マグマ大使の道具箱2 バッテリー パルス充電器(6)

バッテリー パルス充電器(6)

2010-07-19

パルス充電器(デサルフェーター)の2号機を改良しました(過去記事 バッテリー パルス充電器(5) の続き)。

Rimg0386

パルス幅T2を決める抵抗R2に可変抵抗器を追加して調整可能にしました。予想通り、このパルス幅T2でパルスの電圧が変化する事が確認できました。T2を長くして30Vぐらいに調整しました。このコイルは、まだ余裕があります。

コイルから発生する逆起電力の大きさは、コイルに流す電流の変化率に比例する事になっている。コイルに発生する誘導起電力V は、V=-L dI/dt (詳しくは 自己誘導 )となるので、T2 を長くすると電圧が上がるはず。

555の発信回路は標準的なものになっているので、こちらの タイマーIC、555発振回路 でT1,T2を計算できる。

T1=0.693*(R1+R2)*C2
T2=0.693*R2*C2
f=1.44/((R1+2*R2)*C)

20100719_002

R1=220K, R2=22K, C=0.0022uF の時、オシロスコープの波形通りになっているのが確認できた(計算通りだ)。T2 を伸ばすには、R2を増やすのが簡単。そこで、22K に 100Kの可変抵抗器を直列に入れる事にしました(22K-122Kまで可変できる)。

Batterypalser3

回路図を変更しました(最終版)。

2018.09.23追記{
この定数では発振しなかったとコメントをいただきました。
あらためて555の発振回路について調べてみると、この回路はデューティ比50%以下にできない(らしい)。デューティ比を変えるには、ダイオードを追加した回路(最初の回路)を使うのが正しいようです(タイマーIC 555にまつわる計算を参照)。

測定には、200Ωの抵抗と470uFのコンデンサをバッテリの代わりに接続して実験しています。

Rimg0380

R2=22K の時は18V 出ていましたが、ボリュームを回すと電圧が上昇します。どこかでコイルが飽和して大電流が流れるので、電流計を見ながら注意深く操作します。35V でも飽和しないのが確認できたので、30V ぐらいに調整しておけば安全でしょう(飽和する時間は確認できていません)。T2時間を伸ばすと、コイルの音が少しずつ大きくなります。
30V の時、R2の抵抗は 68K となっていました。R2 を半固定抵抗にするのは名案でした。周波数は、計算によると 1838Hz になっているハズ。サルフェーションの分解は 2KHz 前後のパルスが良いらしいので、ちょうどいい。

20100719_001

トリクル充電のSWをONにすると、コイルの音が凄くなるので、パルスに影響があるのではないかと思い、取り去る事にした。

Rimg0386

これが完成品です。FET には放熱板を付けておきました。

Rimg0388

裏面はあまり綺麗ではないけど、ショートしていなければOKです。一応、これで完成と言っていいだろう。電源は、バッテリの電圧 12V より低い電圧であれば、パルスのみ出力する事になります(バッテリ端子より低い電圧は流れない)。9V程度のACアダプタを接続するとちょうど良いですね。

Rimg0381

ちなみに、負荷の抵抗を外してコンデンサだけにすると 41.8V も出ていました(触ると、ちょい危険)。

まとめ
パルス充電器(デサルフェーター)を自作する記事は、検索するといくつか見つかるのですが、動作原理を理解していないと応用が効かない。こちらの記事 ブロッキング 発振ノート には、コイルの動作をが解りやすく解説されていますので理解を深められると思います。コイルの特性を理解すると面白い。是非、お試しください。

なお、最近の車は、バッテリ端子にも電子回路が付いているので、バッテリを車に接続したまま 30V ものパルスを与えると電子回路が壊れる可能性があります。ハリアーは、バッテリ端子に電圧計、温度計を装備しており、バッテリの充電を管理しているそうです。必ずバッテリ端子を外してパルス充電をする事をオススメします。

続き バッテリー パルス充電器(7) を読む >>

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No title

はじめましてこんばんわ。
ちょっと質問がありまして・・・・・・・・
バッテリー パルス充電器(6)の回路図を真似して作ってみたんですど・・・・・・・
最後に回路図のバッテリー代わりに コンデンサーと200Ωの抵抗とありますが、抵抗はカーボンですか?
自分のはVRを上げていくと、カーボン抵抗だと真っ黒に焦げました。
すみませんが、時間がある時にでも教えてください。

