ワム!の名曲「ラスト・クリスマス」は失恋ソングの枠を超えた「妄想」の世界? - Laugh & be happy

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臨床心理士と公認心理師の有資格者です♪

ワム!の名曲「ラスト・クリスマス」は失恋ソングの枠を超えた「妄想」の世界?

 

みなさん、もうすぐ12月ですね。

 

朝晩の空気が頬にひんやりと触れるたび、季節が確実に移ろっていくのを感じる…今日この頃です。

 

冬の訪れに、どうしてこんなにも胸の奥がざわつくのかな?

 

暖かい部屋の窓越しに見る灰色の空や、静かに落ちる木枯らしには、何かしら「終わり」を連想させるような、もの憂い感が漂う。

 

きっと人間の心も、季節とともに揺れ動くものだよね。

 

それはまるで、自分の中の「見たくないもの」と向き合わざるを得なくなる瞬間のようにも思える。

 

 

 

さて、みなさん。

 

この冬、そんな揺れ動く気持ちを抱えたまま、そっと耳を傾けたくなる曲とともに、心の深い場所を少しだけ探ってみませんか?

 

今回は、みんな大好き!クリスマスシーズンに欠かせない一曲、ワム!(Wham!)「ラスト・クリスマス」について、臨床心理士の視点から考えてみたいと思います。

 

 

 

「ラスト・クリスマス」って、感情軽快なメロディーと明るいリズムが特徴で、ショッピングセンターとかを歩いている時に耳に入ってくると、クリスマスシーズンのワクワク感を一層引き立ててくれるよね。

 

私も子供の時は、街中やお店でこの曲が流れるたび、つい足取りが軽くなって、なぜか楽しいルンルン気分になっていました。

 

でも、大人になってから、この「ラスト・クリスマス」の歌詞をじっくり和訳してみると、実はその明るいリズムとは裏腹に、複雑な感情が込められていることに気付いた。

 

特に、歌詞の中に見え隠れする心理的な要素は、恋愛や人間関係において誰しもが感じたことのある「理想」「現実」のギャップを象徴しているように思える。

 

 

 

では、これから一緒に、失恋ソングの枠を超えた「妄想」の世界(ジョージ・マイケルが表現している歌詞)を読み解いて行きましょう♪

 

 

 

1. 「ラスト・クリスマス」って、どんな歌?

まず、この曲がどういう内容か簡単におさらいしましょう。

 

「ラスト・クリスマス」は、ワム!(作詞作曲はジョージ・マイケル)が1984年に発表したシングルで、クリスマスという特別な日に愛を告げた女性に裏切られた悲しい失恋の歌である…と一般的に思われている。

 

歌詞の内容は、男性(ジョージ・マイケル)が去年のクリスマスに告白して愛をささげたのに、相手の女性(ヒロイン)が、翌日には冷たく去ってしまったことを、ひたすら嘆いているだけ。

 

「Last Christmas, I gave you my heart / But the very next day, you gave it away」というフレーズが、ものすご~く象徴的。

 

もしかすると、 多くの人がこの曲を聴くと、失恋の痛みやクリスマスの悲しさが心に湧き上がってくるかも知れない。

 

でも、少し深掘りしてみると、ジョージ・マイケルが歌っているのは、実は単なる失恋の感情ではなく、過去の出来事を現実以上に理想化して、妄想の中で心の痛みを引きずっているような状況が見えて来る。

 

 

 

2. 歌詞に潜む「妄想的な」要素

「ラスト・クリスマス」の歌詞の中には、不自然に感じる部分が沢山あるんだけど、特に以下の一節をご紹介します。

 

Tell me baby

ねえ教えて

Do you recognize me?

僕のこと覚えている?

