むかしはものをおもわざりけり:SSブログ

めでたし、めでたし?

昔話はほとんどが「めでたし、めでたし」で終わりますが、
本当に、それでいいの?という最後がけっこうあります。

立場が変われば、めでたくない話がいっぱい!

それが、朝日広告大賞を受賞した「めでたし、めでたし?」という作品です。
桃二郎.jpg
ドキッとするでしょう?

「一方的な『めでたし、めでたし』を生まないために、
他の立場にも立って、多極的にモノを考えようという広告です。

江戸時代のかたき討ちの連鎖みたいですよね。
親の仇を討った者は、今度は討った仇の子から親の仇と呼ばれる。。。


さて、桃太郎の故郷岡山では、道徳の授業にこれを取り上げたそうです。

桃太郎は、おじいさんとおばあさんに、
村にたびたび鬼がやって来て、悪さをして困ると聞いていました。

なけなしの食べ物や、金目のモノを奪って行くと。。。

村人の幸せのために、桃太郎は鬼退治に出かけます。

さて、そこでだ!

桃太郎は、鬼にも家族がいることに思い及ばず、
悪者をやっつけるという名目・・・いや目的のために鬼をやっつけます。
そして、見事に「めでたし、めでたし!」

でもそこで、怖くて悪い鬼にも小さな子どもが居ると知ったらどうするだろう?
と、子どもたちに問いかけるのです。

子どもたちからは、鬼にも子どもがいると知ったら、
桃太郎は引き返すのではないかという意見が出たそうです。

でも、勧善懲悪というか、悪いことをしたのだから、
やっつけられて当然と言う意見も、当然(!)出ました。

村に来てモノを奪っていくのは、食べ物が無いからなので、
農業を教えるための、農機具をあげればいいという意見は、
将来までの平和に結びつく、すごい意見ですね。

こうして、必ずしも全員が「めでたし、めでたし」にならないということを、
子どもたちはちゃんと学んでいくそうです。

道徳教育の是非が問われていますが、こんな授業だったら私も受けたかった!
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