「ごんぎつね」の「一」の場面に次にような表現がある。
ここは押さえどころである。スルーしてはいけない。
授業中、「ごんはどんなきつねですか」と発問してノートに書かせた。発表させると、ある子が「ごんは子どものきつねです」と発言した。
これを受けて「小ぎつね=子ぎつね」かどうかを話し合わせた。
子ぎつねと同義が14名、大人が7名と分かれた。
半数以上の子は「子ぎつね」だと思っているらしい。その子たちは「『子ねこ』と言う言葉がある。」「『小さい』きつねだから、まだ大人になっていない」などを理由とした。
大人を主張する子は「子どもなら『子ぎつね』と書くはずだ」「大人でも小さいきつねはいる」「一人ぼっちということは親がいないのだから大人だ」という理由である。
とても面白い話し合いだった。4年生はこの程度の課題については熱心に考えるようだ。
拮抗した話し合いの場合、結論を出すには、だれかが例を出せるとよい。
つまり「小ぎつね」と同じ使い方で「大人」を表す言葉である。
ここは教師の出番である。次のように説明した。
「小人=こびと」という言葉があります。白雪姫には7人の小人が出てきます。子どもですか。 |
「子猫=子どもの猫」「小人=小さい大人」。この例で一件落着である。
※あくまでも「小=こ」と読む場合である。「小人=しょうにん」と読めば「子供」の意味になってしまう。