日本の嫌韓本が韓国の“反日ビジネス”に丸乗りするパラドックス|LITERA/リテラ

日本の嫌韓本が韓国の“反日ビジネス”に丸乗りするパラドックス

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『韓国人による恥韓論』(扶桑社新書)

 先日、このサイトで配信した記事「『嫌韓は日本の韓国化』産経の保守派論説委員が嫌韓ブームを批判」は大きな反響を呼んだ。30年間にわたって韓国問題を取材し、韓国の反日ナショナリズムを批判してきたはずの黒田勝弘・産経新聞ソウル駐在客員論説委員が、日本の嫌韓ブームに真っ向から異議を唱えたことは相当な衝撃だったらしい。

 その黒田氏がもうひとつ、「嫌韓本」の意外なカラクリを指摘している。問題にしているのは、2013年に起きて、複数の嫌韓本に取り上げられた「親日老人撲殺」事件だ。

 いったいどんな内容なのか、20万部を突破したベストセラー『韓国人による恥韓論』(シンシアリー/扶桑社新書)からその震撼ニュースを紹介してみる。

「もし、反日に酔い過ぎで完全に制御を失うと、獣になると、どうなるのでしょうか。実例です。2013年5月、ソウルの鍾路にある有名な公園で、38歳の男が95歳の老人を殴り殺す事件がありました。老人が『日本の植民地支配は、よかった』と話し、それを聞いた男が激怒したのです。犯人は老人を蹴り倒し、杖を奪って頭を集中的に殴り、結局は殺してしまいました。」(P174)

 著者のシンシアリーは、自称1970年代、韓国生まれ、韓国育ちの韓国人歯科医師。親日派の立場から、韓国の反日思想を皮肉ったブログを本にしたものだ。

「親日老人を撲殺する」というニュースは衝撃的とあってか、20万部を超えるベストセラー『呆韓論』(室谷克実/産経新聞出版)でも紹介されている。

 著者の室谷は元時事通信ソウル特派員という経歴で、独自の韓国ネットワークからの豊富な情報量と“嫌韓”のスタンスで日本の夕刊紙などで引っ張りダコになり保守系文化人の仲間入りを果たした人物だが、その室谷はこう書く。

「日本のネットの世界ではかなり話題になった事件だが、全国紙もテレビも取り上げていないようなので、あえて書くことにした。
 事件が起きたのは、13年5月。ソウルのメーンストリートであるチョンノの脇にある宗廟市民公園で、酒に酔った37歳の男が、95歳の老人に暴行を加えた。老人が『日本の統治時代は良かった』と述べたことに、男が腹を立てての犯行だった。これが事件当時ほとんど報じられなかったのは『単純傷害事件』として処理されたためらしい。
 しかし、老人が収容先の病院で死亡し、事件は傷害致死となり、ソウル地裁は9月10日、男に懲役5年を宣告した。12日になって韓国紙『世界日報』が報じたのを、日本の俊敏なる韓国ネットウォッチャーが見逃さなかった──これまでの経緯だ」
「判決報道の後、韓国のネットには、犯人を英雄視し、殺された親日老人を罵倒する書き込みがあふれた」

 この事件は他にも、『韓国「反日謀略」の罠』(拳骨拓史/扶桑社)や『もう、この国は捨て置け! ─韓国の狂気と異質さ』(呉善花、石平/ワック)など、さまざまな嫌韓本に取り上げられている。そして、これらの本の記述を読むと、「親日老人撲殺」事件は、日本のマスコミでは取り上げられていないが、韓国では大きく報じられている周知の事実のような印象を受ける。

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