船岡山は、京都市北区にある標高112メートル(麓から40~45メートル)ほどの小さな丘で、その形が船を伏せたように見えることから「船岡」と呼ばれてきました。平安京へ遷都した第50代・桓武天皇は、船岡山の山頂から山城盆地を見渡し、都を遷すことを決めたと伝わることから「京都始まりの地」とされ、「国見の丘」と呼ばれるとともに、北方守護の神「玄武」が宿るとも伝えられています。
また、11年にも及ぶ長い戦いが繰り広げられた「応仁の乱」では、山名宗全率いる西軍が船岡山に城砦を築いたとも伝えられています。
更に、「本能寺の変」の後、豊臣秀吉が船岡山を織田信長の霊地と定めて以来信長公の大切な地と伝えられていたことから、明治8年に織田信長を祀る建勲神社の社地に選定され、明治13年には社殿が新たに造営されるなど、時代時代でその名を刻んできました。
現在では、山頂から京都の街並みが一望できるとともに、まちなかとは思えない豊かな自然を残し、四季折々に咲く草花や野鳥も訪れることから、気軽なハイキングスポットとして多くの人に愛されています。
そして、周辺の鞍馬口通や新大宮商店街などには、店主のこだわりが詰まったおしゃれなショップやカフェも点在し、船岡山エリアは、今京都で注目を集めるスポットのひとつとなっています。