アニメ動画「ミーのなやみ 家族・親戚編1」のスタート画面=NPO法人「3keys」提供
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親から虐待されてSOSを発しながらも、命をうばわれた千葉県野田市の小学4年、栗原心愛さん(当時10歳)のことなどが報道され、大人に不信感を募らせている人もいることでしょう。
カウンセラーの山脇由貴子さんは、東京都内の児童相談所で19年間、心理の専門家として心や体に傷を負った子どもたちと向き合ってきました。山脇さんは今、こう呼びかけています。
「お父さんやお母さん、身近な大人にたたかれたり、どなられたり、つらい思いをしていませんか? 自分が悪い子だからと考えたり、誰かに相談したらもっとひどい目にあうと思ったりして、がまんしていませんか? 子どもを守りたい、と思っている大人は必ずいます。守れる場所もあります。だから、周りにいる一番話しやすい人に『苦しい』『助けて』と伝えてください。交番にかけこんでもいいんです。あなたの言葉を、大人はちゃんと受け止めます」
虐待など知るアニメ動画、東京のNPOが配信
子どもの学習支援などに取り組むNPO法人「3keys」(東京都新宿区)は、児童虐待などについて分かりやすく伝える子ども向けのアニメ動画「ミーのなやみ」を作りました。動画投稿サイト「ユーチューブ」で配信しています。
動画は4本(それぞれ約1分)あり、ヒツジのキャラクターが家族から不当な扱いを受ける場面を描いています。「学校に行かせてもらえない」「話しかけてもよくムシされる」「自分だけ食事が遅かったり、食事がない」など、子どもががまんしなくてもいいケースを示しています。虐待を受ける子どもたちは、それが虐待だと分からず、被害を自覚していないことがあり、アニメを通じて理解を深めてもらうのがねらいです。
動画には子どもの支援団体につながるリンクが張られていて、直接連絡を取れます。スリーキーズは「一人でも多くの子どもたち、大人たちに視聴していただきたい」と呼びかけています。