REITとは?〜メリットデメリットや人気の理由 - みんかぶ(マガジン)

REITとは?〜メリットからデメリットまで手軽な“不動産投資”手段で人気の理由に迫る!〜

REITのメリット・デメリット

ひとこと解説

  • REITは不動産の上場投資信託
  • REITで継続的な配当を獲得しよう!
  • REITなら少額から不動産投資が可能
  • REITは分散投資の効果も得られる

REITは魅力のある金融商品の1つ

皆さんは「REIT」という金融商品をご存知ですか?「不動産が関連した金融商品らしいけど一体どんな商品なの?」「横文字だしなんか難しそう…」とREITについてあまり知らない方も多いのではないでしょうか?

しかし、REITは投資初心者の方でも十分運用していくことができる非常に魅力的な商品です。正しい知識を身につければきっとあなたの資産運用の強い味方になってくれることでしょう。

そこで今回は、魅力の詰まった「REIT」についての特徴からメリット・デメリットまで、徹底解説していきたいと思います!

目次

REITとは?

REITとは「Real Estate Investment Trust」の略で日本語表記では「不動産投資信託」といいます。簡単にいうと対象商品を不動産に絞った投資信託というイメージです。REITは上場している金融商品なので、株式と同様に証券取引所で売買することができます。

REITの仕組み

通常の投資信託では運用会社が投資家から集めた資金を元に株式や債券などを買い付け運用していきますが、REITでは「不動産投資法人」という不動産運用のプロが投資家から集めた資金を元に「不動産の運用」をしていきます。

そして運用によって得た利益を分配金として投資家に還元します。これが大まかなREITの仕組みになります。REITを運用していけば間接的に「不動産のオーナー」になれるのは大変魅力的ですよね。

REITの種類とそれぞれの特徴とは?

一口にREITといっても様々な特徴を持ったREITがあります。ここでは主なREITの種類を「対象不動産の種類数」「対象不動産の地域」に着目して紹介していきたいと思います。

対象不動産の種類数

まずは、対象不動産の種類数に着目した場合です。種類は以下の三種類に分けられます。

  • 特化型…オフィスビルのみ、住居のみといった「1種類」の不動産を対象としたREIT
  • 複合型…オフィスビルと住居というように「2種類」の不動産を対象としたREIT
  • 総合型…「3種類以上」の不動産を対象としたREIT
REITの種類

不動産の種類が1つに絞られている「特化型」のREITは1種類の不動産に絞っているため対象種類の不動産の価値が上がれば大きなリターンが望めます。しかし、その分価値が下がってしまうと十分な収益が見込めなくなってしまうので注意が必要です。

一方、複数の種類の不動産を対象としている「複合型、総合型」では、対象となる不動産の種類が分散されているためリスクを下げることができます。その分大きなリターンを狙うのには不向きですが安定した長期投資をしたいと考えている方にはオススメです。

対象不動産の地域

次に、対象不動産の地域に着目した場合を見ていきます。こちらは大きく分けて2種類に分けられます。

  • 地域分散型…対象とする不動産を1つの地域に集中させずに、様々な地域の不動産を対象とするREIT
  • 地域特化型…対象とする不動産を「東京のオフィス街」といったように特定の地域の不動産に対象を絞ったREIT
地域分散型のイメージ

「地域分散型」は、文字通りREITの対象となる不動産の地域を複数に分散させたものになります。対象地域を分散させることでREITのリスクを下げることができます。しかし、東京のオフィス街のみを対象としているREITなどと比べるとリターンは小さくなる傾向にあります。

つづいて「地域特化型」ですが、こちらは1つの地域にREITの対象を絞っているので、該当地域の不動産価値が上がったりすると、大きなリターンを狙うことができます。

しかし、その逆もあり得るのでリスクとリターンのバランスを考えながら運用する必要があります。比較的不動産投資に対する知見を持っていて大きなリターンを狙っていきたい!という方は「地域特化型」がオススメといえます。

また、REITには、この他にも株式と同様にREITを対象とした投資信託やREIT ETFといった種類もあります。

REIT ETFとは?

