★強気vs弱気! 魔法使い対決ボードゲーム比較~ブルームサービス、魔法にかかったみたい、ブルームサービスカードゲーム - 家と子供と、今日のおじさん(仮)

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2017年築の家で、妻+子供3人と過ごす記録です。ほのかに工学テイスト。


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魔女になって成果を競うボードゲーム「ブルームサービス」関連作3点を比較します。
1)魔法にかかったみたい(Witch's Brew / Wie Verhext!)
2)ブルームサービス(Broom Service)
3)ブルームサービス:カードゲーム



★強気vs弱気! 魔女になって対決だ!
 気になるボードゲームを見つけました。「ブルームサービス(Broom Service)」という商品です。プレイヤーは魔女になって、各地に魔法の薬を配達します。ボードやカードの絵柄、雰囲気がよく、目にとまりました。


 このボードゲームの独特な点は、カードを使ってアクションをするときに、「強気」または「弱気」を選ぶところです。強気アクションでは特典が得られますが、他のプレイヤーに同じカードを出されると、アクションの実行権を奪われてしまいます。弱気アクションは必ず成功しますが、得られる効果が少ないです。カードは、全員が同じ10枚のセットの中から、ラウンド開始時に、各プレイヤーが4枚だけを選択して手札にします。誰がどのカードを持っていそうか、盤面を見て予測する、プレイヤー間の駆け引きが楽しめそうなゲームです。(カードゲーム用語で言うと、「マストフォローのトリックテイキング」の変形版。)

 そして、特に面白そうに感じるのが、カードを出すときに、「私は勇敢な魔女だ!(強気)」とか、「私は臆病な魔女よ。(弱気)」と宣言する点です。実際に自分が魔女になった感じで、ゲームに入り込むことができそうです。うまくいったときの喜び、失敗したときの悔しさも増して、ゲームが盛り上がると思います。


★「ブルーム・サービス」の系統ゲーム3点
 このブルーム・サービスの系統作として、以下3件があります。
1)魔法にかかったみたい(Witch's Brew / Wie Verhext!)
2)ブルームサービス(Broom Service)
3)ブルームサービス:カードゲーム


 もともとは「魔法にかかったみたい」(2008年)が出発点で、これはカード主体のゲームでした。強気・弱気のアクションを選択してカードを出すシステムは、このゲームで発案されたものです。そして、このシステムをベースに、ボードを用いて「移動」の要素を付け加えたのが「ブルーム・サービス」です。さらに、ブルームサービスの世界観を使ってカードゲームを再構築したのが、「ブルーム・サービス:カードゲーム」、という系譜になっています。

 今回、これら3件の「ブルーム・サービス」シリーズについて、内容を比較整理します。
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★基本情報の比較:プレイ人数、時間に注目!
 まずは、ゲーム概要の比較です。おおもとの「魔法にかかったみたい」はアンドレアス・ペリカン氏が作者です。後続のブルームサービス、同・カードゲームでは、アレクサンダー・プフィスター氏が、作者に加わっています。プレイ人数、プレイ時間など、違いがあります。

1)魔法にかかったみたい
・作者: Andreas Pelikan (アンドレアス・ペリカン)
・原題:Witch's Brew / Wie Verhext!
・発売年:2008年
・出版社(一例):ravensburger [1]
・プレイ人数:3~5人
・プレイ時間:約45分
・推奨年齢:9歳以上
・プレイヤーの立場:薬を作る魔法使い
・プレイヤーの目的:価値の高い薬を作ること
[1]Ravensburger: Wie verhext!
https://www.ravensburger.de/entdecken/ravensburger-marken/alea/spiele-spielregeln/wie-verhext/index.html

2)ブルーム・サービス
・作者: Andreas Pelikan(アンドレアス・ペリカン)、Alexander Pfister(アレクサンダー・プフィスター)
・原題:Broom Service
・発売年:2015年
・出版社(一例):ravensburger [2]
・プレイ人数:2~5人
・プレイ時間:30~75分
・推奨年齢:10歳以上
・プレイヤーの立場:薬を届ける魔女
・プレイヤーの目的:薬を目的地に届けること
[2]Ravensburger: Broom Service
https://www.ravensburger.us/products/games/strategy-games/broom-service-81083/index.html

