最新号のゴング格闘技は、前号に続いて五輪の柔道から派生した格闘技論を色々と特集。
その中に、初の金メダリストを生むなど躍進したアメリカのヘッドコーチ、ジミー・ペドロへのインタビューがある。彼自身はアテネ五輪73kgの銅メダリストで。ヘンゾ・グレイシーとも親交があり、弟子を交流させていることは前号の通り。柔道からMMAに転向したベラトールのリック・ホーンのマネージャーでもある。
さて。米国柔道に初の金メダルをもたらしたのは、ケイラ・ハリソンという女子選手だが・・・五輪期間中にこんな報道がされた。
http://www.yomiuri.co.jp/olympic/2012/news/martialarts/judo/1/20120813-OYT1T00718.htm
柔道女子78キロ級で、米国初の柔道金メダルをもたらしたケイラ・ハリソン(22)は、星条旗を手にしながら笑顔で畳を走り回った。
それから、しばらくしてのこと。晴れの記者会見で最も苦しかった経験を問われ、忌まわしい過去を告白。「私は、前のコーチから性的虐待を受けていた。これが今までで、最もつらい経験です
6歳の頃に柔道を始めたハリソンは、男性コーチの・・・
この話についてゴン格でも、ペドロは問われて語っている。
――当時そこまで思いつめていた彼女をどう受け入れ、再び世界の頂点を極めさせることができたのでしょう?
(略)
ペドロ 「長い道のりだったよ。ケイラの傷は深く、多くの辛い時間を過ごした。柔道をやめたり、自殺したいと泣き叫んだこともあった。でも我々は彼女を励まし続けたんだ。『前に進もう。負けてはダメだ。お前の価値を決めるのがあの出来事であってはならない。乗り越えて夢をかなえるんだ』とね」
- 出版社/メーカー: イースト・プレス
- 発売日: 2012/09/22
- メディア: 雑誌
- 購入: 1人 クリック: 1回
- この商品を含むブログ (7件) を見る
この種の問題への被害者への励まし方におそらく画一的な正解はなく、これもペドロコーチが実際に多くの時間を費やして彼女と向き合い、もっとも効果的と見なした上で語った言葉だ、ということは忘れてはならないだろう。ただ一般化はできずとも、参考にはなる。記録しておいた。