アジアと欧米:
コミュニケーションの
文化差から
言語の獲得過程を探る
Eventイベント情報
-
シンポジウム
Mini-symposium on Paths to Word Meaning 3
「The nascent lexicon: early language learning in the lab and in the world」日時
講演終了後1週間オンデマンド配信あり場所 Zoom Webinar 参加費 無料 講演者 Elika Bergelson (Harvard University) コメンテーター Sandra Waxman (Northwestern University) ホスト 馬塚 れい子(理研CBS) 概要 PDFで見る(128KB)
Introductionはじめに
言語も文化も異なる
アジアと欧米の6言語の比較を通して
乳幼児の言語獲得メカニズムを
解明したい。
乳幼児はどのようにして周りの大人が話している言語に興味をもち言語を獲得していくのでしょうか?
世界には様々な特徴をもつ言語が存在します。
言語によって、語順などの統語的特徴、語彙の特性、母音や子音の種類や韻律などの音韻的特性など多くの違いがあります。
けれども、乳児はどの言語環境に生まれても生後数年の間に自然に母語を話すようになります。
このような、自然な言語の獲得はどのようにして可能になるのかを研究します。
研究代表者
理化学研究所 脳神経科学研究センター
脳発達分子メカニズム研究チーム
言語発達研究班
馬塚れい子
Projectプロジェクトのご紹介
従来研究を牽引してきた英語やフランス語のような欧米言語と、日本語、韓国語、中国語、タイ語のようなアジアの言語には、統語や音韻体系などの言語特性以外にも、乳児が言語を学ぶ主たる環境である母子間のコミュニケーションスタイルにも文化差があるとされています。
JEWELプロジェクトでは、欧米言語とアジア言語の間にあるそのような文化差に注目し、これらの6カ国の言語を学ぶ乳児とその母親を総合的に観察、比較することで解明しようとしています(表1)。
地域 | 言語 | 主節 | 従属節 | 形容詞 | リズム | 単語韻律 |
東アジア | 日本語 | SOV | 後置 | 形名 | モーラ | ピッチアクセント |
韓国語 | SOV | 後置 | 形名 | 音節? | 無し | |
東南アジア | 中国語 | SVO | 後置 | 形名 | 音節? | 4トーン |
タイ語 | SVO | 後置 | 名形 | 音節? | 5トーン | |
北米 | 英語 | SVO | 前置 | 形名 | 強勢拍 | 強勢拍 |
欧州 | フランス語 | SVO | 前置 | 名形 | 音節 | 無し |
主な調査内容
音声発達過程の言語差
行動実験で、乳児の音声発達過程の言語差を調べる。
対話のスタイルの文化差
行動実験や録音実験で、母親と子供の対話のスタイルの文化差を調べる。
乳児が何に注意を向けているのか
行動実験や眼球運動測定実験によって、乳児は母子のコミュニケーションからどのような情報に注意を向けているのかを調べる。
Research Team研究チーム
国際共同研究拠点
海外研究協力者
- Youngon Choi (韓国 Chung-Ang University)
- Alejandrina Cristia (フランス ENS)
- Thierry Nazzi (フランス INCC)
- Judit Gervain (イタリア University of Padova)
- Chutamanee Onsuwan(タイ Thammasat University)
- Leher Singh (シンガポール National University of Singapore)
- Henny Yeung (カナダ Simon Fraser University)
国内研究チーム
- 馬塚 れい子(理化学研究所 CBS 言語発達研究班)
- 辻 晶(東京大学IRCN)
- 窪薗 晴夫、小磯 花絵(国立国語研究所)
- 田中 章浩(東京女子大学)
- 石原 尚、*浅田 稔、*吉川 雄一郎(大阪大学)
- 宇都木 昭(名古屋大学)
- 酒井 弘(早稲田大学)
- 川原 繁人(慶應義塾大学)
(*研究協力者)
Newsお知らせ情報
-
馬塚れい子プロジェクトリーダーが 公益社団法人日本心理学会誌 心理学ワールド107号 「この人をたずねて」コーナーのインタビューを受けました。
詳細を見る -
「高校生大学生向け言語学トークイベントシリーズ 知りたい!ことばのサイエンス—こどものことばの不思議から考える—」が開催されました。
詳細を見る -
「高校生大学生向け言語学トークイベントシリーズ 知りたい!ことばのサイエンス—こどものことばの不思議から考える—」が開催されました。
詳細を見る -
馬塚れい子プロジェクトリーダーと共同研究者 Leher Singh の共著による論文が、2022~2023年の年間引用件数トップ10に入りました。
詳細を見る -
グラスゴー(スコットランド)で行われる国際赤ちゃん学会(ICIS)で、馬塚れい子プロジェクトリーダーが招待講演を行います。開催日時は2024年7月8~11日です。
詳細を見る -
International Congress of Phonetic Sciences (ICPhS) で、プロジェクトリーダー・馬塚れい子がJEWEL Project メンバーとポスター発表をしました。
詳細を見る -
2023年4月より「理研CBS言語発達研究チーム」は「脳発達分子メカニズム研究チーム 言語発達研究班」となりました。引き続きご理解ご協力のほど何卒よろしくお願いいたします。