3)ブルーム・サービス:カードゲーム
・作者: Andreas Pelikan(アンドレアス・ペリカン)、Alexander Pfister(アレクサンダー・プフィスター)
・原題:Broom Service The Card Game
・発売年:2016年
・出版社(一例):ravensburger [3]
・プレイ人数:3~6人
・プレイ時間:15~30分
・推奨年齢:8歳以上
・プレイヤーの立場:薬を届ける魔女
・プレイヤーの目的:薬を目的地に届けること
[3]Ravensburger: Broom Service - The Card Game
https://www.ravensburger.us/products/games/strategy-games/broom-service-the-card-game-26972/index.html


★アクション実行ルールの比較:基本システムは同じ!
 3商品とも、ゲームの根幹である、アクションを実行するためのカードを出す部分のシステムは、まったく同様です。以下のような手順です。

1)ラウンドの開始時、各自がカードを所定数だけ選ぶ。
2)開始プレイヤーは、手札から1枚を選び、場に出す。
 カードに書かれた「強気」か「弱気」のアクションの、いずれかを選ぶ。
3)時計回りに次のプレイヤーは、同じカードを持っていたら、必ず出す。
 このプレイヤーも、「強気」か「弱気」を選ぶ。
4)同じカードを持っている全員が出すまで続ける。
5)「弱気」を選んだ人は、カードを出した時点でアクションを実行する。
6)「強気」は、最後に「強気」を選んだ人だけがアクションを実行できる。
7)「強気」を実行した人が、次の開始プレイヤーになる。

 「弱気」は得られる効果(アイテム数など)が弱く、「強気」は効果が高く設定されています。確実に実行できる弱気アクションを選ぶか、リスクを取って強気アクションをとるか、選択が肝要です。特に、他プレイヤーの状況を観察して、他プレイヤーの持っていないだろうカードを推察して、強気アクションの機会を逃さないことが、ポイントとなります。

 3つのゲームとも、以上の基本ルールは同様なのですが、細かい部分で違いがあります。以下にまとめます。

1)魔法にかかったみたい
・初期手札:毎ラウンド、全員同じ12枚から、5枚を選ぶ。
・開始プレイヤー:必ず、強気アクションを選ばなければならない。
・宣言の方法:カードの記載文を読む。
 ・強気「私はドルイドである!」など
 ・弱気「それはどうも。」など

2)ブルーム・サービス
・初期手札:毎ラウンド、全員同じ10枚から、4枚を選ぶ。
・開始プレイヤー:強気・弱気アクションどちらも選べる。
・宣言の方法:カードの記載文を読む。
 ・強気「私は勇敢な森の魔女よ!」など
 ・弱気「私は臆病な森の魔女です。」など

3)ブルーム・サービス:カードゲーム
・初期手札:ランダムに配られた9種14~17枚から、3枚を選ぶ。
・開始プレイヤー:強気・弱気アクションどちらも選べる。
・宣言の方法:カードを出す上下の向きで決める。
 ・強気「勇敢」を宣言して、正位置で出す。
 ・弱気「臆病」を宣言して、逆位置で出す。

 いずれのゲームとも、得られる薬の種類(色)や、移動先の地形(色)ごとに、別のカードが用意されています。他プレイヤーが、このラウンドでどの色を狙っているのかを観察して、他プレイヤーとかぶらないカードを、「強気」アクションで出すことが、ゲームのポイントとなります。
 カードの選択数÷種類数は、それぞれ5÷12=42%、4÷10=40%、3÷9=33%で、おおむね40%前後です。3人プレイであれば、開始プレイヤーが強気で出したとき、カードがかぶらない確率は、おおむね(1-0.4)^2=36%、ということになります。何も考えずに出すと、2/3の確率でかぶる、ということなので、戦略的な「読み」が欠かせません。


★遊び方の比較:薬を作るか、届けるか?
 「魔法にかかったみたい」では、種類の異なる素材を入手したり、交換するカードを使い、最終的に必要数の素材を集め、薬を作るのが大まかな流れです。「ブルーム・サービス」では、ボード上を移動するアクションが加わり、移動先ごとに定められた薬を届けることが、大きな得点源となります。「カードゲーム」は、カードを出す=薬を届けることになり、書かれた色・数の薬を集めると、その目標カードを取って得点にできます。

1)魔法にかかったみたい
・使用物品:
 ・役割カード:アクションに使う。
 ・薬カード:取ると得点になる。
 ・素材コマ:薬を作るのに必要。
・ゲームの大まかな流れ:
 ・カードを出して、素材を入手したり、交換する。
 ・得た素材を使い、薬を作るアクションで、薬を得る。
 ・呪文を唱えるアクションは、毎ラウンド違う特殊効果。
・アクションの内容:
 ・素材を入手する:3種類
 ・素材を交換する:3種類
 ・薬を作る:3種類
 ・呪文を唱える:3種類
・得点源:
 ・薬を作るアクションで、薬カードを取る
 ・素材を交換するアクションで、薬の小瓶を取る
・終了条件:カラスマーク付きの薬カード4枚が取られること。

