラニー・ロラン。
Amazon Prime
2024年 11月 19日
「リターン・オブ・ザ・キング:エルヴィス・プレスリー低迷と復活」
「Return of the King: The Fall and Rise of Elvis Presley」2024 USA
子供の時にエルヴィスの曲を聴いたブルース・スプリングスティーン、元妻のプリシラ・プレスリー、そして「エルヴィス/2022」の監督バズ・ラーマンを始めとして、エルヴィスの友人や関係者が語るドキュメンタリー。
1968年、7年ぶりにTVでライヴパフォーマンスをし、復活したエルヴィス。黒の革ジャンで仲間と演奏し、歌うエルヴィスはとてもクール。カムバックスペシャルは42%の人が視聴したと言う。日本でもかなり後にBSで放送があって観た記憶がある。今一度是非見てみたい。やはりエルヴィスは偉大!
Netflix