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お茶本来の風味を味わうための淹れ方や4つのポイントを紹介

お茶本来の風味を味わうための淹れ方や4つのポイントを紹介

みなさんは普段お茶を飲むとき、「淹れ方」にこだわっていますか?もちろん、沸かしたてのお湯を淹れ、手軽に飲むお茶も美味しいですが、ちょっとした一手間を加えると、お茶本来の味を楽しむことができます。

今回は、お茶の淹れ方について紹介します。前半では一般的なお茶の淹れ方、後半では京はやしやのお茶を美味しく飲む方法について紹介しています
お茶の淹れ方に決まりはありませんが、お茶本来の美味しさに気づいていただくきっかけになれば嬉しいです。

美味しいお茶を淹れるポイント

美味しいお茶を淹れるために抑えておくポイントは大きく4つ。湯の温度・湯の量・茶の量・浸出時間です。
全てのお茶の葉に対して同じレシピでいいというわけではなく、茶葉の種類によって、香りと味が最も引き立つポイントが微妙に異なります。その茶葉の魅力を最大限に引き出すことができれば、いつものお茶がぐっと奥深い味になるでしょう。

4つのポイントを簡単にご紹介していきます。

湯の温度

お湯の温度によって、お茶の味は変わります。お茶の味を左右する成分は大きく3つ。甘味や旨味の元となるアミノ酸、渋みの元となるカテキン、苦味の元となるカフェインです。

アミノ酸は水に溶けやすいとされ、ぬるめの湯でも溶けます。50℃くらいからお湯に溶け出しはじめ、渋みや苦味を左右するカテキンやカフェインは約80℃で抽出されます。
よって、低めの温度で淹れると旨味だけを抽出し、苦味と渋みが出ていないお茶を楽しめます。

逆に、高い温度で淹れると苦味までしっかり抽出された、コクのあるお茶になります。
お湯の温度調整をする時は、沸騰したお湯を1〜2分放置して冷ますか、湯冷ましに3〜5回移し替えて温度を下げてください。

お湯の量

茶葉の種類や味の好みにもよりますが、1人分の煎茶の場合、お湯の量は70cc〜90ccくらいが目安になります。玉露は煎茶より少量のお湯で抽出することが多く、20〜25ccくらいで淹れることもあります。
湯量が少ないことでコクのある甘味とトロッとした質感を感じることができますよ。

ほうじ茶の場合はお湯を少し多めに注ぎ、爽やかな香りとさらっとした喉越しを楽しんでみてください。

複数人の茶碗に注ぐ際には、「廻し注ぎ」といって、数回に分けて順番に淹れるのがおすすめです。これにより茶碗の中のお茶の濃度と湯量が均一になります。
また最後の1滴まで注ぎ切ることを忘れずに。最後まで注ぎ切ることでお茶の味のバランスが取れるといわれています。

茶葉の量

お茶1杯に使用する茶葉の量は約3〜5gです。最初は3gからはじめて、好みの量に調整していくのもいいと思います。
二煎目、三煎目以降も楽しみたい場合は少し多めに5gほど使うと味が薄くならずしっかりしたお茶を味わえます。

また、複数人分まとめて淹れる時は一人分を2g程度に減らしても大丈夫です。

浸出時間

一般的な煎茶の抽出時間は60秒ほどといわれています。時間も大切ですが急須の中で茶葉がお湯に浸っており、きちんと開いているか確認することがポイントになります。

ほうじ茶は煎茶より短く30秒ほどの浸出時間でしっかりと味が出るので、蒸らしすぎないように気をつけて好みの味を探してみてください。2煎目以降はすでに茶葉が開いているので、お湯を注いで20秒ほどで楽しめます。

種類別 お茶の淹れ方

煎茶

01. お湯を用意する

まずは沸騰させたお湯を茶碗に注ぎ、お湯を冷まします。1度茶碗にお湯を移し替えることでお湯の温度は5〜10℃下がると言われています。煎茶に適した湯温70℃〜80℃になるまで2〜3回茶碗から移し替えて冷ましましょう。
湯の量は茶碗1杯でおよそ、70〜80mlになります。

02. 急須に茶葉を入れる

茶葉は、1人あたり2〜3gを目安に入れてください。スプーンで茶葉を掬い取る際には、折れないように優しくスプーンに乗せてください。
もしくは茶筒自体を斜めにして軽く振り、スプーンで受けるようにするのもおすすめです。

03. 急須にお湯を注ぐ

適温になったお湯を急須に注ぎ、1〜2分ほど蒸らします。急須の中の茶葉が開いてきたら飲み頃です。茶碗へはそっと丁寧に注いで、煎茶の味と香りをゆっくりと楽しんでください。

04. 二煎目、三煎目も楽しむ

お茶は、一度淹れたら終わりではなく、二煎目、三煎目と楽しむことができます。飲むごとに変化する風味もぜひ味わってみてください。
二煎目は、一煎目よりやや高い湯温で、浸出時間は一煎目の半分くらいで淹れましょう。

玉露

01. お湯を用意する

玉露は煎茶とは異なり、50〜60℃くらいの温度でゆっくりと淹れると旨味が引き出せます。沸騰させたお湯を何度か茶碗に移し、熱を冷まします。

02. 急須に茶葉を入れお湯を注ぐ

玉露の茶葉は1人あたり5〜6gとやや多めに用意します。(3人分で10gが理想とされています。)
ティースプーンで優しく掬って急須に入れたら、50℃に冷ましたお湯を注ぎます。味にムラが出ないよう、お湯は素早く入れるのがポイントです。湯の量は20〜25mlくらいです。