 

「Do you remember me?」は単純に「私のことを覚えている?」という意味の疑問文だけど、「Do you recognize me?」には、単に記憶しているかどうかではなく、「目の前にいる人が誰であるかを認識する事が出来るかを尋ねる表現」で、これは、以前の自分と今の自分の間に変化があり、それを相手が気づくかどうかを問いかけるニュアンスを含んでいる。

 

 

 

※プロモーションビデオを見ないと、理解が難しいと思うので、まずは見てね♪


www.youtube.com

 

 

 

プロモーションビデオを見ていると、不自然に感じるシーンがある。

 

それは、ヒロインの女性がジョージ・マイケルを「徹底的に無視」している場面。

 

ジョージ・マイケルが必死に視線を向けても、ヒロインはまるで、「彼が存在していない」かのように振る舞う。

 

このシーン、現実的に考えると、かなり奇妙に感じる。

 

去年のクリスマスに恋人同士が愛し合い、翌日に別れるというのは、確かに切ない展開だけど、その翌年のクリスマスに再会したときに、相手の女性(ヒロイン)が、まったく彼(ジョージ・マイケル)に興味を示さないという状況は、現実的には極端過ぎる。

 

普通ならば、どこかで感情が交錯し、少なくとも少しの気まずさや未練を感じるもの。

 

それに、恋愛というのは、そんな一夜限りの出来事で一方的に冷めるものではないと思うし…。

 

しかし、このプロモーションビデオでは、ヒロインの女性が、ひたすらジョージ・マイケルの存在を無視し続けているように描かれている。

 

これは、ジョージ・マイケルが単なる恋愛の現実を描いたものというよりも、むしろ心理的な「理想化」「幻想」の世界を表現していると言える。

 

ジョージ・マイケルが抱えている感情(恋愛における痛みや葛藤)が、このヒロインの女性の無視という形で表現されているような気もする。

 

 

 

3. なぜ「Do you remember me?」ではないのか?

「Do you remember me?」は、もっと直接的で、過去の出来事に焦点を当てる表現。

しかし、「ラスト・クリスマスのプロモーションビデオ」では、「ヒロインの女性がジョージ・マイケルの存在や愛を完全に受け入れていなかった、または意識すらしていなかった可能性」が暗示されている。

 

もし、ヒロインの女性の存在が、ジョージ・マイケルの妄想の産物であれば、「Do you remember me?」という疑問文は成立しない。

 

なぜなら、彼女は「去年のクリスマスにジョージ・マイケルの愛を、一度は受け取った実体として存在していない」から。

 

ジョージ・マイケルは「recognize」という言葉を選ぶことで、「ラスト・クリスマスのプロモーションビデオに登場するヒロインの女性が、現実的に認識できる存在なのか、それとも妄想の中だけの存在なのか」、曖昧さを残している。

 

「recognize」という言葉が、現実と妄想の境界をぼかす効果を生み出していると言える。

 

 

 

4. 妄想である可能性の裏付け

ジョージ・マイケルが「Do you remember me?」ではなく、「Do you recognize me?」を選択した事は、ヒロインが実在しない妄想の存在であるという仮説を補強する。

 

ジョージ・マイケルが妄想の中で、自分の存在をヒロインの女性に認識させようとしている可能性がある。

 

妄想の中では、ヒロインに彼の存在を「認識」させることが、彼自身のアイデンティティを確認する手段となるから。

 

「Do you recognize me?」という問いは、彼が愛されたい、存在を認められたいという深い願望を投影しているようにも感じられるが、それが叶わないという事実が妄想の構造を強調しているようにも思える。

 

 

 

5. プロモーションビデオの構成と妄想の演出

プロモーションビデオでは、ジョージ・マイケルが、現実と妄想の世界を行き来するように描かれている。

 

ヒロインの女性とのやり取りの多くは、ジョージ・マイケルの妄想として表現されている。

 

映像では、彼が実際には女性と関わり(コミュニケーション)を持っていないにもかかわらず、理想化された恋愛シーン(雪の中での戯れと暖炉の前のシーン)が描かれ、リスナーに「現実と妄想の境界」が曖昧であることを感じさせている。

