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文化勲章を受章した日本文学の研究者で、東日本大震災をきっかけに日本国籍を取得したことでも知られるドナルド・キーンさんが、24日朝、心不全のため、東京都内の病院で亡くなりました。96歳でした。ドナルド・キーンさんは、1922年にニューヨークで生まれ、アメリカ海軍の学校で日本語を学びました。
戦後、京都大学に留学したあとアメリカ・コロンビア大学の教授を務めるなどして、半世紀以上にわたって日本文学の研究を続けてきました。
平安時代から現代までの日本人が書いた日記について解説した「百代の過客」や「日本文学史」など、数々の著作を通じて独自の日本文学論を展開したほか、能や歌舞伎といった日本の古典芸能の評論にも活動の幅を広げ、日本文化について鋭い批評を加え…
ドナルド・キーン追悼として「歴史の脇役」だったベニョヴスキーを紹介してくれた功績も残しておきたい。 pic.twitter.com/iJfCA7YuRl
— bookroad (@bookroad1) 2019年2月24日
謹んでお悔やみ申し上げます。
ところで。
上記の訃報にも、「アメリカ海軍の学校で日本語を学びました」とあるのですが、それにちなんだ、過去の拙ツイートを紹介して追悼にかえたい。
埋め込みは今回、存外読みにくいので適宜再構成します。
元のツイートのツリーは
https://twitter.com/gryphonjapan/status/988200060428042240 の前後をご覧ください。
「百代の過客 日記にみる日本人」
— 岡沢 秋(maat) (@Aki_Okazawa) 2018年4月22日
これ第二次世界大戦中に戦死した日本兵の持ってた日記をひたすら解読してたアメリカ人が書いた本なんだけど、自衛隊のイラク日報ネタが出回った今なら物凄く理解出来る…なんで日本人は日記を書きたがるのか、古代文学まで遡って研究したくなる気持ち判る…
司史生@がんばらない @tsukasafumio 2018年4月22日
そしてこの米軍人は研究を深め、現在は帰化して日本人という。
岡沢 秋(maat)@Aki_Okazawa 2018年4月22日
えっマジすか?!
と思ってググったら…ほんとだ、最近日本人になってるんですね。
鬼怒鳴門(きーん どなるど)…
キーン先生は東日本大震災を機に、日本国民の一員となることを選びました。https://t.co/Lns0q2FyxX
— 司史生@がんばらない (@tsukasafumio) 2018年4月22日
gryphon(まとめ用RT多)@gryphonjapan 2018年4月22日
一応、それなりに日記解読は軍事的成果も挙げたと聞いたけど、まあ個人的感想が多かったでしょうね。キーン氏はキスカ島上陸作戦時、「ペスト患者収容施設」という看板の字を解読、米軍に防疫体制を取らせたのだけど、これは撤退前に日本の軍医が書いた悪戯だったとか。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%86%E3%83%BC%E3%82%B8%E4%BD%9C%E6%88%A6 …
gryphon(まとめ用RT多)
この話、RTが多いようなので補足します。https://twitter.com/gryphonjapan/status/988106306652274689 …
・玉砕ばかりの日本軍がダンケルクのように「うまく撤退」したとして知られる「キスカ島撤退作戦」というのがある。
・米軍から見たら無血上陸作戦だが、ドナルド・キーン氏はそれに従軍した。日本語能力を生かす任務。
・キーン氏は、日本軍の消えたキスカ島で「ペスト患者収容所」の看板を見つける。
・米軍は慌てて防疫体制を整備。キーン氏は日本語能力によって事前に被害を防ぐ「軍功」を立てた。
・この話を司馬遼太郎が紹介した。
・それを読んだ、キスカ撤退の元日本軍人が「看板は、米軍への私達の悪戯だった。やってくる米軍を驚かせたかった。」と名乗り出て週刊朝日の記事になる
・司馬遼太郎もキーンもそれを聞き「日本軍もユーモアがある」「彼らに会いたい」と破顔一笑…という話。90年代の週刊朝日記事より
吾亦紅@waremokou528 2018年4月23日キーン氏がアッツ島捕虜の聞き取り調査(翻訳?)をした、と何かで読んだ記憶があるのですが、この時の調査内容が書かれた資料はあるのでしょうか?もしご存知でしたらご教授下さい。
gryphon(まとめ用RT多)@gryphonjapan 2018年4月23日
ツリーを遡ってくると出てくる「百代の過客」に記述があったと思いますが、
http://abdora-nothing.blogspot.jp/2011/10/blog-post_27.html
キーン氏の個人的な思い出ならネット上に
https://www.1101.com/watch/2015-05-01.html
というシリーズが。
一般的な意味での、捕虜への尋問内容に関しては「日本兵捕虜は何をしゃべったか」http://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784166602148
という書があります(ただしキーン氏やアッツ島に限定はされていません)
togetterまとめには https://togetter.com/li/855692 https://togetter.com/li/929295 などがありました吾亦紅@waremokou528 2018年4月23日
丁寧な資料のご提示ありがとうございます。博識恐れ入ります。
実は、私の叔父がアッツ島玉砕の生存者です。生前、そのことについては黙して語りませんでした。いつかきちんと調べて知りたいと考えていました。教えて頂いた資料を足掛かりに、間接的にでも叔父の足跡を辿りたいと思います。
gryphon(まとめ用RT多)@gryphonjapan
2018年4月23日
それは大きな思いがおありでしょうね
軍事史には詳しい方がTwitter上だけでもごまんといるので、色々な方に伺って見てください
私の知識はそういう方に比べれば皆無に等しく。
【補足】週刊朝日記事コピー、実家にある筈と探してみたのですが残念ながら現物発見できず。
— gryphon(まとめ用RT多) (@gryphonjapan) 2018年4月24日
ただ検索すると朝日新聞出版の
週刊20世紀 78号(2000年7/27)にhttps://t.co/rVope0iV5f
◆「奇跡」のキスカ島撤収作戦─残された1つのジョーク/郡司武(朝日新聞出版本部編集委員)
という記事がある由
朝日クロニクル 週刊20世紀 078 1943年 敗戦への序章
- 作者: 永栄潔
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また雑誌の記事タイトルがわかるDBにアクセスできる人で、興味があれば1990年代前半の週刊朝日(司馬存命中だから1996年より前。80年代ではない)で「米軍 ジョーク」などで検索してみてください。