うまくいくかは分からないけど、絶対に諦めない。地道な努力で切り開いた総合商社への道|AGU LiFE

うまくいくかは分からないけど、絶対に諦めない。地道な努力で切り開いた総合商社への道

掲載日 2024/10/11
No.321
国際政治経済学部 国際経済学科 4年
熊本 響
東京学芸大学附属高等学校出身

OVERTURE

責任感が強く、学業でも課外活動でも目標に向かって黙々と努力してきた熊本響さん。「やってみたい」と思ったことに積極的にチャレンジし、経験を積み重ねることで、社会への視野を広げていきました。諦めなければ必ず道はあることを体現した4年間の集大成として、幼いころから憧れを抱いていた総合商社への内定をつかみとりました。

経済を学ぶことで、社会に対する理解を深める

祖父母や両親が青山学院大学出身のため、自然と青学が進学先の候補になりました。その中で特に魅力を感じたのは、国際政治経済学部のカリキュラムです。学科の枠を超えて自由に他学科・他コースの科目を履修することができる上に、外国語教育も充実していることを知り、自分の学びたいことを学べる環境が整っていると感じました。もともと数学が好きで経済に興味を持っていたことから、グローバルな視点で経済を学べる国際経済学科を受験することに決めました。

入学してからは、「社会科学のための数学入門Ⅰ」や青山スタンダード科目の「数理科学の視点」など、数学が日常の中でどのように役立つのかを学べる授業に熱中しました。また、「コーポレートファイナンスⅠ」の授業では、数学を活用して企業の利益をいかに最大化するかを学び、数学が実社会で活用されていることを学生のうちに実感できたのは自分にとって大きな経験でした。

3年次からは中里宗敬先生のゼミナール(ゼミ)に所属し、株式市場や投資について学んでいます。3年次の前期には、教科書を読み込んでプレゼンテーションをするということを毎週繰り返し行いました。中里先生はどんな質問にもその場で答えてくださるので、分からないことがあってもすぐに解決できました。後期はゼミに所属する5人でチームを組み、前期で得た知識を生かして、学生を対象にした金融・経済学習コンテストの「日経STOCKリーグ」に挑戦しました。私たちは投資テーマを「インバウンド需要」に決め、“モノ消費”ではなく“コト消費”に着目して、どの株式銘柄を購入するかを検討していきました。個々の企業について1つ1つ掘り下げていく過程で多くの発見があり、すごく面白いと感じたのを覚えています。

中里ゼミの合宿では、レクリエーションでカヤックを行った

また、帰国子女の母の影響もあり、入学当初から英語学習にも力を入れたいと考えていたため、2年次には専門科目を英語で学ぶ「Global Studies Program(GSP)」を履修しました。留学も考えていたのですが、所属している体育会水泳部の練習に明け暮れていた私にとってはなかなか実現が難しく、部活と両立しながら留学に近いかたちで学べるGSPにチャレンジすることにしました。その中で印象に残っている授業は「国際マーケティング論Ⅰ・Ⅱ」です。受講生の半分以上が留学生で、グループでレポートを作成する際に、自分の英会話力が不足しているのを痛感して悔しい思いをすることもありました。それでも諦めずに積極的に授業に取り組み、GSPを修了したことは、自分の成長につながったと思います。

仲間とともに切磋琢磨し、関東大会出場へ

2歳から水泳を続けていることもあり、大学では体育会水泳部に所属しています。体育会というと縦社会というイメージがあるかもしれませんが、私たちの部活は、先輩後輩や男女の垣根がなくお互いに教え合える、とても仲の良い部活です。全員が大会を目指して本気で取り組んでおり、週6日の練習で、朝は6時50分から行っています。約20年間水泳をやってきた私でも練習がつらくて、もう嫌だと思ったことは何度もありました。けれども辞めるのは簡単ですが、そこで辞めてしまったら今まで積み上げてきた努力を無駄にしてしまう気がしたので「成功するかどうかは分からないけれど、諦めずに続ければ何かが見えてくるはずだ」と信じ、最後まで頑張ろうと決意しました。仲間たちと切磋琢磨しながら努力を続けた結果、関東大会10位の成績を収め、決勝まであと一歩のところまでいくことができました。最後までやり抜いた私の姿を見て、自分も頑張ってみようと思ってくれた後輩がいたら嬉しいです。

関東大会直前期に水泳部の同期と。マネージャーが選手一人一人に対して手作りのお守りを作ってくれた

また、水泳経験はスイミングクラブでのアルバイトにも生かしました。一番レベルの高い「選手コース」の水泳指導を行い、もともと責任感が強いことに加え、何より人が好きなので、目の前の生徒たちを喜ばせたいという気持ちがありました。アルバイトながら現状の問題点をどうすれば打開できるかを考え、意欲的に指導方法の改善に取り組みました。それまではプレイヤー一筋でしたが、指導者という立場を経験したことで、自分が主体的に行動を起こそうとするときにどうすれば周りの人の心を動かせるかを学ぶことができたと感じています。この経験は、「学生時代に力を入れたこと」として就職活動でも生かされました。