REITのETFというと、「REIT自体が不動産投資信託なのに、そのETFってどういうこと?」と少し混乱する方もいるかもしれません。そのような方のために、REIT ETFについて説明していきます。

まず、ETFとは「Exchange Traded Fund」の略で、日本語表記では「上場投資信託」といいます。簡単に言うと、投資信託が証券取引所に上場して、株式のように売買できるようになったものです。

そして、REIT ETFとは上場しているREITを複数集めて、1つの金融商品として売買できるようにしたものといえます。

日本のREIT市場で代表的なETFとして、東証REIT指数連動型のETFが挙げられます。東証REIT指数とは、東証市場に上場するREIT全銘柄を対象とした株価指数です。

そのため、東証REIT指数連動型のETFに投資をすることにより、全62銘柄*ある日本のREITに分散投資することができます。

*2021年6月末現在

REITのメリット・デメリット

REITの全体像がわかってきたところでここからは「REITのメリット・デメリット」を紹介していきたいと思います。REITは実際の不動産投資と比較して投資のハードルが低いといえるので、投資初心者の方にもオススメできます!

REITのメリット

REITの最大のメリットは何といっても「少額」で「不動産」の運用をできることです。通常の不動産投資では多額の資金、不動産に対する専門的な知識、契約など多くの手間がかかり投資初心者には少しハードルが高くなっています。しかし、REITであればそのハードルをグンと下げることができます。REITには大きく分けて以下の7つのメリットがあります。

メリット1:配当利回りが高い

1つ目のREITのメリットとしては配当利回りが高い傾向にあることが挙げられます。REITは利益の90%以上を投資家に分配することを条件に、法人税が免除される仕組みになっています。このため、REITの配当額は普通株に比べて高水準になりやすく、とうぜん配当利回りも高くなりやすいのです。

普通株の配当は、その企業が事業などから挙げた利益から法人税が引かれ、最終的な利益から事業のために必要な資金を内部留保に回し、残った額を投資家への配当に回します。これに対し、REITでは利益に法人税がかからず、しかもそのほとんどを投資家への配当に回すわけです。

配当利回りはREIT価格によって日々変動するため一定ではありませんが、平均ではおおむね3~4%程度あり、個別では6%を超える高利回りのREITもあります。

さらに注目すべき点は、この高い利回りの配当を長期的に安定して得ることができる点です。REITは厳選された不動産の賃料から分配金の大半を抽出しているため、長期的かつ安定した配当を得られる可能性が高くなっています。

メリット2:不動産のプロに運用を任せることができる

2つ目のメリットとしては、「不動産の運用をプロに任せることができること」が挙げられます。本来、不動産投資を自分でするとしたら不動産の選定や契約、管理などを全て自分で行う必要があります。

さらにそのためには不動産の知識が必要不可欠です。投資初心者にとってこれらの条件をクリアするのは至難の技です。

しかしREITは、不動産選定から運用、管理まで全て不動産のプロが代わりにやってくれるため、手間をかけることなく不動産投資と同じ効果を得られます。そういった意味でREITは、不動産の知識がない方でも安心して運用していける商品といえます。

メリット3:少額から投資が可能

「不動産投資」と聞くと多大な資金が必要というイメージがありますよね。実際1つの不動産を運用していくだけで最低でも300万円ほどの自己資金が必要と言われています。

しかし、REITなら数万円単位から買い付けることができるため、非常に少額で不動産投資ができます。運用の手間もかからず、低コストで不動産投資ができるのは非常に魅力的な点です。

メリット4:取引がしやすく、流動性が高い

続いて挙げられるメリットは「流動性が高いこと」です。流動性とは簡単にいうと「取引の活発さ」のことで、どれだけ売買が行われているかを表す言葉になっています。言い換えれば「自分が売りたいときに売れるかどうか」を表しています。
REITは証券取引所で売買できるため流動性が高くなっています。そのため、実物不動産とは異なり自分のタイミングで売買することが可能です。売買の柔軟さもREITの大きなメリットであるといえます。

