2022年7月26日、カナダの装甲車両メーカー「INKAS Armored Vehicle Manufacturing(以下INKAS)」は、防弾化や豪華内装化を施したキャデラック「エスカレード」、「アーマード キャデラック・エスカレード“チェアマン”VIPエディション」を発表しました。

　全長5.7mを超え、爆破にも銃弾にも耐えるこの異様なクルマに対し、SNSなどでは大きな反響を呼んでいます。

　キャデラック「エスカレード」は、ゼネラルモーターズ（GM）の高級SUV。現行モデルは2020年11月より日本にも導入され、消費税込み価格で1555万円から1595万円で販売されています。

　そんなエスカレードを超豪華な装甲仕様に仕立てたのはINKAS社。同社は、高級装甲セダン・SUV、現金輸送車、戦術装甲車など、さまざまな装甲車の設計と生産を専門とするカナダのメーカーです。

　今回INKASがキャデラックをベースに改造を施した「アーマード キャデラック・エスカレード“チェアマン”VIPエディション」のボディサイズは、全長5766mmx全幅2060mmx全高2068mm。通常のエスカレードと比較してキャビンの高さが5インチ（約127mm）高くなっており、広々とした室内空間を実現。広くなった後部キャビンは、温度調節やマッサージシステムを内蔵したキャプテンシートや自然光を模した革新的な天井のライティング、電動折りたたみテーブルやジャンプシートなどが装備されており、豪華な応接室のような内装になっています。

　このクルマには防弾ガラスやさまざまなプロテクション、ドアヒンジなどの強化、強化サスペンションへの換装など様々な改造がおこなわれており、その乗員保護レベルは、ヨーロッパの装甲車基準CEN 1063のBR6レベルになっています。

　アサルトライフルの7.62 mm弾丸と車両下に仕掛けられた2個の手榴弾から乗員を守る事ができるとのことですが、そんな装甲仕様モデルに対し、SNSなどではどのような反響が集まっているのでしょうか。

　もっとも多く見られるのは「アメリカの大統領専用車『the beast』のようだ」や「『the beast』の民間版か」という意見です。the beastもこのクルマと同様キャデラックブランドでかつ装甲仕様のクルマであるため、類似性を感じているようです。

　　また「大迫力！カッコイイ！」「欲しいけど自分で運転するクルマじゃない」「実物が見たい！」など好印象なコメントが見られます。

　一方で「このクルマで事故った時の相手への加害度が気になる」といった、頑丈すぎるクルマに対する疑問も出てきています。

　さらに「撃たれるかもしれない、爆破されるかもしれないそんな環境は嫌」「こんなクルマを買わないとイケないくらい誰かから恨みを買ってるって事」といった、民間用の装甲仕様車に乗らなければならない「オーナー」に対する疑問符を唱える声も聞こえてきます。

　なかには「外装は頑丈だけど、セキュリティは大丈夫なのだろうか。盗まれるという事は侵入して内部に細工をされる可能性もあるけど」といったメーカー側の解答が気になるユニークな意見もありました。

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　INKASによるとこのクルマは、世界中の主要な港への配送および特別なリクエストに応じた空輸が可能。アーマード キャデラック・エスカレード“チェアマン”VIPエディションは、特注品であり価格は公表されていませんが、公式サイトより見積もりを要望することが可能です。