暑くて水分を摂りすぎたから? 夜トイレに行きたくなって、しっかり眠れない.....そんな症状はありませんか?
しっかり眠れないと、朝起きたとき疲れが残っていて1日中ブルーになることもありますよね。そんな悩ましい夜中のトイレ問題ですが、きちんと原因を把握して、適切にアプローチすることで改善することができます。
眠りを妨げる尿意が起こるメカニズムについてあんしん漢方の山形ゆかりさんにうかがいました。
1. 夜にトイレに行きたくなるのは?夜にトイレに行きたくなる理由は、主に3つあります。(※1)
・多尿と夜間多尿
・膀胱容量の減少
・睡眠障害
それぞれの原因を詳しくみていきましょう。
・多尿と夜間多尿
多尿の場合、尿量が多いため、夜中にもトイレに行かなければいけません。1日の尿量が、体重1kgあたり40mlを超えると多尿と考えられています。多尿の原因はさまざまで、水分の摂りすぎや、糖尿病などの病気によるものなどがあります。
また、夜間のみ尿量が多くなる夜間多尿も夜中にトイレに行きたくなる原因のひとつです。夜間多尿の原因は、寝る前の水分の摂りすぎやホルモンバランスの乱れ、内科の病気などがあります。
・膀胱容量の減少
膀胱は尿をためておく器官です。膀胱の容量が減ってしまうと尿を少ししかためられず、すぐに尿意を感じ、トイレに行きたくなってしまいます。
膀胱容量の減少が原因の場合には、夜だけでなく日中も頻尿になることが多いです。過活動膀胱や間質性膀胱炎のような病気が原因で、膀胱容量が減少してしまうことがあります。
過活動膀胱とは、膀胱に尿が少量しかたまっていないのに、尿意を感じてしまったり、膀胱が勝手に収縮したりしてしまう病気です。過活動膀胱になると、尿意切迫感と呼ばれるトイレに急いで駆け込む症状が起きます。また、脳卒中などの脳や脊髄の病気が原因で起こる場合もあります。
・睡眠障害
尿量や膀胱の問題ではなく、睡眠障害によって夜中にトイレに行きたくなってしまうこともあります。睡眠障害によって眠りが浅くなると、夜中に目が覚めやすくなります。目が覚めたついでに、ついトイレに行ってしまうのです。
2. セルフチェックはできる?
夜中にトイレに行きたくなる原因は複数あるため、適切に対処するには原因をはっきりさせることが大切です。排尿の記録をとることで、セルフチェックできます。
排尿記録は、朝起きてから翌日の朝まで、1日の排尿した時刻と排尿量を日記のように記録するものです。排尿量の記録は、メモリ付コップなどを用いて測定しましょう。
1回の正常な排尿量は、200〜300mlが目安と考えられています。排尿記録をつけた結果、夜間の排尿量が正常だった場合、多尿もしくは夜間多尿による夜間頻尿、正常の排尿量より少ない場合には、膀胱容量の減少による夜間頻尿と考えられます。
排尿記録をとることで、夜中にトイレに行きたくなる原因を絞り込むことができ、適切な対処法を検討できるのです。