北欧の漁師の村が舞台。サイコロを使って個人ボードの建物効果を発動し、釣りや物品出荷で生活を豊かにしよう。
子供たちと遊ぶのを前提に、新発売・未発売のボードゲームの購入を検討する記事です。今回は2024年発売予定「ソルトフィヨルド/Saltfjord」。
画像出典:Aporta Games; Saltfjord 英語版ルールブック (2024)
★ゲーム内容の確認
1)基本情報:プレイ人数、プレイ時間など
2)テーマ:世界観、ゲームのあらまし
3)外観:絵柄、コンポーネントなど
4)ルール:手順概要、特徴的な要素など
5)遊びやすさ:言語依存、リプレイ性など
6)入手性:価格、在庫状況など
1)基本情報
[1][2]・タイトル:ソルトフィヨルド
・作者: Kristian Amundsen Østby, Eilif Svensson
・絵師:不明
・原題:Saltfjord
・発売年:2024年(予定)
・出版社(一例): Aporta Games
・プレイ人数:1~4人
・プレイ時間:45~90分
・推奨年齢:14歳以上
[1]Board Game Geek: Saltfjord (2024)
2)テーマ
・年代:19世紀後半
・場所:ノルウェイ北部・漁師の村
・プレイヤーの立場:村の住民
・目的:生活を豊かにすること。
・行うこと:
・建物を拡張し、暮らしを快適にする。
・船を出し、魚を釣る。
・物品を出荷し、利益を得る。
・新たな技術を得て、能力を高める。
3)外観
・絵柄:写実と抽象の中間的なイラスト、平面的な塗り
・コンポーネント:
・ボード:メインボード1個、個人ボード4式
・木製コマ:約60個
・紙製タイル:約70個
・紙製チップ:約170個
・その他:サイコロ24個
・箱サイズ:30×30cm(カタンサイズ)
・共通ボード:60×60cm程度(推定)
・個人ボード:20×20cm程度×2個(推定)
4)ルール
以下、英語語版マニュアル(Aporta Games、2024年 v1)を和訳参照した情報。
○基本システム
・個人ボードへの物品配置(効果の累積)
○主要物品
・共通ボード:
・置場:サイコロが置かれる。
・海トラック:各人の船コマを移動する。
・技術トラック:進行でボーナス。
・能力タイル:
・売場:建物・木箱の売場。
・酒場:手番終了順にボーナス取得。
・個人エリア:
・個人ボード:建物タイルを置く。
・倉庫ボード:所持物品を示す。
・船タイル:魚チップを置く。
・能力タイル:永続効果を与える。
・資源:8種類(倉庫ボード上のキューブで示す)
○大まかな手順
- ラウンド制。全3ラウンド。
・開始プレイヤー:いちばん最近、魚を食べた人。 - 開始プレイヤーから、時計まわりに手番をとる。
- 手番では、以下いずれか1個を行う。
a)サイコロ:売場サイコロを取り、個人ボード効果を発動する。
b)建物:大建物タイルを買い、個人ボードに置く。
c)パス:酒場ボーナスを得る。以降、このラウンドの手番は来ない。 - 全員がパスをしたら、ラウンド終了。
①売場のサイコロを更新する。
②開始プレイヤーを更新する。
③次ラウンドへ。2~ - 全3ラウンド終了で、ゲーム終了。
○勝敗
・終了後、勝利点を集計し、点数が高い人が勝ち。
・主な得点源:
・ゲーム中:各効果
・終了時:木箱、技術トラック、所持資源
○建物タイルの効果
a)資源:記載の資源を得る。
b)木箱:必要資源を払い、木箱タイルを得る。
c)技術:必要資源を払い、技術トラックを進む。
d)建築:小建物タイルを買い、個人ボードに置く。
e)釣り:船トラックを進み、魚を得る/岸に戻る。
○特徴的な要素
- 売場からサイコロを取得する。
- サイコロは、売場に置かれるときのみ、振られる。
- 白サイコロは、毎ラウンド3個まで取れる。
- 橙サイコロは、ラウンド数と同数まで取れる。
