企画展「野口雨情展~直筆で見る詩人の旅心~」開催。
5月17日(火)より、「野口雨情展~直筆で見る詩人の旅心~」を開催します。
野口雨情(のぐちうじょう 明治15年5月29日~昭和20年1月27日)は、北原白秋、西條八十とともに「童謡界の三大詩人」と謳われました。明治35年、詩壇に登場して詩作活動を始めた雨情は、大正8年より児童雑誌に童謡作品を発表し、「七つの子」、「赤い靴」、「シャボン玉」など、数多くの名作を生みだしました。また、童謡とともに盛んになった「新民謡」(創作民謡)にも力を注ぎ、全国各地へ童謡・民謡普及のための講演行脚を行いました。その活動は国内に留まらず、朝鮮、満州にまで及びました。久留島武彦とは、大正12(1923)年2月25日、児童音楽普及のために「児童音楽研究会」を組織して共に活動しました。
『野口雨情定本』によると、雨情が大分を詠んだ詩(うた)は66作、九州を詠んだ詩は288作あります。また、朝鮮を詠んだ詩は324作もあり、その中でも慶州を詠んだ詩は10作もあります。これだけたくさんの詩を詠んでいるのに、直筆による詩の原本を見る機会は殆どありませんでした。特に異国の地、韓国の慶州を詠んだ詩は、入手が困難なこともあり今まで原本が公開されたことはありませんでした。
今回、久留島武彦記念館第19回企画展として開催される「野口雨情展」では、大分県日田市を詠んだ「日田歌謡十二章」として知られる作品の直筆の掛軸をはじめ、それらと同時期に詠まれた未発表の作品を初公開します。そして、大分県と共に「東アジア文化都市2022」の開催地として選ばれた、韓国の慶州で詠んだ作品も初公開いたします。皆さまのご来館を、心よりお待ちしています。