「翻訳blog」
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この人の最近の記事に「モリアーティの正体(1)〜(3)」というのがある。
「モリアーティの正体(1)〜(3)」
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どのような内容だろうか…。
ワトソンは、この悪の巨魁について重要な事実を一つ言い落としている。モリアーティはアイルランド人だったのだ。
Moriartyという苗字は、ゲール語のO'Muircheataighから派生したものである。モリアーティ家は中世を通じてアイルランド西部で有力な氏族であった。祖先には十二世紀に西マンスターで王位に就いていた人物もいる。
(略)
モリアーティの少年時代についてはほとんど知られていない(母親が書いた手紙が二通と、ダブリンの新聞が一八五八年に算数の天才に触れた短い記事が残っているだけである)が、驚くべき数学の才能はすでに子供のころから現れていた。
(略)
モリアーティは、一八七一年にユニバーシティ・カレッジを首席で卒業してから、四年間の研究の成果を発表した。『二項定理論』はダブリンの小さな出版社から刊行されたが、直ちにモリアーティに名声をもたらした。すでに文通で知己となっていた欧州大陸の教授たちに献呈本を送ったので(論文自体はライプツィッヒ大学教授カール・ゴットフリート・ノイマンに捧げられていた)…
数学者としての名声はますます高まったが、「黒い噂」が広まって彼は辞任せざるを得なくなった。この噂が具体的にどういうものだったかは不明である。ダラム大学に保存されている文書からはモリアーティの名前が注意深く消してあるので、きわめて深刻なものだったのだろうと推測するほかはない。おそらく、彼がアイルランド独立運動過激派との関わりを深めているという情報が当局に寄せられたのだろう。ユニバーシティ・カレッジ在学中に、モリアーティはクランナゲルに加わり、イングランドに移住してからもアイルランド内外におけるこの秘密結社のメンバーとの連絡を絶たなかった。
(略)
モリアーティは知的世界から締め出されて、アイルランド独立のためには合法非合法を問わず手段を選ばない過激派の陰謀の世界にますます深くはまり込んだ。モリアーティの数学的天才が彼らの役に立った。モリアーティはこれまでの暗号を新しく作り替えた。
(略)
『踊る人形』で彼(ホームズ)はワトソンにこう言っている。「僕はあらゆる形式の暗号に精通していて、この主題については自分でもささやかな論文を書いた。その中で僕は百六十種類の暗号を分析しているのだ」。彼の知識は理論的かつ実践的だった。「世の中には新聞の三行広告のように簡単に解読できる暗号が多いのだ」とホームズはワトソンに豪語したこともある。「その種の幼稚な暗号なら、疲れないで頭の体操になる」。フェニックス公園の殺人事件の後数ヶ月間、ホームズは警察が傍受したアイルランド独立党の暗号通信を解読していたが、新しい暗号は以前とは比べものにならない頭脳を有する人物が作ったらしいことに気がついた。
フェニックス公園の殺人事件の後、外務省に届く陰謀と暗殺の噂は急増した。それらはマイクロフトのデスクに回されて来た。ルイーズ王女がカナダを訪問する予定だったが、アイルランド独立党員がニューヨークから来て彼女を誘拐するという噂が……
これらは元本としての「シャーロック・ホームズ伝」から紹介されているらしい。
そうか、先進国で最も闘争的な武装と組織を100年近く維持したアイルランド独立派(のちに北アイルランド独立派)か…。
自分は
・モリアーティはライヘンバッハでは死んでいない。
・マイクロフト(初代MI6長官)の命令でホームズは追及を断念せざるを得なくなり、
・モリアーティは逮捕を免れる代わりに、欧州大陸で勃興するプロイセンへのスパイ活動にその犯罪組織を活用することになった。
・しかしその後、逆にモリアーティは裏切ってドイツに接近。長命を保った教授はヒトラーと、その部下の若き科学者フォン・ブラウンに協力し、その数学の才を「V2号」発明のために使う…
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20110911/p3
という流れを妄想しているのだが(笑)、なるほどアイルランドに影響力があるなら、ナチも教授をさらに厚遇するわけだ。「鷲は舞い降りた」の作戦のあれだな。
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