 

 

6. 雪の中での戯れと暖炉の前のシーン

プロモーションビデオの映像で、ジョージ・マイケルとヒロインが雪の中で楽しそうに戯れ、その後、暖炉の前で一緒に過ごすシーンは、「恋人同士の典型的で理想的で幸せなクリスマスの風景」だけど、このシーンは、「現実には手に入れられない理想の恋愛像を妄想する様子」として表現されている。

 

暖炉の前でのロマンティックなシーンは、温かさや安心感を象徴し、ジョージ・マイケルにとっては「現実で満たされない愛を求める心情」が反映されている。

 

 

7. ブローチのプレゼントと妄想と現実の区別

ジョージ・マイケルがブローチをヒロインの女性にプレゼントする場面も重要。

 

このシーンでは、理想化した女性像との関係を描いているけど、現実ではそのような贈り物をしていないことが明確。

 

妄想のシーンでは、ジョージ・マイケルはブローチを身につけ、ヒロインもそれを身に着けている。

 

しかし、現実のシーンでは、ジョージ・マイケルは身に付けているけど、ヒロインの女性はそれを身に着けていない。

 

このブローチの不一致は、「妄想と現実を混同し、理想を現実に引きずり込もうとしていることを示唆している」と解釈できる。

 

 

8. ジョージ・マイケルの表情の変化

ジョージ・マイケルの表情や動きは、時に悲しげで、時に希望を抱いている。

 

映像では、彼がヒロインの女性との関係を楽しむ様子(雪の中での戯れと暖炉の前のシーン)が続くけど、それはあくまで妄想であり、現実にはそれがかなわないことに対する深い孤独感を反映している。

 

ジョージ・マイケルの顔に浮かぶ微妙な表情の変化は、現実と夢の中での自分の感情の不安定さを示しており、内面的な葛藤が強調されている。

 

 

9. 柵の外からヒロインを見るシーン

ジョージ・マイケルが、柵の外から、ヒロインや仲間たちが雪と楽しんでいるのを眺めるシーンは、非常に象徴的。

 

このシーンでは、ジョージ・マイケルが「現実の孤独と理想的な恋愛像への憧れの間で葛藤している」ことが描かれている。

 

ヒロインや仲間たちが楽しそうに過ごしている一方で、ジョージ・マイケルはその輪の外に立っており、その姿勢は現実の自分の孤独を象徴している。

 

妄想の中では、ジョージ・マイケルはヒロインの女性と楽しいクリスマスを過ごしているが、現実ではそれは実現していない。

 

 

 

10. 妄想の引きずり込みと精神的な逃避

ジョージ・マイケルが妄想を現実に引きずり込もうとしている様子は、現実逃避としての側面もある。

 

彼は、理想化された世界を心の中で作り上げ、それに逃避することで、現実の孤独や葛藤から一時的に解放されようとしていると考えられる。

 

妄想の中では、彼はヒロインの女性から愛されていると感じ、孤独感を癒やすことができるため、その妄想に依存している様子が描かれている。

 

 

 

11. まとめ

「ラストクリスマス」のプロモーションビデオにおけるジョージ・マイケルのヒロインへの妄想は、「理想的な恋愛への憧れ、現実とのギャップ、そして内面的な孤独感を反映」したもの。

 

映像を通じて、ジョージ・マイケルは理想化された女性像と共に楽しいクリスマスを過ごすことを妄想し、現実の孤独と対比させることで、彼の心の葛藤や逃避願望が浮き彫りになっている。

 

ブローチや他の小道具は、現実と妄想を結びつける象徴的な役割を果たしており、ジョージ・マイケルが妄想に依存し、現実に引きずり込もうとする姿が見て取れる。

 

 

 

続く…。

 

※解説が不十分でゴメンね。

 

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