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2012年 10月 03日
を、在宅でやってます。
「校正とか校閲とかって、机の前に座ったっきりで、赤ペン1本ありゃできるんでしょ」 とかっつう認識の奥さんがいまだにおられるんですがちょっとそこ正座してくれ。 自分が請け負うお仕事は、「赤字照合+素読み+事実確認」の3点セットであることが多い。そのうち赤字照合と素読みはおうちで、机の前に座ったっきりでできますが、「事実確認」はそうはまいりません。 「事実確認」とはなにか。 文字どおり、著者先生がお書きになっていることが事実であるかどうかを調べ確認すること、です。 手持ちの事典・辞書類やネットだけで調べがつく場合はおうち作業で済みますが、他書からの引用がある場合は、原典と一致しているかを確認しに図書館に行きます。 ゲラをいただくと最初にするのはノンブルや柱や見出しのチェックです。 次いで、原稿(もしくは初校など)の赤字がゲラに反映されているかどうかを確認します。 そして、他の著作物からの引用がある箇所を探し、付箋を立てます。 最寄りの図書館のHPで蔵書検索して、書籍タイトル・所蔵館・収蔵場所(階数、開架か書庫か、など)・ラベル記号・書誌番号(書庫資料を出庫してもらうときに必要)をリストアップします。だいたいここまでが1日目の作業。 リストアップを素読みに先んじてするのは、蔵書があっても貸し出されてしまう場合もあるからで、なんかちょっとやばそうだなと思ったら(そのへんは野性の勘)先に予約をしてしまいます。 最寄り図書館になくて市内の他の図書館にある場合は、最寄り図書館で閲覧できるようにお取り寄せ予約をお願いするか、蔵書のある図書館までてくてくと出向きます。 めあての本が無かったり、貸出中だったりした場合は、納品時に「本が入手できなかったため事実確認ができませんでした」とご報告します。ほんとうにきっちりなにもかも全部綿密に調べるんだったら国会図書館まで行け、ということになりますが、事実確認に対して校正者に支払われる時給には上限がある。 「○時間内で調べられる範囲で結構です」とか、「○時間を大幅にこえるようでしたらご一報下さい」とか、依頼時にいわれたりします。 つまり、そこまでクソ丁寧にじっくり時間(=時給)かけていただかないほうがありがたい、ということです。そういう場合はご指定の時間内で、できるだけの成果を上げるように努力します。 調べものをするときは、開館時間から閉館時間までを(ひるめしは抜きだったりバランスアップ的なもので補給したりして)図書館のなかで過ごします。 中学・高校と図書委員を務め、いっそ図書館に棲みたいと思い詰めるくらい図書館だいすきな自分なので、図書館という場所に一日いられるだけで楽しく幸せなのですが、「調べもの」が加わると楽しく幸せなばかりでもおられません。 先日は、「1970年代から2000年代にわたって発行された6紙(五大紙+東京新聞)のなかから著者先生が引用された箇所を見つけ出し、突き合わせをする」という作業をやっていました。 新聞の縮刷版というのは、1年分を1冊に文字通りぎうっと縮刷してるんで、文字がちっちゃくみっしり詰まっていて読みづらく、引用されてるくだりを探しだすだけでも大変です。 だがそれ以前になにしろ重い。 ぎうっとしてるから。 新聞1部は軽いです。しかしその軽い1部が1年分まとまった縮刷版は、江戸時代の拷問・石抱の石1枚にも匹敵するかっつう重さ。ぎざぎざの木の板に座らされて新聞縮刷版4冊足の上にのせられて「きりきり白状してしまえー」といわれたら、たまらず吐いてしまいます旦那。 自分の場合、すごくがんばってもいっぺんに4冊(4年分)しか持てません。 縮刷版がある書架からいちばん近い閲覧席をキープし、書架と席を往復して(何度往復したかはもはや記憶に無い)、極小の活字を追う。 まだ縮刷版になってなくて、でも既に書架から撤去されている新聞は、書庫から出してきてもらいます。その場合、「2012年○月○日の東京新聞の朝刊を出してください」というピンポイントな出庫指定はできない。「2012年○月1ヵ月分の朝夕刊」というまとまりで出していただくしか無い。ビニール紐で括られた1ヵ月分の新聞紙がこれでもかと出ます。必要なのはそのなかの1日の号のたった数行であったとしても、有無をも言わさず全部出ます。 まのあたりにすると絶望してちょっと意識を失いかける。 出してくださる図書館員さんも大変だったでしょうお疲れさまですありがとうございますと感謝しつつ、それ10束ぐらいワゴンにのっけて(総重量何キロとかもはや考えたくない)、閲覧席まで力いっぱい押していきます。 紐をほどき、目的の号を抜き出し、該当する記事の引用部分を探しだし、突き合わせをし、必要な場合はコピーを取り、再びもとどおりの位置に入れ、紐で括る。 まる一日新聞と格闘し、閉館時刻になるころには手も足も腰もがたがた。新聞のインキで手をまっくろにして、おなかぺこぺこで、とぼとぼと家路に就きます。 時まさに灯点し頃。行きつけの図書館から駅までは野毛の飲み屋街。ステキなバーや居酒屋が軒を連ねています。ああいっぱいひっかけていきてえなあともりもり思う。でも事実確認の成果をまとめ直して納品の準備をしなきゃなんないので、目をつぶって駅へと急ぎます。 「机の前に座ったっきりで、赤ペン1本ありゃできるんでしょ」どころじゃねえんだよということが、そこの奥さんにもご理解いただけたでしょうか。 人間ひとりひとりがみなちがうように、在宅労働者の人生もいろいろ、お仕事もいろいろなんでございますよ。
by red_95_virgo
| 2012-10-03 23:44
| works
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Comments(10)
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“赤ペン”言うと、にっぺんのミコちゃんでしたっけ?
