(続報)「美の世界で秀吉と戦った千利休」というパターンの元祖は野上弥生子「秀吉と利休」か【創作系譜論】 - INVISIBLE Dojo. ーQUIET & COLORFUL PLACE-

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(続報)「美の世界で秀吉と戦った千利休」というパターンの元祖は野上弥生子「秀吉と利休」か【創作系譜論】

【創作系譜論】

■歴史上の人物の”パブリック・イメージ”を確立させたフィクション史について〜明智光秀を例に
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20130625/p2

からの続編。本記事にも追加しましたが、こっちにも。

以前、同じような歴史テーマのtogetterで
千利休は『秀吉に逆らってまでも美を守ろうとした勇者』と描かれていますが、それはXXXの『○○○』という作品が元祖なんです。それ以前は、秀吉の気まぐれで殺された『かわいそうな弱者(被害者A)』ていどのイメージでした」
という一文を読んで、へーそうか、と思ったのですが、忘れてしまいました。

だれか覚えている、知っているひとがいたら教えてください。作家はけっこう有名な人だったと記憶していますが・・・
(略)

id:fullkichi1964 2013/06/27 06:58
利休の美的ヒーロー化、たぶん野上弥生子「秀吉と利休」からかと・・・・

http://1000ya.isis.ne.jp/0934.html

秀吉と利休 (中公文庫)

秀吉と利休 (中公文庫)

・・・ここでは作者は、秀吉の猛然たる執念が何にあるかをまず捉え、ついで、その秀吉に愛憎半ばの癇気と情気をことごとくぶつけられたがゆえにその本質を見通したかもしれない利休を、ことごとく対比的に描いてみせた。
 このように秀吉と利休を対比するのはいまでは“常識”になっているけれど(井上靖から赤瀬川原平まで)、このような対抗社会的視点を譲歩を許さぬ構えで導入したのは野上弥生子が最初だった・・・

id:gryphon 2013/06/27 07:30
ほほう1964年の作品。なるほど、これかな?本文に追加します


自分は何かのキャラクターやパターンの「元祖探し」「系譜探し」が大好きだけど、以前かいたようにこういう限界がある。

自分の長文書評がほんとに長いのは、しばしば「類似作、先行作は−−」と寄り道して、実質4作5作をまとめて紹介するパターンが多いからなのだが・・・、上にも書いたように、先行作とか類似作のパターン分析って、結局自分の目の届く範囲でしかないんだよね。それでもやる価値はあるかと思うが、当然抜け落ちているあれやこれや、はどこかにあるだろうということを前提としての仮説だと受け止めてください。
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20110311/p2

ただ、キャラクター(人物造形)のルーツ探し・・・といっても、これって「自分が目を通したもの以上にはさかのぼれない」ですからな。これは彗星さがしや、昆虫の新種探し、言葉の初出探しのように、むしろ1人の天才より1万人の凡人の目が集まったほうが有効な分野。どんどん「その前にコレがあったよ」と追加・上書きしていただければ、結果的に研究が深まる。
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20130625/p2

ご協力を今後ともおねがいします。m(_ _)m

追記

さらに続報!!!

千利休の描かれ方の歴史」さらに続報。元祖は海音寺潮五郎? そしてさらにその前史が・・・【創作系譜論】 - http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20130629/p2