魔法の森を探索し、有用なアイテムを集めよう。「競り」と「パズル」が融合したシステムが興味深い。さあ、買うべきか、買わざるべきか?
子供たちと遊ぶのを前提に、新発売・未発売のボードゲームの購入を検討する記事です。今回は2024年発売予定「ノクターン」。
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画像出典:Flatout Games; Nocturne 英語版ルールブック (2023 Draft)
★ゲーム内容の確認
1)基本情報:プレイ人数、プレイ時間など
2)テーマ:世界観、ゲームのあらまし
3)外観:絵柄、コンポーネントなど
4)ルール:手順概要、特徴的な要素など
5)遊びやすさ:言語依存、リプレイ性など
6)入手性:価格、在庫状況など
1)基本情報
・タイトル:ノクターン/夜想曲
・作者:David Iezzi
・絵師:Beth Sobel
・原題:Nocturne
・発売年:2024年(予定)
・出版社(一例): Flatout Games [1][2][3]
・プレイ人数:1~4人
・プレイ時間:30~45分
・推奨年齢:10歳以上
[1] Kickstarter: Nocturne
[2]Board Game Geek: Nocturne (2024)
[3] Flatout Games: Nocturne
2)テーマ
・年代:魔法の世界
・場所:月夜の森
・プレイヤーの立場:キツネの魔法使い
・目的:魔法のアイテムを集めること。
・行うこと:
・森を歩き、有用なアイテムを見つける。
・精霊に捧げものをして、アイテムをもらう。
3)外観
・絵柄:シリアス系ファンタジー絵本のような絵柄
・コンポーネント:
・ボード:メインボード1個
・木製コマ:約50個
・紙製タイル:約80個
・カード:約60枚
・箱サイズ:24×24cm(ラウハサイズ)
・共通エリア:30×25cm程度(推定)
4)ルール
以下、英語語版マニュアル(Flatout Games、2023 Draft)を和訳参照した情報。
○基本システム
・共通エリアへのコマ配置(物品の獲得)
・セットコレクションによる勝利点獲得)
○主要物品
・共通エリア:
・タイル売場:格子状にタイルを配置。
・目標カード:達成で得点。
・共通ボード:追加タイルが置かれる。
・個人物品:
・人物カード:特殊能力を与える(応用ルールのみ)。
・個人目標カード:達成で得点。
・数字コマ:共通エリアでタイル取得権を競う。
○大まかな手順
- ラウンド制。全2ラウンド。
- 開始プレイヤーは、以下を行う。
①売場のタイル1個を選ぶ。
②そのタイルに、自色の最小の数字コマを置く。 - 時計まわりに、以下を行う。
・直前のコマの隣のタイルに、自色の数字コマを置く。
・前のコマより大きい数字のコマを置く。
・置く代わりに、パスができる。 - 全員がパスをしたら、以下を行う。
①最大の数字コマを出した人は、その下のタイルを得る。
②最大の数字コマは、裏返して場に残す。
③それ以外の数字コマは、持主の手元に戻る。
④手元に戻す代わりに、共通ボードにコマ1個を置ける。
⑤タイルを取った人が、次の開始プレイヤーになる。
⑥以上を繰り返す。2~ - 売場のタイルが尽きたら、ラウンド終了。
①共通ボードのコマ順位に応じ、タイルを得る。
②手持ち数字コマに応じ、新規の数字コマを得る。
③共通エリアを更新する。
④次ラウンドへ。2~ - 全2ラウンドを終えたら、ゲーム終了。
○勝敗
・終了後、勝利点を集計し、点数が高い人が勝ち。
・主な得点源:
・取得タイル、共通目標、個人目標。
○特徴的な要素
- 共通エリアに格子状に並ぶタイルの取得権を競う。
- 直近の数字コマの隣のタイルに、自色数字コマを置ける。
- 前より大きい数字の数字コマだけ置ける。
- 数字がいちばん大きい人が、そのタイルを取得する。
- タイルのない場所には、数字コマは置けない。
- 袋小路のタイルに数字コマを置いたら、自動的に取得権を得る。
- 直近の数字コマの隣のタイルに、自色数字コマを置ける。
- 数字コマは共通ボードにも置ける。
- タイル取得の後、各人は使用した数字コマを手元に戻す。
- タイル取得に使った数字コマは、手元に戻らない。
- 手元に戻るコマのうち1個を、共通ボードに置ける。
- 共通ボードのコマは、数字の大きい順に、所定数まで並ぶ。
- ラウンド終了時、数字の大きい人はボード上のタイルを得る。
- タイル取得の後、各人は使用した数字コマを手元に戻す。
- ラウンド終了時、数字コマの更新がある。
- 手元のコマの大きい人から、大きい数字の新コマを得る。
- 新コマを得ただけ、小さいコマを捨てる。(コマ総数は不変)
- 手元のコマの大きい人から、大きい数字の新コマを得る。
- タイルのセットコレクションで得点する。以下がある。
イ)骨:記載の得点。
ロ)羽根:枚数に応じ得点。
ハ)キノコ:種類別の枚数に応じ得点。
ニ)薬草:記載得点+枚数に応じた得点。
ホ)卵:所持数の順位に応じ得点。
ヘ)呪いの箱:記載の減点。
ト)ルーンストーン:取得時、個人目標カードを得る。
チ)鏡石:いずれかのタイルとして使える。 - 以下の要素がある。
- 共通目標カード:達成で取得・得点。ラウンド終了時に更新。
- 個人目標カード:終了時、条件に応じ得点。
- 共通目標カード:達成で取得・得点。ラウンド終了時に更新。
5)遊びやすさ
・言語依存:
・目標カード、人物カードの内容は、文字による説明。
・プレイ人数依存:
・2~4人用:人数に応じて、一部物品の数を調整する。
・1人用:無人プレイヤーと競う。
・リプレイ性:
・使用物品変化:
・毎回、同じ物品を使う。
・ランダム要素:
・タイル、目標カードの出現順はランダム。
・応用ルール:
・プレイヤー個別能力を与える応用ルールがある。
6)入手性
・キックスターター情報[1]:
・プレッジ元 :Flatout Games
・プレッジ期間 :2023/12/9まで
・プレッジ金額 :29USドル+送料21USドル
・発送時期:2024/9予定
・一般販売予定:
・発売予定時期:
・メーカー価格:
・日本語版の発売予定:
・2023/11/23時点、日本語版の発売情報は見つからない。
[1] Kickstarter: Nocturne
[2]Board Game Geek: Nocturne (2024)
[3] Flatout Games: Nocturne
★考察:「ノクターン」の魅力と懸念点
ゲーム内容の確認結果から、魅力と懸念点をまとめます。
◎魅力を感じた点
- パズル+オークション。数字コマを使ってタイルを競り取るシステムだが、前のコマと隣接するタイルにしかコマを置けない。袋小路に追い込めば、小さい数字コマでもタイル取得ができる。オークション系ゲームの「相場観」が苦手だが、このシステムなら楽しめる可能性がある。
◎懸念点
- 雰囲気。魔法世界であるが、暗めで地味なイメージ。主人公がキツネである理由も理解できない。ゲームの世界にのめりこむ、という体験ができず、楽しみの程度が限られてしまいそうだ。
★判定結果:「ノクターン」は買うべきか?
以上を踏まえて、「ノクターン」を買うべきかどうか、判定しました。
判定結果:うちには必要ない。
※ぜひ買いたい/気になる/うちには必要ない、の3段階評価。
パズルとオークションが融合したタイル取得システムが興味深い。反面、暗めで地味な世界観がなじめません。残念ながら、購入候補からは除外します。
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