※この記事は『Mac Fan』2017年12月号に掲載されたものです。
たまには、お金の話を。
先ほど渋谷のラジオが終わり、近くのマクドナルドで100円のコーヒーを飲みながらiPad Proで原稿を書いている。カフェラテにしようかと思ったが、200円だった。
以前の僕なら「たったの100円の差じゃん」と2倍の値段のカフェオレを飲んでいただろう。だが、今の僕は違う。100円のコーヒーで大満足だ。
「野呂さん、たくさん仕事しているのにケチくさい」と言われるかもしれない。だが、もう一度言う。200円のカフェオレは2倍の価格だ。
もし、これが100億円と200億円だったらどうするだろうか? あなたはきっと100億円のほうを選ぶだろう。コーヒーでも1億杯飲んだら、そんな差になる。
以前、僕は20万円のジャケットに2万円のシャツを着ていた。だが、今は5万円のジャケットに6000円の鎌倉シャツだ。ユニクロのセミオーダーシャツにもチャレンジした。3000円しない。バッグも30万円のプラダのバックから2万円のポーターのリュックに変えた。
だが、会社の売り上げは増えている。僕の仕事量も増えている。
これは、どういうことか?
つまり、人はそんなことで価値が変わらないということだ。「見栄」に使っている金額が、年間300万円は少なくなったと思う。それは投資に回したほうがいい。
そう、ケチになったほうが望ましい。とはいえ、1万円のお寿司は食べるし、Apple Watch Series 3も買った。周りの人もSeries 3に変えている。インスタで話題の「まいあめ工房」の中村貴男社長にも自慢された。そういえば、保険クリニックの古川満さんから、「このようなデバイスをつけていると安くなる生命保険もある」と教わった。健康な人は得する時代らしい。
Apple Watch Series 3はすごい進化だ。電池の持ちもいいし、Siriも進化している。「ヘルスケア」アプリでは、最大酸素摂取量を測定できるようになった。
お金の話に戻そう。「お金持ちになりたい」という人はいる。だが、話を聞いてみると「フェラーリが欲しい」「大きな家に住みたい」という。それはお金ではない。モノである。モノが欲しいなら物々交換でも手に入るかもしれない。お金持ちという人に何人もあったことがあるが、お金持ちは圧倒的に「モノ」よりも「お金そのもの」が好きなのだ。お金を手元から離そうとしない。お金が好きだから自分を近くに置いておきたい、ということだ。だからケチも多い。以前、僕は1円や10円などを粗雑に扱っていた。「まあいいか」と高いものを手に入れていた。だが、今は違う。
かのロックフェラーは、孫たちに5セントをあげ、そのたびに「これは、1ドルの1年分の利息だよ」と教育をしていたそうだ。それを見習い、僕は小さなお金を大切にしている。できる限りもっとも安いものを手に入れる。そして買ったものは最大限に使う。Apple Watch Series 3もフル稼働だ。この原稿を書いているiPad Proも次々とアイデアと原稿を生み出している。
今日は、100円のマクドナルドのコーヒーを飲みながら数十万円を生み出した。もっとケチになろうと思う。
著者プロフィール
野呂エイシロウ
放送作家、戦略的PRコンサルタント。毎日オールナイトニッポンを朝5時まで聴き、テレビの見過ぎで受験失敗し、人生いろいろあって放送作家に。「元気が出るテレビ」「鉄腕DASH」「NHK紅白歌合戦」「アンビリバボー」などを構成。テレビ番組も、CMやPRをヒットさせることも一緒。放送作家はヒットするためのコンサルタント業だ!と、戦略的PRコンサルタントに。偉そうなことを言った割には、『テレビで売り上げ100倍にする私の方法』(講談社)『プレスリリースはラブレター』(万来舎)が、ミリオンセラーにならず悩み中。