毎年、3月から4月にかけて、この記事を紹介してた。中学高校入学の時期、世界史に初めて出会う子も多い、それを準備させたい親や親戚も多いからね。
だいたい、このまとめ通りなんだが、そもそも原型となる記事を書いたのが2010年、いまから14年前だ…フェルン、それはさすがにウソだよ。
だもんだから、歴史学習漫画も、当時と比べたらアップデートがされている、新版が出ている…ことは知ってたんだけど、じゃあ本当にごく最近のはどんな絵柄や描写だろう?と見てみた。
偶然、見る機会があったのが角川まんが学習シリーズだ。8巻と9巻。
自分がいちばんこの手の歴史学習漫画で注目してるのは、18世紀のプロシアvsオーストリア抗争、つまり言い換えればフリードリヒ大王とマリア・テレジアの関係。
「欧州の川中島」と以前あだ名をつけたが
・実力的には互角といっていい将器をもつ2大英雄
・されど個性や性格は対照的
・何年も、複数回にわたって戦争
・その結果は一進一退
・脇を固める人々や外交関係も多彩
・ドラマチックな場面が多し
……なのでね。
ja.wikipedia.org
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公平に見ていくと、歴史学習漫画で、どの程度「エピソード」を具体的に盛り込むか、という点では、遥か古典であるムロタニ・ツネ象のチョイスは圧巻である。
m-dojo.hatenadiary.com
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とってもおもしろいけど、絶対にこれを覚えても高校・大学受験に出てこないだろう、という断片的な逸話・伝説、俗説が満載(笑)
それにくらべると時代が下がるにつれ、学習歴史漫画は「教科書の記述通り」の一般的な話が増え、そういう伝説講談的な所は減っている。
これは時代のなせるわざだろう。漫画映えする面白い「逸話」は信頼性が低い。
小学館版の歴史漫画は、むしろそれを誇っている。
山川出版社の教科書づくりに関わってきた歴史学者が専門分野の監修を担当。
うそか本当かわからない講談・漫談のようなお話は極力排除し、信頼できる参考文献に基づいた歴史の記述を心がけています。
www.shogakukan.co.jp
だが、おとなになって歴史学習漫画をひもとくようなやからには、むしろその嘘かまことかの講談的な逸話が面白いのであって…ここはまぁジレンマだな。
つづく。
あとは、いくらでも紹介したくなるので、一歴史一画像しばり!(※時々違反してた)
三十年戦争にも「川中島」あり!北方の獅子グスタフ・アドルフvs最恐最悪の傭兵隊長ヴァレンシュタイン!
ja.wikipedia.org
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というような、そんなこんなが、「今の絵柄」で描かれるのだ。やはり、そこにアップデートがされているのは間違いなかろう。
ただ、こういう学習漫画って著作権的にはいろいろあり、
またいまは(昔からか?)「プロット執筆」「シナリオ」「ネーム制作」「まんが作画」とかに色々分かれている。
8巻の作画は城咲綾、みずなともみ。9巻の作画は阿倍さかな、加納新太の名が小さく文末にだけ載っている(すべて表紙の著者名は「監修:羽田正」)
だれがどの程度、創作に関与したのかはわからないが、そんな形で歴史学習漫画は令和にアップロードされていることを確認!!
…といっても、別に昭和の時代の学習漫画は関ヶ原で西軍が勝ったり、仏教徒が十字架を掲げたりしてるわけではない。基本的な事実関係は踏まえているのだから、1冊50円の電書とか、サブスクとかそういう展開で「懐かしの歴史学習漫画」が今も読める環境にあることを期待!!
それに、「文庫本」である以上、おやすい。入学祝いの予算的なことを考えると、こっちがまだ現役、という判断も確かにできそう。