メリット5:分散投資の効果が得られる

次に紹介するメリットは、「分散投資の効果が得られること」です。分散投資とは投資の対象を複数にしてリスクを分散させることをいいます。

通常の不動産投資で複数の不動産を運用することはコスト的にも管理面的にもかなり難しいことは想像できると思います。かといって1つの不動産をやっとの思いで運用し始めたとしても、その物件になにか損害があった場合、損失を被ってしまう可能性があります。

その点REITでは、不動産のプロが選定した複数の不動産を対象にしているためリスクの分散が図れます。そのため、投資初心者の方であっても分散投資の恩恵を受けることが可能になります。

メリット6:非課税口座のNISA口座が使える

メリットはまだあります。REITは非課税口座であるNISA口座での取引が可能になっています。NISA口座とは毎年一定金額(120万円)の範囲内で購入した金融商品から得られる利益が非課税になる口座のことです。NISAについて詳しくは「NISAは税金がかからない」をご参照ください。

そのためNISA口座を利用してREITを買い付ければ、運用益を非課税にすることができるのです。

通常の証券口座では運用益のおよそ20%が税として取られてしまいます。そのためNISA口座での取引が可能であることはREITの強みであるといえます。

メリット7:インフレに強い

最後のメリットはインフレに強いことが挙げられます。インフレは簡単にいうと「お金の価値」が下がり、「モノの価格」が上がることを指します。インフレ局面においては物価の上昇に連動して、不動産の価格や賃料も上昇することが多いです。
不動産の価格や賃料が上昇すると、連動してREITの価格や配当金も高くなります。つまりREITを保有していれば、インフレ局面でより多くの配当金や売却益が得られる可能性が高いのです。そのためREITはインフレに強いといわれています。

REITのデメリット

どんなに良い金融商品であってもデメリットが無い商品は存在しません。もちろんREITにもデメリットが存在します。しかし、デメリットを把握することは今後の運用においてとても重要になってきます。ですからここでは悲観的になるのではなく、どうやってこのデメリットをカバーするか考えるようにしましょう。以下の3つが主なREITのデメリットになります。

デメリット1:不動産市場におけるリスクがある

1つ目のデメリットは、「不動産市場におけるリスク」です。具体的には、「賃貸市場」「売買市場」「経済情勢」の動向によって不動産の価値が変動するので、投資対象となっている地域の賃貸市場が落ち込むと、結果的に賃料が下がりREITの価格も落ち込んでしまいまう恐れがあります。

また取引の流動性が低くなったり、日本経済が不況になったりしてもREITの価格が下がってしまう恐れがあります。

実際に2020年のコロナショックでは、REIT価格が半値ほどに下落しました。このように、実際の不動産投資よりも価格の変動が大きくなることがあります。

デメリット2:上場廃止のリスクがある

続いて挙げられるのが「上場廃止のリスク」です。REITはメリットでも紹介したように上場しているため株式同様の取引ができます。しかし、保有しているREITを運用する不動産投資法人が倒産してしまうと、保有していたREITの分だけ損をしてしまいます。

しかし、このリスクは株式投資においても同じことがいえます。こういった事態を避けるには、投資段階で、そのREITに破綻リスクなどがないかよく調べることが必要です。

デメリット3:地震や災害のリスクがある

3つ目のデメリットは、不動産投資特有の地震や火災といった「災害のリスク」です。対象不動産がある地域で大規模な地震が起きたり、火災によって不動産が損壊してしまった場合には、REITの価値が下落してしまう可能性があります。

3つの指標を抑えてREITを選ぼう

ここでREITの選び方について触れておきたいと思います。結論から言うと3つの指標に着目することで自分の運用スタイルに合ったREITの銘柄を選ぶことができます。その3つの指標は以下の3つになります。

