きのう、こんな選挙が。
八王子市長選挙、最終確定得票数 石森 孝志 93641 いがらし仁 51811 #jcom #八王子市長選挙 #八王子市長選 pic.twitter.com/1Y5RhrTcGb
— おーちゃん (@nyaos_nyagos) 2016, 1月 24
べつに気にしてなかったが
http://www.asahi.com/articles/ASJ1M4W06J1MTZNB018.html
◇八王子市(東京都)石森孝志氏(58)=無現、自・公推薦=が再選。元法大教授の五十嵐仁氏(64)=無新=を破る。投票率32・60%。
あー!あの五十嵐仁氏だったの?
と、驚いたのでした。東京新聞「こちら特報部」に、よくコメントを寄せていたほか、ブロゴスにも寄稿してたよね。
八王子市長選のことが最近は載ってた。読んでなくてすまなかったなあ。
だけど、最初にいがらし仁=五十嵐仁ということを知って、最初に思った感想は、正直にいうと「へー、かれも権力者になりたがるタイプだったんだねえ」…と。
で、百田はんの話にいくんですよ。「ツイートするとそのまま、100%ネットニュースになる」とぼやく百田氏だが、これも結果的にはなった訳だ。
百田氏、政治家になりたがる作家は「イカサマ野郎」 http://www.nikkansports.com/entertainment/news/1584236.html
…百田氏は26日にツイッターで、「いろんな人から『政治家になる気はないか』とよく言われる。しかしそんな気はまったくない!」と宣言。「作家は孤高で自由な言論者であらねばならない」という主義から、作家やジャーナリストは政治家になるべきではないという考え…(略)「政治家になりたがるような作家やジャーナリストは、すべてイカサマ野郎だと思っている」とまでツイート
「学者」は入ってないな。
しかし、百田尚樹といえば安倍晋三に近いのではないか? ジェネラル田母神の選挙応援をしていたのではないか? NHKの経営委員ではないか? という話だが、この前週刊ポストで百田氏は吉田豪氏のインタビューに答えてこう言ってた。
この論点は、氏が以前から語っていて、面白かったので2014年に考察している。
百田尚樹氏「私と安倍首相の親交は、自民が野党、首相も『終わった人』扱いの時期。それでも『権力に擦り寄った』か?」 - http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20140103/p4
当方、その記事でこう書いた。
「良くも悪くも、政権交代があるところでは、今日の権力側近、明日の反権力の闘士となる。そして、その逆もしかり。
というか、そもそもそれに期待して民主主義体制は議会制民主主義や大統領制を採用しているんだと思うわー。」
うむ、ぼくは結局、民主主義者なんだなあ(笑)。
このネタでいつもいうギャグ(だけど正論)だが、いまアメリカで一番「権力に屈しない反権力ジャーナリズム」はFOXテレビであり、「権力に負けない叛骨の言論人」はラッシュ・リンボーなんだよ、疑いなく(笑)。同国の最高権力者が第44代アメリカ合衆国大統領たるバラク・フセイン・オバマ氏である以上。
「それでもオバマが歴史を変える!」と書いた金平茂紀氏は、これは当選前の記事が主だからセーフなのかな(笑)?
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「安倍晋三が野党で落ち目(実際、総裁選で勝てると予想した人もそうはいなかった)だった時代に親交を結んだから、自分は権力志向ではない」というのが、ともかく百田氏の意見であることはわかった。これを認めない人もいるだろうが、これを認めるなら、例えば土井たか子や福島瑞穂氏、辻元清美氏の応援演説に立ち、父親の葬儀のときには故人と面識もない土井たか子衆院議長を弔辞の読み手にして喜んでいた佐高信氏も「権力志向」、という話からは免れることが出来るかもしれない(土井も福島も与党入りしたことはあったけど)。
ただ、「選挙に出るか、出ないか」をもって、その人の権力志向の明白なボーダーラインとするという百田尚樹氏のこの意見、けっこう合理性はある、と評価するのだ。
というか、正直なところ、自分もその区分をこれまで使っていたところがないとは言えない。
選挙に出た人は、それが保守系からか革新系からかはともかく、「ああ、彼らも権力志向、権力者になりたがる人サイドなのねーーー」とは思っている。
言論人、作家、ジャーナリズム系で最近、そういう「権力者になりたがる人」を記憶だよりにあげてみようか?
