ノンさんが病で苦しんでいた頃、そして天国へ行ってしまった四月、金沢では枝垂れ桜が咲いていて、枝垂れ桜の姿を見ると「ノンさんの枝垂れ桜だな。」と思ってしまう。
確かまともに顔を合わせてお話ししたのはご近所の眼科の先生のお宅でギターの練習に参加させて頂いたときだったと思う。
そのころ私はギターを始めたばかりで、でもどうしても上手くなりたくて四苦八苦していた( そのころは。。。フフフ♪)。
よくわからないまま、岡崎倫典さんのレパートリーをやっていたのだが、私の持っている岡崎さんのレパートリー集をジロっとご覧になって、「その本に載っている20曲、全部練習するつもりでやってごらんよ!」とおっしゃった。
しばらくしてメールを下さり、「私、どうしてもギター上手くなりたいんです!」と書いたら、「やはり練習の継続しかありません!」等、熱いアドバイスを下さった。
またその当時の自分は専業主婦だったのだけど、いいのかなコレで、とか迷いもあった。そんな私に「ヒマ人?結構です!ギャンブルや飲酒などに走るより、ギターに没頭する、素晴らしいです!」とカラリと揚がった天ぷらみたいに励まし( ? ) て頂き、嬉しくなったこともあった。
子供のことで悩みをお話すると、確固たる意思に基づく頼もしい助言を下さり、それに従う、ということは実際無いのだけれど、ノンさんにお話したことで深い安心感を感じることが出来た。
結婚してからは会社に勤めたことも無く、社会常識に欠ける所があった私はノンさんから一般常識や社会のルールを教わった部分もあった。
こんな風にメールで言ってもらうと相手は安心するんだな、とか、こういう場面ではこんな表現を使うといいんだな、とか。
何となく、ノンさんのことを金沢のお父さんにしてる所が自分はあった。
枝垂れ桜は千年生きる、とどこかで読んだ。
気が遠くなるほど季節がめぐりめぐって、ノンさんにまた会えたらいいな、と思っている。