No title

まささん、コメントをありがとうございます。
確か、200Ω10W ぐらいのセメント抵抗だったと思います。例えば 30V 出ているとすると、I=E/R ですので、30/200=0.15A の電流が流れます。
直流では無いので、単純に W に換算できないですが、5W~10W の抵抗が必要だと思います。
この抵抗は、ジャンク箱にあった抵抗ですので、全く意味はありませんので、何か適当な負荷をつなぎたかっただけです。ご参考まで。

No title

早速の返事ありがとうございます。
やっぱりセメントでしたか、回路図を元に3台分を作りまして、3台ともなんで・・・・・・。
実は8ヶ月くらい前に3台製作したのですが、380uHのインダクタが見つからず430uH 2A(共立電子 \130) を代用して作ったんですが、50時間ほど使用してみて、今の所使えてる感じなんですがやっぱり飽和するのが気になるので、どうしても実験をしたて・・・・・・・・
一度抵抗を買ってやってみます。
夜分遅くありがとうございました。

No title

はじめまして

こちらを参考に、パルス充電器を製作しモノになりました。
今は、バッテリーに接続して実験中です。

こちらを参考に製作するとパルスをは、2KHz前後ですが12KHz前後を発生させるには、どうしたらいいでしょうか
いろいろと、試行錯誤をしているのですがうまくいかないので教えて頂けないでしょうか
お願いします。

No title

sirokumaさん、コメントをありがとうございます。

上の記事に記載の通り f=1.44/((R1+2*R2)*C) ですので、R1 R2 C の組み合わせで周波数を変更できます。
計算が面倒なら、http://blog.livedoor.jp/k_yon/archives/51250096.html" rel="nofollow">こちらの記事(無安定動作)の空欄 Ra Rb c に適当な値を入れて、12KHz になるようにすれば動作すると思いますが・・・・

No title

返事が遅くなってすいません。
何とか、完成したので報告を

R1R2を15kΩと半固定抵抗200kΩにCを680pF
3.2k~47kHの間で指定する事が出来るようにしました。

手に入れたいコアがなかったので、コアを200/9Aコアを直列にしようかと思ったのですが、やめました。

今はバッテリーに繋げて、除去されるか実験中です。

いろいろと、教えて下さってありがとうございます。

No title

はじめまして。
教えて頂きたいです。

R2のボリュームの調整に自信がないのでボリュームの代わりに
68Kの抵抗をつけるとでパルスが発生すると考えて宜しいでしょうか?

お時間とれましたらお返事頂けると助かります。

 のり

No title

のりさん、コメントをありがとうございます。

VR無しでR2=68KΩ固定で実験されるという事ですね。
おそらく大丈夫だと思います。
この回路では、コイルの特性が違うと出力される電圧が違うかもしれませんが、ぜひ、実験してみてください。

No title

管理人さま
お返事ありがとうございます。

通販で注文しようと思います。
また、教えてくださいね。
ありがとうございました。

No title

こんにちは。
ぶしつけなお願いですがメール便送料込みで
1500円で販売して頂けると嬉しいですが?
いかがでしょう?
ご検討いただけると幸いです。

 のり

No title

のりさん、コメントをありがとうございます。

自作が初心者で難しいと感じているのでしたら、市販品を購入されてはいかがでしょうか。
ページの最後にLnkしておりますが、
(1)TECMATE [ オプティメート4 ] バイク用
(2)TECMATE [ オプティメート6 ] 自動車用
は、充電器+パルス機能を持っています。ちょっと高いですが機能は確からしい。
(3)Meltec PC-200にもリフレッシュ機能が付いていますが、効果は不明です。

ご参考まで。

No title

管理人さま
ご丁寧にありがとうございます。
参考にさせて頂きます。

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トヨタ ハリアー、スズキ ハスラー、ダイハツ タントのチープな改造ネタを公開。バイクはヤマハ TDR125。OPPO Reno11 A、PC周辺機器、デジタル一眼、電子工作、PCオーディオ、ホームシアター、TEAM SHACHIなどの雑記です。 Since 30,Apr 2017

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