徹底した準備のおかげで、総合商社の内定をつかむ

就職活動は3年次の春ごろから本格的にスタートしました。商社勤めをしていた祖父の影響で昔から憧れていた総合商社を第一志望に定め、総合商社に関連する業務を行う総合コンサルティングファームや銀行も視野に入れて活動を進めました。コンサルティングファームは選考が非常に早く、最初に内定をいただきました。そこで培った基礎と面接練習のおかげで、メガバンクからも内定を得ることができ、6月から始まる総合商社の選考に全力を注げたと思います。

面接で聞かれる内容を、「自分の人間性」「学生時代に力を入れたこと」「志望動機」「入社して何をしたいか」の4点に集約し、徹底的に対策を進めました。その人にしかない強みで他の学生との差別化を図るのはなかなか難しいですが、この4点を矛盾なくしっかり話せることが十分な差別化になると考え、面接での質問に矛盾なく回答できるよう、自分なりに「想定問答集」を作成して納得がいくまで繰り返し書き直しました。

しかし、5月中旬に総合商社に勤めるOB・OG訪問で面談したときに、それまで自分が調べて感じたことが見当違いであることに気づかされました。面接の直前期で時間が限られており、その時は本当にもう駄目かもしれないと思いました。就職活動をする中で一番きつい時期でしたが、「ここまで頑張ってきたのだから、絶対に諦めたくない!」と気持ちを奮い立たせて、面接の準備を続けました。
さらに、面接の前日に総合商社で勤めている友人に志望動機を確認してもらったところ、「それは総合商社でなければいけない理由になっていない」と指摘されました。なぜ総合商社なのかを突き詰めて考えたときに、国内外問わず最前線に立ってビジネスを作っていくことこそ総合商社でしかできないことだと思い、自宅で英語教室を開いていた経営者としての母の姿から学んだことを織り交ぜながら、志望動機を修正しました。午前2時まで書き直しできたのは、本当に心の底から入りたい企業だったから、そしてそれまでに時間をかけて面接で伝えるべきことのロジックを作り続けてきたからだと思います。最終的に伊藤忠商事株式会社から内定をいただき、就職活動を無事終えることができました。

就職活動中はたくさんの人たちに相談に乗ってもらい、身近な人には相談しづらいようなことは進路・就職センターの職員の方々に話を聞いていただき、とても心強い存在でした。総合商社に勤めるOB・OGの探し方も教えていただき、直接メールでやりとりができたのもありがたかったです。

チャレンジを積み重ね、自分の引き出しを増やしていこう

総合商社であれば様々なアプローチ方法で脱炭素化の推進に携わっていけると期待しています。小学生のころから漠然と脱炭素という領域に興味があり、将来は、日本の社会問題の一つであるエネルギーセキュリティの確保に少しでも寄与することができたら嬉しく思います。

在学中に入りたいと思える企業が見つかり、結果的に内定をいただくことができましたが、入学前は自分が将来どういうキャリアを歩みたいかということは全く考えていませんでした。けれど、「やってみようかな」「やっておいたほうがいいかな」と思ったことはとにかく挑戦してみた結果、自分の引き出しが増えていったように思います。部活やアルバイト、GSPだけでなく、先に進めていた他社の就活での経験なども実際の面接でお話しており、その時々で真剣に取り組んでおいてよかったと心底思いました。これから就職活動を始める皆さんも、心の底から入りたい企業を見つけて、最後まで志を忘れずに努力を続ければ、ゴールは近づいてくるはずです。

※科目のリンク先「講義内容詳細」は掲載年度(2024年度)のものです。

熊本さんの就職活動スケジュール

  1. <2年次> 2022年 3月

    初めて企業説明会に参加

  2. <3年次> 2023年 4~8月

    サマーインターンに応募。ほとんどの選考に落ちるが、複数の企業のインターンに参加

  3. <3年次> 2023年 9~12月

    総合コンサルティングファームも受けてみようと志す。年末にコンサルティングファームから内々定をいただく

  4. <3年次> 2024年 1~3月

    メガバンクの選考が本格的に始まる。総合商社のテスト対策でテストセンターに通い詰める

  5. <4年次> 2024年 4月

    メガバンク1行から内々定をいただく。総合商社2社の選考に落ちる

  6. <4年次> 2024年 5月

    総合商社の面接対策のために想定問答集の作成に尽力。メガバンク1行から内々定をいただく

  7. <4年次> 2024年 6月

    総合商社3社の面接スタート。そのうち1社から内々定をいただく

国際政治経済学部 国際経済学科

青山学院大学の国際政治経済学部は国際社会への貢献をそのミッションとし、国際系学部の草分けとして創設されました。各学科の学びを深めるだけでなく、有機的に3学科の学びを統合することもできます。グローバルレベルの課題への理解を深め、エビデンスにもとづいて議論・討論するスキルを養成します。世界の多様な人々と協働し、新たな価値を創造する実践力を育みます。
国際経済学科では、国際経済や開発経済に特化したカリキュラムのもと、地球規模の諸問題、特に国際的な経済相互依存関係などを経済やビジネスの観点から歴史的・理論的かつ数量的に学びます。一人一人の興味や進路を踏まえて、「国際経済政策コース」と「国際ビジネスコース」を設置。異なる文化や価値を理解し尊重する姿勢を身に付け、問題解決のため積極的に考え行動できる人材を育成します。

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