気候変動の影響
- 山腹崩壊や風倒木、流木災害等に対するリスクが増加
- 森林及び特用林産物(シイタケ栽培等)の病害虫の被害地域の拡大
これまでの調査の報告と将来予測
- 大阪は、三方を山で囲われており、森林面積は大阪府全体の面積の約30%を占めています。
- 森林は温室効果ガスである二酸化炭素を吸収するため、地球温暖化防止に寄与します。しかし、過去に植林されたスギやヒノキが二酸化炭素の吸収量のピークを迎えても伐採されず、植え替えが進まないため、二酸化炭素の吸収量が増加しないことが指摘されています。
- また、適正な成長を促すためスギやヒノキで必要とされる間伐の遅れた森林も発生していて、その結果、林内が暗く、下草や他の樹木が生育しないことにより、土砂が流出しやすくなることで、近年増加している豪雨等での土石流や流木被害の危険性が高まることが懸念されています。
- 過去には、大阪の山地でも豪雨等によって流木被害が発生しています。気候変動に伴って発生する豪雨等による被害をどのように防いでいくか、対策が求められています。
- その他、地球温暖化で病害虫の分布域が北上すると、これまでになかった被害が発生したり、特用林産物の収穫に影響が出る可能性も指摘されていますが、気候変動が林業に及ぼす影響については、現在も調査中です。
気候変動への適応策
■林業者の取組
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- 間伐の推進
スギ・ヒノキといった人工林の健全な生育により、二酸化炭素の吸収機能や、防災・減災機能の向上のため、間伐の推進が必要であり、各種補助事業などを活用しながら進められています。
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- 木材利用事業
山林で発生する土砂災害を防ぐためには、木を植え、育て、利用し、再び植える、というサイクルを回していくことが大切です。そのためには、大阪府内で生産されたいわゆる府内産材の利用が重要です。大阪府内では認証制度などを活用して利用が進められています。
■環農水研の取組
流木発生抑制のための間伐強度に関する調査
林業地は、流木被害を引き起こさないために適切な管理が必要です。これからは、グリーンインフラを最大限活用した防災・減災を進めていくことが求められています。
間伐強度が林地の土壌表面の侵食に及ぼす影響を継続的に調査し、間伐の効果を検証するとともに、適切な間伐強度を明らかにする取組を進めています。
流木による被害(左:山腹崩壊 右:流木)