分配金利回り

分配金の利回りは高ければ高いほどリターンが大きいことを意味するため、投資対象として魅力的ということができます。

しかし、高すぎる分配金利回りには、その年だけ一時的に配当が高くなっているだけで、次年度以降は利回りが下がると予想されている場合や、破綻リスクが大きいため分配金利回りが跳ね上がっているようなケースもあります。

逆に分配金利回りが低い場合、健全経営の人気銘柄だから利回りが低いようなケースもあるため、一概に低いからダメというわけでもありません。保有物件やNAV倍率、LTVもチェックし、複数の視点から選ぶのがいいでしょう。

NAV倍率

NAV倍率は1以下であれば、REIT価格が純資産価値を下回っている状態を意味し、割安と判定されます。1を超えていれば純資産価値を超える価格で取引されている状態です。人気のエリアに有料物件を多数所有しているようなREITであれば、1を超えている場合が多いです。

一方で、コロナショックのような不測の事態などにより、REIT価格が暴落した際には、NAV倍率が1を下回ることもあります。

LTV

LTVはLoan to Value(ローン・トゥー・バリュー)の略で、総資産に対する有利子負債の比率を表しています。LTVが高ければ財務の健全性が低く、逆に低ければ健全性が高いことを意味しています。投資対象として望ましいのはLTVが低い銘柄となります。LTVの適正値は一般的に50%とされています。なので、50%以下を目安にするといいでしょう。

実際にどんなREITがあるのか気になる方はこちらのREIT銘柄一覧から確認できます。

REITの取引にオススメの証券会社3選

SBI証券 - 商品数から手数料までバランスの取れた証券会社

SBI証券ロゴ

SBI証券は口座開設数が業界トップクラスの非常に人気の高い証券会社になっています。REITの取引においても「アクティブプラン」を選択すると、1日の約定金額の合計が100万円以下なら手数料が0円になります。

さらにSBI証券のNISA口座からREITを購入すると売買手数料が無料になるという嬉しいサービスもあります。

また、REIT取扱数も62銘柄と業界トップレベルの取扱数となっているので、自分の買い付けたいREITを見つけられる可能性が高いです。

SBI証券を詳しく見る

マネックス証券 - ゼロリートETFが魅力!

マネックス証券ロゴ

「海外株式といえばマネックス」といわれているマネックス証券ですが、REITにおいても「ゼロリートETF」という注目のサービスがあるんです。

ゼロリートETFとはマネックス証券が選定したREIT ETFの3銘柄(三菱UFJ国際投信のJリートETF3銘柄)のことで、該当する3銘柄の売買手数料が実質無料になるという非常にお得なサービスとなっています。

マネックス証券のゼロリートETF
画像:マネックス証券公式HPより

他の証券会社では一定金額を超えると手数料が発生する場合が多いなか、REIT ETFを手数料無料で運用できるのは大変魅力的であるといえます。そのほかにも63銘柄という豊富なREIT取扱数を誇っている点もマネックス証券をオススメする理由の1つになります。

マネックス証券を詳しく見る

DMM.com証券 - 手数料が業界最安水準!

DMM株ロゴ

最後に紹介するのはDMM株です。DMM株の魅力は何といっても手数料の安さです。DMM株では1日の約定金額の合計ではなく、1回の約定ごとに手数料がかかる仕組みになっています。以下の表がDMM株の取引手数料の一覧になります。

【DMM株の手数料】
約定代金 手数料
~5万円以下 55円
~10万円以下 88円
~30万円以下 198円
~50万円以下 198円
~100万円以下 374円

表からも分かるように約定代金が10万円以下の場合は80円(税込88円)と驚きの手数料となっています。この手数料の安さはネット証券大手のSBI証券や楽天証券と比較しても業界最安水準であるといえます。そのため手数料を抑えたい!という方には大変オススメの証券会社になります。

DMM.com証券を詳しく見る

まとめ

今回はREIT(不動産投資信託)について紹介してきましたがいかがでしたか。今まで不動産投資に踏み切れなかった方、少額から投資を始めようとしている方にとっては特に魅力的な商品ということが理解いただけたかと思います。これを機に不動産投資デビューをしてみてはいかがでしょうか。

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