- サイコロ出目は、魚を払って増減できる。
- サイコロは、売場に置かれるときのみ、振られる。
- 取ったサイコロで、個人ボード効果を発動する。
- 個人ボードには、6×6のマス目がある。
- 色・出目に応じた行・列に、サイコロを置く。
- その行・列にあるタイル効果を、順に発動できる。
- サイコロは、最後に発動したタイル上に置く。
- マスに建物タイルを置き、効果を増やせる。
- 行列の空マスをすべて建物で埋めると、ボーナス。
- 個人ボードには、6×6のマス目がある。
- 所有物品は倉庫ボードで示す。
- 倉庫ボードには、8種類の資源マスがある。
- マスに置いたキューブ1個が、その資源1個を示す。
- 下位資源は、効果により上位資源に変換できる。
- 上位資源は、いつでも下位資源に交換できる。
- 倉庫ボードには、8種類の資源マスがある。
- 以下の要素がある。
- 酒場:パスをした順に、ボーナスを選んで得る。
- 技術トラック:4種。進行で即時/永続効果を与える。
- 得点タイル:技術トラックでゴールすると記載ボーナス。
- 技術タイル:永続効果を与える。
- ワーカー:個人ボードのマス1個の効果を得る。
- 酒場:パスをした順に、ボーナスを選んで得る。
5)遊びやすさ
・言語依存:
・物品にゲーム中の処理に関わる文字記載はない。
・フレーバーテキストもない(個人ボードのみ、村名あり)。
・プレイ人数依存:
・2~4人用:人数に応じて、一部物品の数を調整する。
・1人用:ハイスコアを目指す。
・リプレイ性:
・使用物品変化:
・能力・目標タイルは、毎ゲーム所定数をランダム使用。
・各人の個人ボード、初期物品は、毎回ランダムに選んで使用。
・ランダム要素:
・売場サイコロ出現時の出目は、ランダム。
・魚チップの内容はランダム。
・木箱・建物タイルの出現順はランダム。
・バリアント:
・新要素「荷車」が追加される上級ルールがある。
6)入手性
[1][2]・一般販売予定:
・発売予定時期:2025/1
・メーカー価格:不明
・日本語版の発売予定:
2024/7/15 時点、日本語版の発売予定は確認できない。
[1]Board Game Geek: Saltfjord (2024)
★考察:「ソルトフィヨルド」の魅力と懸念点
ゲーム内容の確認結果から、魅力と懸念点をまとめます。
◎魅力を感じた点
- テーマ。サイコロを用いるシステムは、「サンタマリア/Santa Maria」という商品が元にになっているとのこと。しかし、サンタマリアは「植民地」がテーマになっており、ボードゲームファンの間でも物議をかもす商品だった。その点、この「ソルトフィヨルド」は、北欧の村での生活がテーマ。小さい子供と一緒でも、テーマをはぐらかすことなく、安心して楽しめるのが嬉しい。
◎懸念点
- 地味。村の生活を淡々と送るテーマは、華やかとはいえない。個人ボードの効果をサイコロで起動するのは楽しげだが、回数が限られていて、爽快とは言えそうにない。さまざまな資源をうまくやりくりしていくプレイ感は、かなりカツカツで厳しいパズルになりそうだ。失敗すると、取返しがつかなくなりそう。残念ながら、好みのプレイ感ではないと思う。
★判定結果:「ソルトフィヨルド」は買うべきか?
以上を踏まえて、「ソルトフィヨルド」を買うべきかどうか、判定しました。
判定結果:うちには必要ない。
※ぜひ買いたい/気になる/うちには必要ない、の3段階評価。
植民地テーマを廃し、現代でも受け入れられるテーマに変更したことは、とても好印象です。しかし、ゲーム内容的には、地味さを感じてしまいました。残念ながら、見送りです。
画像出典:Aporta Games; Saltfjord 英語版ルールブック (2024)
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