瑠璃光院と言えば、毎年春と秋の特別拝観の時期には、2~3時間待ちが当たり前の京都でも屈指の混雑スポットです。
ところが今年(2020年)は、コロナウイルス感染対策のため、完全事前予約制になりました。
「行くなら今や!」
ということで、先日念願の瑠璃光院を堪能してきました。
残念ながら紅葉の見ごろには少し早かったのですが、青紅葉と紅葉の対比はとても美しく、十分楽しむことができました。
前置きはこのくらいにして、瑠璃光院の美しい景色を紹介します。
今回もすべての画像をクリックしていただけば、拡大してご覧になれますよ。
叡山電車で八瀬へ
瑠璃光院へは、京阪本線出町柳駅から叡山電車に乗り換えて、終点の八瀬比叡山口で下車します。
八瀬へは、娘の卒園遠足以来ですが、相変わらずアンティーク感満載の駅のたたずまいにほっこりしました。
駅を出ると右斜めにある橋を渡ります。
橋の向こうで鮮やかな紅葉が出迎えてくれました。
橋を渡り、右の道へ。
(左に行くと、叡山ケーブルの駅があります)
木々のいい匂いを感じながら、道なりにゆっくりとしばらく歩くと瑠璃光院です。
見どころいっぱい 瑠璃光院
朝一番(9:30)の予約より30分ほど早く着いたために、まだ誰もいません。
去年までならおそらくすでに長蛇の列になっていたことでしょう。
静かでしっとりとした本来の雰囲気にホッとします。
ふと見ると瑠璃光院の板塀の上から、数輪の花が顔を出しています。
9時30分少し前になると、ご僧侶が門前に立たれてお話をされた後に拝観の受付が始まりました。
山門をくぐると、緑に囲まれた風景に早速ため息。
露に濡れた石段をゆっくりと登ります。
書院の玄関に向かうまでの「山露路(やまろじ)の庭」は、苔と青紅葉、早めの紅葉のグラデーションがきれいです。
途中には茶室喜鶴亭(きかくてい)への門がありますが、そちらからは入れません。
石段を登り切って小さな石橋を渡ると玄関です。
玄関で写経用紙と記念のボールペンなどが入った袋をいただき、二階へ上がります。
あの有名な景色が目の前に…。
書院二階からの景色
手前には真っ黒の写経机が置かれていて、机にカメラを置いてシャッターを切ると、私のような超々素人でもきれいな写真が撮れちゃいます。
私も含め、みなさん小声で「うわぁ~」と言いながら写真を撮っていらっしゃいましたよ。
腕のいい人が撮るともっときれいです。
青々とした紅葉も美しくて、書院のあちらこちらから周囲の風景を眺めることができます。
どこを撮っても絵になる景色ですね。
書院の2階には、だれでも自由に写経ができる場所が用意されています。
この日も数人の方がすでに写経されていました。
書院一階 かま風呂
階段を下りて左に行くと、八瀬名物の「かま風呂」の遺構が見学できます。
中はこんな感じです。
以前は中まで入れたようですが、今はコロナウイルス感染予防のため入れませんでした。
苔が美しい瑠璃の庭と臥龍の庭
書院一階の見どころは、苔に覆われた緑のじゅうたんが美しい「瑠璃の庭」です。
庭に面した黒く艶のある広縁に緑が反射してきれいでした。
ほとんど貸し切りのような美しい景色をしばし堪能。
振り返るとそこにもまた贅沢な風景があります。
どこを見ても絵になる景色ばかりです。
再び座り込んで観賞。
きれいな景色でお腹いっぱいになりました。
出口は、はじめに素通りした茶室の玄関です。
どのお部屋にも係の方やご僧侶がいらっしゃって、丁寧にごあいさつをしてくださいます。
もちろん帰り際にも、静かな声で「どうぞお気を付けて」と。
とても気持ちの良い瑠璃光院でした。
瑠璃光院について
「八瀬」の地は「矢背」とも記され、壬申の乱で矢傷を負われた大海人皇子(天武天皇)が「八瀬のかま風呂」で傷を癒されたと伝わっています。
以降、平安時代のころから貴族や武士たちに愛された「やすらぎ」の郷でした。
明治時代には実業家で政治家の田中源太郎の別荘が建てられました。
別荘内にあった茶室が現存する「喜鶴亭」(三条実美が命名)です。
その後、大正末から昭和の初めにかけて、約12,000坪の敷地にのべ240坪の数奇屋造りの建物に大改築され、それとともに、自然を借景とした名庭も造られました。
名園・名建築として多くの人々に親しまれてきましたが、現在は光明寺京都本院瑠璃光院として新たに歩んでいます。
特別公開は、春と秋のみに行われていますが、毎回混雑必至の場所として知られています。
2021年 秋の特別公開
公開期間 10月1日~12月12日
拝観時間 10時~17時 (10月30日から12月5日までは9時30分~18時)
拝観料 2000円
10月30日(土)から12月5日(日)の期間は、予約が必要です。
必ず事前に予約をしてください。
瑠璃光院主催ではありませんが、夜間のライトアップ拝観も行われています。
でもすぐに満員になってしまいますので、ご予約はお早めに。
アクセス
最寄り駅 叡山電鉄「八瀬比叡山口」
最寄りのバス停 京都バス 「八瀬駅前」
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