知識のインプットと
アウトプットを繰り返し
学びの成果を実感
OVERTURE
実践や体験を通して学ぶ授業に魅力を感じて経営学部マーケティング学科に進んだ酒井さん。知識をインプットする授業とアウトプットする授業をリンクさせながら、理論と実践の両輪で学びを定着させ、マーケティング的思考力を養っています。
学科選びの決め手は経営学部生の動画
私が経営学部を志望したのは、理系志望だった高校2年の時、ある大学のオープンキャンパスで「経営工学」の体験授業を受けたことがきっかけです。そこで経営学の面白さに引き込まれて、高校3年で文系に転向し、都心で学びやすい環境が整っている青山学院大学の経営学部を目指すようになりました。
入試では経営学科とマーケティング学科の両方に合格することができたのですが、どちらの学科にするか、かなり迷いました。その時に参考にしたのが、学部のウェブサイトで公開されている動画「経営学部生が語る~経営学科とマーケティング学科の違い~」です。先輩方が授業を例に挙げながら学生の立場で語っていて、学ぶ内容の違いがとても分かりやすく、その動画を見て、自分は商品やサービスが売れる仕組みをつくるマーケティング分野に興味があると気付くことができました。また、「大学の授業は座学が基本」というイメージを持っていたのですが、マーケティング学科には、企業の実際の課題に対してグループワークで解決策を考えていく「マーケティング・ベーシックスA」などの授業があることを知り、体験型の学びをたくさん経験したいと感じたことも決め手になりました。
知識や理論を具体的にどう生かすかを考えながら学ぶ
大学での学びで私が心掛けてきたのは、理論や知識をインプットする授業と、それをアウトプットする授業を並行して履修し、学んだことを具体的にどう生かすかを考えながら講義を受けるということです。
インプットする授業で特に印象深いのは、2年次に受けた「マーケティング論Ⅰ・Ⅱ」です。マーケティングの基礎的な理論を身に付ける授業ですが、先生がたくさんの具体例を挙げながら理論と結びつけて教えてくださるので、知識が身に付きやすく、マーケティングを学ぶ楽しさを感じた授業でした。
また、必修科目で得た専門的な知識をアウトプットできた授業に、2年次後期の「マーケティング・ワークショップE」があります。
この授業では、協力企業のマーケティング担当者からの課題に対し、マーケティングリサーチ、企画立案、コンテンツ作成などをワークショップ形式で進めていきます。企業の現状を把握するためのSWOT分析、競合他社の検討、さらに青山スタンダード科目の「データ分析入門」で学んだデータ処理や分析の手法など、それまでに教科書や講義で学んできたことを生かしてグループワークに取り組み、知識をしっかり定着させることができました。実践型の授業は学生が主体的に取り組まなければ進まないため、責任感を持って授業に臨んだことも、より知識を定着させることにつながったように思います。
リーダーとして成長できたSBSLでの経験
授業のほかにも、経営学部生によるSBSL(経営学部学生リーダーズ)の活動には特に力を入れて取り組んでいます。現在は、愛知県田原市と連携して進めている地方活性化プロジェクトでマネージャーを務め、学食でのコラボメニューの販売、田原市の特産品である花をPRするフラワーアレンジメント企画などに取り組んできました。さらに今後、SBSL内部の活性化を目的とした研修プロジェクトでも、マネージャーとして進捗管理や外部との連絡調整を担当していきます。
私はあまり積極的な性格ではなく、地域活性化プロジェクトでマネージャーになるまでは、リーダーを務めた経験もありませんでした。リーダーになった当初は、不慣れだったこともあり、自分が動かなければいけないという意識が強すぎ、何でも自分一人でやろうとして、周りには“酒井菜々子プロジェクト”と言われてしまったこともありました。そんな私の姿を見たメンバーが「もっと頼っていいよ」と声を掛けてくれて、少しずつ役割を割り振り、皆でプロジェクトを進められるようになりました。積極的にアクションを起こせるようになったこと、周囲と協調して物事を進めるリーダーの在り方を学べたことは、今後に生きる自分の成長だと思っています。
また、国際ボランティア愛好会SHANTI SHANTIにも所属し、子ども向けイベントのボランティアにも参加しました。経営学部の勉強はもちろん、高校時代から興味を持っていたボランティア活動など、大学でしか得られない学びや経験ができ、充実した毎日を送っています。
実体験から生まれたテーマ「健康志向とマーケティング」
3年次からは、土橋治子先生の消費者行動論ゼミに所属します。消費者行動論を深く学びたいと思ったのは、消費者が何を考えてその商品を買うことにしたのかを理解することが、マーケティング戦略の基礎だと感じたからです。ゼミの先輩が取り組んでいた研究テーマも、ネガティブな要素を加えた広告が消費者に与える印象、断片的な情報で消費者の興味を引くティザー広告の効果など、興味深いものが多く、私もこのゼミで興味のあるテーマを掘り下げて研究していきたいと思っています。
今やってみたいと考えているのは、健康志向の高まりとマーケティングの関係性についての研究です。私はよくコンビニでパンを買うのですが、ある時、カロリーが商品パッケージの裏側ではなく前面にプリントされているパンを見つけました。いつもカロリーを気にして裏側をチェックするのは少し恥ずかしいと感じていたので、カロリーがすぐに分かるそのパンを選んで買うようになったのですが、同時に「これもマーケティング戦略かもしれない」と気になり始めたことが、このテーマの出発点になっています。
身の回りの商品やサービスの裏側には、それを売るための理論や原理があり、それに気付くと社会の見え方が変わってきます。経営学部で学びを重ねるうちに、日常の中でもマーケティングに関する気付きがあり、知識が自分の身になっているのを日々感じているところです。これからもインプットとアウトプットを繰り返しながら、専門知識を自分のものにし、企業のマーケティング部門はもちろん、さまざまな場面で活躍できるよう力を付けていきたいです。
※各科目のリンク先「講義内容詳細」は掲載年度(2022年度)のものです。
経営学部 マーケティング学科
経営学部は「マネジメント」(経営管理)を中心に学ぶ学部です。青山学院大学の経営学部では、優れた研究者が教員として揃う質の高い教育環境のもと、企業や組織、ひいては個人をマネジメントするために必要な経営学の知識を、体系的に身に付けられるカリキュラムを用意しています。デジタル化時代に応えるべくデータ分析にも力を入れており、その学びを通して論理的思考力を養います。時流に流されない基礎理論をしっかり学び、その上で人々が幸福に生活できる在り方を追求する、これが「青山マーケティング」の理念です。マーケティング学科では、いつまでも色あせない理論と、それを生かすための知識やデータ分析などのスキルを体系的に身に付けます。そして、それらを実習系の授業で実践し、あらゆる社会で生かせる力を養っていきます。