※本記事は『Mac Fan』2023年12月号に掲載されたものです。
正直イマイチだったMac版Kindle
iOS 17とiPadOS 17では、スクリーンタイムに「画面との距離」が導入されました。これは30センチ未満近づいてiPhoneやiPadの画面を見続けていると、距離を遠ざけるように促すメッセージを表示し、眼精疲労や近視のリスクを減らしてくれる機能です。筆者はiPadの「Kindle」アプリで本やマンガをよく読みますが、知らぬ間に画面に目を近づけていることがあるのでしょう。この機能が登場してからはときどき注意を促され、そのたびに助けられています。
しかし、こうした機能の有無に関わらず、最近はそもそもiPadで読書していると目が疲れやすく、長時間読むのがつらくなってきました。そこでiPadを使う代わりに、より画面の大きなMacで読書してみたのですが、画面との距離を確保しつつ文字を快適に読むことはできるものの、Mac版のKindleの使い勝手が正直イマイチでした。MacApp Storeでのユーザ評価が極めて低かったように、iPhone版やiPad版のKindleと比べるとだいぶ機能が劣っていたのです。
待望のMac版Kindle大幅リニューアル!
そうした中、ついに2023年9月にMac版Kindleが大幅にリニューアルされました。まず大きく変わったのがユーザインターフェイス(UI)です。iPad版Kindleのようなデザインとなったことで視認性や操作性が良くなったほか、フィルタやソート、検索の機能が強化され、ライブラリ内の電子書籍の整理や検索性が向上しました。また、フォントの種類やサイズ、ページの色、行間などをカスタマイズすることができるので、読書体験が大きく改善しています。これまで「使えない!」と思っていた人も、改めて試してみるとよいでしょう。
自分好みにカスタマイズしよう
ちなみに、Mac版Kindleでリフロー型電子書籍を読む際は、画面との十分な距離を確保するためにフルスクリーン表示してページの色を黒に設定、そして画面から1メートル離れても読みやすいサイズに文字を大きくするのがおすすめです。画面から離れた状態でページめくりがしにくい場合は、別途Bluetooth接続のリモコンやMagic TrackPadを手元に置いておくと便利です。
著者プロフィール
栗原亮
1975年東京都日野市生まれ、日本大学大学院文学研究科修士課程修了(哲学)。 出版社勤務を経て、2002年よりフリーランスの編集者兼ライターとして活動を開始。 主にApple社のMac、iPhone、iPadに関する記事を各メディアで執筆。 本誌『Mac Fan』でも「MacBook裏メニュー」「Macの媚薬」などを連載中。