トヨタが「超スゴいハイエース」実車公開! ホワイト&ブルーボディに「画期的システム」搭載!? 「H2×HEV」仕様とは
今後、ハイエースが進化していくうえで、重要な水素技術を搭載するモデルが公開されました。どのような仕様なのでしょうか。
トヨタがスゴいハイエースを実車公開! どんな技術が採用されているの?
2024年11月16日にトヨタは従来の「ハイエース」とは違う新たな技術を搭載した「ハイエース」を公開しました。
今後、ハイエースが進化していくうえで、重要な技術となりそうです。
2021年からS耐のST-Qクラスに初参戦した水素エンジン搭載のGRカローラ。
その後も進化の手は止まることはありませんが、その裏では実用化に向けた実証実験も並行して行なわれています。
筆者は2023年6月にトヨタが行なったテクニカルワークショップで水素エンジン搭載したレクサスLXに試乗した事があります。
ただ、このエンジンはGRカローラに搭載される直列3気筒ターボ(G16E-GTS)ではなく、V6-3.5Lツインターボ(V35A-FTS)をべースに水素噴射インジェクターなどを装着。出力は120kW(163.2ps)となっています。
排気量を上げた理由は、水素エンジンの強みである「リーンバーン燃焼」を幅広い領域で行なうためです。これはマツダの直6ディーゼルと似た思想のようです。
この水素エンジンは同年11月にグローバルハイエースに搭載してオーストラリアの公道で走行テストを実施。
水素タンクは床下し、ラゲッジスペースは通常の内燃機関モデルとほぼ変わらず(乗用仕様のため12人乗り)。
リアルワールドでの商用利用としての実用性、運転操作性、耐久性などを進めて、実用化に向けた検証が行なわれてきました。
実際に使った人のフィードバックは「動力性能に関しては十分なレベルにあるが、やはり航続距離はもっと欲しい」との事。
ちなみに水素エンジン搭載のグローバルハイエースの航続距離は約200kmです。
当然水素タンクを増やせば航続距離を伸ばすことは可能ですが、ハイエースは商用車のため積載重量や乗車定員を犠牲にしては実用化を考えるとダメです。
そこでこのようなアイデアが生まれました。
それはプリウスと同じ事、つまり「内燃機関+モーター」の水素版にすることでした。
現在トヨタには様々なハイブリッドシステムがラインアップされていますが、その中で選択されたのはシリーズパラレル式のTHSII(マルチステージハイブリッド)でした。
具体的には水素エンジン化されたV35A-FTS(120kW)の後ろにFR系のマルチステージハイブリッド(THSIIと4速ATを組み合わせたシステム)を搭載。
モーター出力は132kWとなっています。これによって航続距離は25%アップとなる250km、走行性能は加速応答が25%アップを実現しています。
ただ、現状はバッテリーの搭載位置が無く暫定的に助手席位置に装着しているため、乗車定員は1名減り11名(=積載性は若干犠牲になっている)となっています。
今回、その水素エンジンハイブリッドを搭載したグローバルハイエースに特別に試乗することができました。
ちなみに車両が完成したのは1か月前、関係者の中でも一部の人しか試乗できていないタイミングで、第三者に試乗させるトヨタの姿勢も驚きです。
まずは比較用の水素エンジンのみのグローバルハイエースに試乗をします。
アクセルを踏んでから「ヨッコラショ」とワンテンポ遅れてと発進。
水素エンジンは燃焼が速いのでレスポンスが良いのが特徴ですが、このエンジンはリンバーン燃焼を実現させるためにはたくさんの空気を取り込む必要から大きなタービンを使っています。
その弊害でアクセルを踏んでからの応答をしない間が大きい(体感的には約0.5-1秒くらい)のです。
イメージ的には初期のターボのように途中からドーンとトルクが立ち上がる印象が似ている感じです。
ただ、過給が始まる2500-3000rpmくらいから大柄かつ重いグローバルハイエースながらも「おーっ、力強い」と感じさせる加速力を見せてくれます。
個人的には全域でトロいガソリン/ディーゼルのハイエースよりも不満はありませんが、商用で使う事を考えると、このドライバビリティは課題だと思います。
試しに最後列のシートに同乗してみましたが、加速の度に前後方向に揺れてしまうため、乗員だとクルマ酔い、荷物だと荷崩れの恐れが大きいだろうと予想。
また、官能面では高回転までストレスなく回るものの、どことなく粒が揃っていないザラつきのある回転フィールはマルチシリンダーであることを考えると気になりました。
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