明の時代に李時珍という人物が書いた「本草綱目」という書籍では、ニラは胸の痛みを取り除く効果があり、特に、ニラを絞って出した生ジュースを摂取することで、釘で突き刺すような痛みの症状が治まると記載されています。また、朝鮮時代の医官である許浚が著した「東医宝鑑」では、ニラの生ジュースは胸郭間の瘀血（おけつ）を治療するには驚くべき効果があるとされています。

それでは、ニラは一体どのような効能を持っているのでしょうか。

の効能

肝臓の健康改善

にらには強力な抗酸化成分であるケルセチンが含まれています。この成分は、肝臓内の活性酸素を減少させることで、肝細胞の損傷を防ぎ、肝機能の改善を促進します。また、にらには肝臓の解毒酵素を活性化する「S-アリルシステイン」という成分も含まれており、肝臓に蓄積された様々な毒素と化学物質を迅速に除去する手助けをします。

活性酸素が蓄積すると肝臓に炎症が発生したり、肝細胞が傷つく可能性があるため、これを減少させるケルセチンは肝臓の健康に非常に有用です。また、S-アリルシステインによって肝疾患の発症リスクも低減できます。

抗がん効果

にらにはフラボノイドと有機硫黄化合物という二つの主要な成分が含まれています。にらに含まれるフラボノイドは、がん細胞が自己消滅するよう促す物質であり、有機硫黄化合物は体内に取り込まれた有害物質が体に悪影響を与えないようにします。このような理由で、にらを定期的に摂取することは、がん予防に大いに役立ちます。ただし、にらだけを食べてがんを治すわけではありません。あくまで補助食品として考えてください。

天然強壮剤効果

にらには様々なビタミン、ミネラル、および食物繊維が豊富に含まれています。

ビタミンC：にらにはビタミンCが豊富に含まれており、免疫力を高め、疲労を和らげる効果があります。
フォレート：この成分は体内で赤血球の生成を促進します。赤血球が増えると、酸素が体全体に効率よく行き渡るようになります。
カリウム：カリウムは心臓と筋肉の正常な機能を維持する助けとなります。
食物繊維：にらには食物繊維も豊富に含まれており、消化を助け、全体的なエネルギーレベルを高めます。

血液循環改善効果

にらには血液循環に有用ないくつかの成分が含まれています。

ケルセチン：これは血管を拡張して血圧を下げる効果があります。
カリウム：これは体内の電解質バランスを維持し、血圧を安定化させ、血液循環を改善します。
ビタミンK：これは血液の凝固に重要な役割を果たします。ビタミンKが不足すると、血液が適切に凝固せず、怪我をした場合に出血が続く可能性があります。
食物繊維：これはLDLコレステロールを減少させ、血液の循環がスムーズになるように助けます。

疲労回復効果

にらには疲労回復に有用ないくつかの成分と栄養素が含まれています。

ビタミンC：これは免疫システムを強化し、疲労を軽減する効果があります。
マグネシウム：このミネラルは筋肉の弛緩と収縮を調整し、筋肉の疲労を軽減します。
アミノ酸：にらには必要なアミノ酸も含まれており、エネルギー生成と筋肉の回復に必須です。
抗酸化成分：フラボノイドやケルセチンなどの抗酸化成分は、細胞を保護し、老化による疲労を軽減します。
鉄分：にらには鉄分も含まれており、貧血を予防し、疲労を回復させる助けとなります。

副作用および摂取時の注意事項

アレルギー反応

ニラには「アリイン」という化合物が含まれています。これはタマネギやニンニクなどの他の植物にも含まれており、アレルギーを持つ人がこの成分が含まれた食品を摂取すると、免疫システムに刺激を与え、皮膚の発疹やかゆみが出る可能性があります。

血液凝固への影響

ビタミンKは、血液凝固に関与する重要な役割を果たし、ニラにはこのビタミンKが含まれています。この成分により、血液凝固を抑制する薬を服用している人が摂取すると、その薬の効果が低下する可能性があります。

妊婦への影響

ニラにはケルセチンとフラボノイドが含まれています。これらの成分は一部の女性に子宮収縮を引き起こす可能性があります。そのため、妊婦には摂取が不適切です。

消化器系への影響

ニラには多量の食物繊維と有機硫黄化合物が含まれています。これらの成分は、一部の人々に胃腸に刺激を与える可能性があります。胃腸が敏感である、または消化器官に問題がある人は摂取に注意が必要です。

栄養素吸収への影響

ニラにはオキサラ酸という成分が含まれています。この成分はカルシウムなどのミネラルの吸収を妨げ、それにより骨粗鬆症のリスクを高める可能性があります。骨粗鬆症のリスクが高い、または骨粗鬆症の患者は、ニラの摂取を控えるべきです。