石原慎太郎。
田英夫。
保坂展人。
猪瀬直樹。
田中康夫。
舛添要一。
大橋巨泉。
そのまんま東。
平松邦夫。
丸川珠代。
有田芳生。
岡崎トミ子。
五十嵐仁。
川勝平太。
蒲島郁夫 。
そしてまた、一人が権力の甘い誘惑に乗って…
http://www.yomiuri.co.jp/politics/20160111-OYT1T50063.html
今夏の参院選で、民主党から長野選挙区(改選定数1)への出馬を要請されていた元TBSキャスターの杉尾秀哉氏(58)が11日、立候補を表明した。杉尾氏は同党長野県連の常任幹事会に出席。幹事会後、報道陣に対し「火中の栗を拾うことになるかもしれないが、2大政党制の実現には民主が参院選で負けるわけにはいかない」と語った。県連も杉尾氏の公認申請を決めた。
ま、この人はなんとなくそういう雰囲気があった。
内閣参与的とか報道官的な形で内閣入りした松本健一、下村健一、高島肇久、湯浅誠、平田オリザみたいな人もいる。国連大使になった「バッターボックスに立て!」が信条の北岡伸一氏もいたですよね。
変わったところでは、斎藤貴男氏は、内部の妨害や権力闘争で阻まれたのだが、社民党からの出馬をほぼ決めていたのだという。
私は正直、その人の所属政党、思想信条、当選落選、その後の業績……とは別にして、とりあえずみな「権力者になりたがる人」カテゴリーで内心扱っているんですよ(笑)。
選挙に出たり、任命されて内閣に入ったりするというのは、そういうものであり、ここで明確なボーダーラインをひくというのは、ある種の合理性はあろう。
だから、百田が、「選挙にでない。だから権力に関心のない清廉で、無欲な俺」「あいつらは選挙に出る。だから権力好きの欲深なイカサマ野郎」と二分しても、実際にそうである以上は、まぁそうではあるなあと思う。ただ、ヒャクタ氏が今後、出馬しないと確信してますかと聞かれると「うーむ」だが(笑)。
しかし、そうはいいながら矛盾ではある。
本当にみなが、権力を求めない清新無欲な存在であったら、民主主義社会では政治を動かす人がいなくなってしまうのである(笑)。
まあ、権力を求めないひとがゼロであるという仮定は、摩擦と重量のない滑車ほどにも現実味がない(笑)。浜の真砂はつきるとも、権力の座を求める人はつきまじ…なのだが、ただやっている人からは「心外だ」といわれるかもしれない。
「自分は、暴走アベ政治と戦うために出馬するのだ。反権力だ」
「自分は、亡国民主党と戦うために出馬するのだ。反権力だ」(※2009-2012)
と。しかし、やっぱり出馬する人は「権力者になりたがる人」なんだろうし、それはそれで、そうでなかったら困る話だよね(笑)。
権力者になりたがる人が、そのために権力の基盤となる民衆の支持を得るために知恵を絞り、民衆のための政策をする。
それによって民衆が幸せになる。それが民主主義なのだから。
だから、実は百田氏の発言について、自分はブクマで
「似たこと言ってるやついたな、と思い出したら、やや違うがヤンウェンリー。(彼はドブ掃除か何かに例えてた)」と書いたりしたんですよ。
あった、あった。
http://taketan22.blog72.fc2.com/blog-entry-26.html
「私にとって政治権力とは下水処理場のようなものだ。なければ困るが自分から近づきたいとは思わない」
自分は下水処理には感謝と尊敬しかないから、この喩えが100%適切かというとまたあれだが…。
まあ、そういうわけでとにもかくにも、選挙とは「権力者になりたがる人たち」が、その地位を奪いあう場である。
その必要性は十分理解するので、
「別世界の人やなあ」とは思いながら、見守るのである。