2)ブルーム・サービス
・使用物品:
 ・役割カード:アクションに使う。
 ・ゲームボード:薬の配達先の地図。
 ・魔女コマ:ボード上を移動する。
 ・薬コマ:集めて、配達する。
 ・雲タイル:ボード上にある障害物。
・ゲームの大まかな流れ:
 ・カードを出して、薬を入手する。
 ・カードを出して、ボード上を移動する。
 ・カードを出して、現在地に薬を届ける。
 ・雲を払うアクションで、雲タイルを取れる。
 ・毎ラウンド、異なるイベントカードが発動する。
・アクションの内容:
 ・薬を得る:3種類
 ・移動する:4種類
 ・配達する:2種類
 ・雲を払う:1種類
・得点源:
 ・配達するアクションで、薬を届ける
 ・雲を払うアクションで、雲タイルを取る
 ・最後に持っている薬の種類・数
・終了条件:
 ・7ラウンド終了。

3)ブルーム・サービス:カードゲーム
・使用物品:
 ・役割カード:アクションに使う。
 ・目標カード:取ると得点になる。
・ゲームの大まかな流れ
 ・カードを出すと、記載された薬を届けたことになる。
 ・薬の種類・数の条件を満たすと、目標カードを取れる。
・アクションの内容:
 ・薬を届ける:9種類
・得点源:
 ・目標カードの条件の充足
 ・出したカードに書かれた薬の総数
・終了条件:
 ・4ラウンド終了。


★魅力を感じる点・気になる点の整理
 以上の整理結果を踏まえて、各ゲームの特徴と、魅力に感じた点・懸念点をまとめます。

1)魔法にかかったみたい
・目的:魔法使いになって、薬を作ること。
・手段:素材を集め、交換して、薬を作る。
・要素:呪文を唱えるアクションがある。
・終了条件:所定の薬カードが4枚取られる。

<魅力を感じた点>
・アクションが多彩。選択肢が多いので、悩ましいかけひきができそう。

<気になる点>
・入手性が悪い。日本語版が存在しないようだ。言語依存は少ないが、セリフを読む部分がないと、楽しさが半減しそう。
・カードのかけひきがゲームの中心になっている。万一、ここを楽しめないと、まったく遊べないゲームになってしまう。
・2人では遊べない。


2)ブルーム・サービス
・目的:魔女になって、薬を配達すること。
・手段:薬を集め、移動して、目的地に届ける。
・要素:毎ラウンド、イベントが発生する。
・終了条件:全9ラウンド。

<魅力を感じた点>
・ボードがあること。冒険心をかきたてられる。
・絵柄。この3種類の中で、もっとも好みである。
・2人でも遊べる。
・要素が多い。万一、中核の「読み合い」部分が私たちに合わなくても、ほかの部分で遊べる可能性が残る。
・入手性。2021/8現在、日本語版が普通に入手可能。

<気になる点>
・プレイ時間が長い(公称30~75分)。我が家は長考族が多いので、おそらく2時間コースだろう。


3)ブルーム・サービス:カードゲーム
・目的:魔女になって、薬を配達すること。
・手段:カードを出して薬を届ける。
・要素:先着だけが取れる目標カード。
・終了条件:全4ラウンド。

<魅力を感じた点>
・物品が少なく、安価。準備や片づけが簡単そう。

<気になる点>
・アクションは1種類で、色の選択だけが違う。目標カードや集めた薬の数で、読み合いはできそうだが、単調になりそうな懸念。
・絵柄が、あまり好みでない。
・2人では遊べない。


★まとめ:「ブルーム・サービス」が面白そう!
 以上の比較結果から、個人的には、「ブルーム・サービス」が良さそうです。
 ただ、「強気・弱気を読み合う」という、本シリーズの核心部分が、子供たち(娘10歳、長男7歳、次男4歳)に受け入れられるか、未知な部分があります(ショックを受けやすい、慎重派の人たちばかりなので)。しかし、ボードゲームによる「新しい体験」という意味では、かなり魅力的な選択肢です。買うべきかどうか、引き続き、検討したいと思います。



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