憧れの業界に対する熱意が
綿密な企業研究を経て
自信へと昇華
経営システム工学科 4年
OVERTURE
やりたい仕事をどのように見つけるのかは、人によってさまざまです。経営システム工学科の宮島壱登さんにとっては、大学での学びであり、アルバイトであり、1冊の本との出合いでした。コロナ禍で大学生活の大半がオンラインに移行したことを「ITによって活動の選択肢が増えた」と前向きにとらえたことが、将来の道へとつながりました。
アルバイト先での成功体験が志望動機を後押し
システムエンジニアの仕事に興味を持つ契機となったのは、2年次に履修した「アルゴリズム設計」です。実践的なプログラムの実装を学ぶ授業で、毎週出される課題は難しいと感じるものばかりでしたが、時にはクラスメートと協力して教え合い、根気強く考え抜いた末に課題が解けた時の喜びは非常に大きく、次第にプログラミングが好きになっていきました。
ある時、培った知識をアルバイト先での業務に応用してみました。講師をしていた個別指導塾で使う「英単語テスト作成プログラム」を構築したのです。Excelのマクロ機能を活用し、1,900個の英単語の中から特定の範囲内でランダムに抽出・出力するプログラムで、問題作成の自動化に成功し、作業時間を大幅に短縮することができました。この経験が、将来の仕事に結びつく最初の一歩でした。
建設業界を志望したきっかけは一冊の本です。就職活動を始めた頃、業界研究の一環で経済小説を数多く読んだのですが、中でも建設業界を題材にした『鉄の骨(作:池井戸潤)』に感銘を受けました。建設業は都市の安全と発展を支える使命を担う素晴らしい産業だと考え、大学での学びの成果をこの魅力的な業界で発揮したいとゼネコンのIT部門を志望しました。
志望業界や企業を徹底的に研究
清水建設株式会社への内定につながった要因は「志望先に対する熱意では誰にも負けない」と信じて疑わなかったことだと思います。その業界や企業が行っている取り組みについて徹底的に調べ、疑問に思ったことは社員の方に質問してより深く理解することを心がけました。ある社員の方のインタビューを過去の新聞記事から見つけた時は、アポイントを取り、その方から詳細を伺ったこともあります。
納得のいく就職をするためには、1年次から将来を意識した大学生活を送ると良いと思います。就職活動中によく聞かれたのは、「なぜ○○をしようと思ったのですか?」という質問でした。履修選択から研究室選びまで、大学生活は選択の連続です。「この経験を将来どう生かせるだろう」と熟考しながら4年間を過ごすことが、希望の進路を切り開く力になるのではないでしょうか。
オンラインのOB・OG訪問をフル活用
就職活動を始めた頃はコロナ禍による緊急事態宣言の発出と重なり、対面で相談できる人がいませんでした。何から手をつければ良いのか模索していた時期に、進路・就職課でオンラインの個別相談が気軽にできたことは、心の支えとなりました。当初はオンライン面接にも戸惑っていたので、オンラインでの模擬面接は非常に心強かったです。
また、同じ時期にOB・OGの方から伺った「社会人と話すチャンスがあれば積極的に」というアドバイスが印象に残っています。インターンシップの選考や説明会に参加する中で、“社会で通用するコミュニケーション能力”の重要性を実感したこともあり、オンラインを中心に20人近くのOB・OG訪問を経験しました。多くの方と話す機会を得た結果、就職活動で求められる質問力や傾聴力を養うことができました。
コロナ禍を前向きにとらえ、ITの将来性を確信
入社後は、ICT(情報通信技術)担当としてスマートシティに向けた取り組みに携わりたいです。そう考えるようになったのも、コロナ禍がきっかけでした。大学では3年次から講義やテストなどがオンラインへと移行しましたが、私はこれを「ITは活動の選択肢を増やすことができる」と前向きにとらえました。対面授業では聞き逃したところに戻れませんが、オンデマンド型授業なら再視聴が可能というように、アナログの欠点も補えます。ITが持つ大きな可能性を実感した経験から、都市が抱えるさまざまな課題をITで解決し、持続可能な社会の実現に貢献したいと思ったのです。
内定を得てからは、応用情報技術者試験の勉強に力を入れました。これはITエンジニアとしてレベルアップを図るための国家試験です。決して簡単に取得できる資格ではありませんが、在学中に無事に合格できました。卒業後も常に学びながら高度IT人材として社会に貢献していきます。
※登場する人物の在籍年次や役職、活動内容等は取材時(2021年度)のものです。
※各科目のリンク先「講義内容詳細」は掲載年度(2022年度)のものです。
在籍している学部・学科
理工学部 経営システム工学科
青山学院大学の理工学部は、数学、物理、化学といったサイエンスと、テクノロジーの基礎から最先端を学ぶ環境を整備しています。国際レベルの研究に取り組む教員のもと、最新設備を駆使した実験、演習、研究活動の場を提供するとともに、独自の英語教育を全7学科統一で実施。未来志向のカリキュラムにより、一人一人の夢と可能性を大きく広げます。
経営システム工学科では、企業やNPOなどの組織をより良く機能させる技術・システムを開発、導入する過程を学習し、マネジメント能力の習得を目指します。自由度の高いカリキュラムで興味の幅を広げながら、問題解決のプロセスに必要な3つの技術分野(分析、モデル化、最適化)を学習。先端ITを駆使する高度な課題解決能力を涵養します。