03. しっかりと蒸らす

2分〜2分半ほど茶葉を蒸らします。低い湯温と長めの蒸らし時間で、旨味成分であるアミノ酸を引き出すことができるためです。
急須の中の茶葉が開いてきたら飲み頃です。濃厚な玉露の旨味と舌触りを楽しんでください。

04. 二煎目、三煎目も楽しむ

二煎目も湯冷ましをし、一煎目よりもやや高めの湯温で、浸出時間を半分にしましょう。
玉露は、一煎目では旨味を、二煎目以降では軽い渋みを感じることができ、1種類で2度楽しめるお茶といえるでしょう。

ほうじ茶

01. 急須に茶葉を入れる

温めた急須に茶葉を3g入れます。小さじ山盛り1杯くらいが目安です。

02. 急須にお湯を注ぐ

沸騰させたお湯を急須に注ぎます。ほうじ茶の場合は湯冷しは必要ないので、熱湯のまま注いでください。

03. 蒸らす

ほうじ茶の成分を浸出させるため、ふたをして約30秒蒸らします。香ばしくすっきりとした味わいになります。渋めがお好みの方は、45秒ほど蒸らしてしっかりと味を出すのもおすすめです。

04. 二煎目、三煎目も楽しむ

二煎目以降は、茶葉に一気にお湯を廻し注いで均一に浸透させて抽出してください。

番外編:水出し(煎茶)

01. 水出し用ボトルを用意する

水出しを作る際にはつけ置き用のボトルが必要になります。今回は380ccの茶漉し付きボトルを例にしてご紹介します。

02. ボトルに茶葉を入れる

茶漉し部分に茶葉を入れます。冷水でゆっくりと味を出すため、茶葉はお湯で入れる際よりも多めに8gほど用意してください。茶葉がセットできたらゆっくりとお水を注ぎます。
使用するお水は沸騰させたお湯を冷ましたものや、浄水機を通したものがいいでしょう。

03. 冷蔵庫で一晩冷やす

冷蔵庫で8〜12時間冷やします。前日の寝る前に作っておくと、翌朝美味しいお茶が仕上がっています。1、2回ゆっくりと混ぜて濃度を均一にしてからグラスなどに注いで楽しんでください。
市販のお茶のように防腐剤が入っていないので、1日で飲み切るようにしてください。

京はやしやのお茶を美味しく飲む

京はやしでは、お茶の淹れ方に堅苦しい決まりはないと考えています。ご自身の好みや生活に合わせ、自分にぴったりの1杯を淹れることがお茶を楽しむ醍醐味だと考えるからです。

ここでは、当店のお茶をより楽しんでいただくための、おすすめの淹れ方を紹介します。
もちろん今回紹介した方法だけが正解というわけではありません。
もし淹れ方に迷ったり、お茶屋さんのやり方を知った上で自分流に調整してみたいという方の参考になれば幸いです。

爽奏緑茶

01. 湯冷まししたお湯を用意する

お湯を沸かしたら、湯呑みにお湯を入れて、少し冷ましましょう。
温度は75℃くらいがおすすめ。10数秒経ち、湯気がすこし落ち着いてきたくらいが頃合いです。

02. 急須に茶葉を入れる

急須に茶葉を4g入れましょう。小さじおよそ2杯分くらいです。

03. 急須に湯冷まししたお湯を注ぎ、蒸らす

湯冷まししたお湯を、急須に注ぎます。
注いだ後は、1分間蒸らしましょう。茶葉が開いたら、飲み頃です!

04. ゆっくりと湯呑みに注ぐ

蒸らし終わったら、湯呑みにお湯を注ぎます。勢いよく注がずに、ゆっくり丁寧に注ぎましょう。
爽奏緑茶のすっきりとした香りをお楽しみください。

04. 二煎目、三煎目も楽しむ

爽奏緑茶は、二煎目、三煎目も楽しめます。
二煎目以降は湯冷ましはせず、熱々のお湯を急須に注いでください。
お湯を注いだら、30秒蒸らし、ゆっくり湯呑みに注いでください。

爽奏緑茶について

朝かおり

01. 急須と湯呑みを温める

朝かおりを入れる前に、茶器(急須と湯呑み)にお湯を少し入れ、温めます。
茶器が温まったら、お湯を捨てましょう。

02. 急須に茶葉を入れる

温まった急須に、朝かおりの茶葉を3g入れます。
小さじ山盛り1杯分くらいが目安です。

03. 熱湯を注ぐ

熱々の熱湯を、100cc注きましょう。およそ湯呑み1杯分の量になります。

04. 30秒蒸らす

熱湯を注いだ後は、蓋をして30秒蒸らしましょう。すっきりした味わいに仕上がります。
渋めの味を楽しみたい場合は、45秒がおすすめです。

05. 湯呑みに一気に注ぐ

蒸らし終わったら、湯呑みに一気にお茶を注ぎましょう。
二煎目、三煎目も同じ淹れ方で、美味しく飲めます。

朝かおりについて

まとめ

いかがでしたか。今回は種類別に美味しいお茶の淹れ方がご紹介しました。
毎日飲んでいるお茶ですが、何気なく淹れていらっしゃる人も多いかと思います。ぜひ一度、今回の方法を参考にして入れてみてください。

茶葉ごとに温度や量を変えるだけでこんなにも味が変わるのかと、驚いていただけるかもしれません。毎日のお茶が楽しくなるような感動を味わっていただけると嬉しいです。

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