よく、りぼんの背表紙に載ってて、それ思い出します(笑) あ!今は、シンケンゼミか!?(爆) って!そんなことよりも! レッドさん、か~なりハードな肉体労働してるんですね!? その上、頭の方もフル回転させてるわけでしょ? 読んでるだけなのに、気が遠くなりそうでした^^; もちろん、赤ペン1本だけあれば~、なんて、思ってはいませんでしたがw、下調べ(裏づけ)もあるなんて…けど、考えれば、そーいうことなんですよね…そこまで思いもよらないで、なんか、すみませんって気持ちですf(^^; 斉藤さんが、“自分の仕事が1番辛いと思う奴にはならない”と 歌ってて、そうありたいと思いながらも、すぐに、忘れて弱音を吐いてしまうのよね。 世の中には、自分の知らないことだらけってこと、思い知らされました。 これからは、肝に銘じます、自分の狭い了見だけで、世の中を見るんじゃないって!(苦笑) 気づかせてくれて、ありがとうです(^^ゞ
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初めましてだと思います。以前からよく読ませていただいていました。
私、公共図書館で司書をしているのですが、たまに昔の新聞を閲覧したい、しかも何年分も、大量に・・・という方がいらっしゃって、何を調べていらっしゃるのか不思議に思っていたのですが、なるほど、図書館はいろんなお仕事をされている方に、需要があるもんなんだなあ・・・と、気づかされました。 ところで、五大新聞ですと、新聞データベースで調べるわけにはいかないんですか?今、大きな図書館にはたいがい、何らかのデータベースはあると思うので、キーワード検索すれば簡単に該当箇所が探せますし、印刷もできます。東京新聞は、データベースないかもしれませんが。最寄りの図書館であの重たーい縮刷版を何冊も見るより、少し遠くても、データベースが揃っている大きい図書館に行って調べるほうが、早いかも・・と思いました。全然、とんちんかんなことを言っていたらすみません。 ![]()
ああ・・・若い頃にはちょいと憧れたお仕事でしたが・・・
頭悪くてなれなくて良かったと、心から思いました。 本当に楽な仕事なんて、基本存在しないって事ですね。 あ!?でも「机の前に座ったっきりで、赤ペン1本ありゃできるんでしょ」な仕事、 昔、子供が小さい頃やってました(汗)。 大手予備校の大学入試模試の採点つけでした。 大学で助手してたゼミの教授から、紹介されたバイトでしたが、 非常に高級でホイホイでした。ただ私のいい加減な採点で、 志望校変えた子もいたかも・・・と今になって罪悪感が・・・(笑) 図書館・・・私も子供の頃大好きで、小学校の図書館の本を片っ端から借りて読んでたら、 親が呼び出され、こんなに本が読める筈無いので、本はちゃんと読むようにしつけて下さいと怒られました。 まあ今ならそんな事言ったら総スカンですが、まだ先生や学校の権威の高い時代で、 まさか本を読み過ぎて叱られるとは・・・な娘でした(笑)。 校正とか校閲とかのお仕事の本当の大変さを垣間見させて頂き、 改めてレッド様に対する尊敬の念が深くなりました。 はぁぁぁぁ・・・ためいき。
>パブロ・あいまーるさん
日ペンのミコちゃん@りぼん、なつかしいー! 自分は、「いまやるべき仕事が目の前にある」という状況にいられるだけで随分恵まれていると思ってます。 誰からも必要とされていないのかもしれないなあ、とへこんでいたとき、目の前にあった仕事だけが熱烈に私を(私だけを)求めているような気がして、気持ちが楽になったことも多々。締切きつかったり肉体労働だったり(笑)そのわりにギャラ激安だったりするけど、やめたり投げ出したりできないのはその「求められてる感」によるところが大きいんだろうなあと。 しかし斉藤さんは良いこと言うなあ。 私も世の中知らないことだらけで、知らないことのほうが知ってることより断然多いんですけど、だからこそそんなもの知らずの物差しだけで測って勝手に納得してしまうというのがもっとも怖い。いろいろな人生、いろいろなお仕事に思い馳せる想像力は鈍らせたくないなあと思います。
>まりまりさん
はじめましてだと思います。コメントありがとうございます! 司書さんですか、素敵! 図書館に棲みたい自分には憧れのお仕事でした。司書は無理でも時間が許せば書架整理のボランティアやってみたいなあ、といつも指くわえてます(笑)。 新聞データベースの件、ご指摘の通りかと思います。 行きつけの図書館にも朝日・読売・日経あたりはあるんですが、閲覧のみ、プリントアウト不可でして。 都内まで足を伸ばせばプリントアウト可のところもありますが、「利用時間は1回30分まで」という制限が設けられている上、プリントアウトに1回25円かかってしまいます。 「。」や「、」が1ヵ所脱けているだけでも原典の該当部分のコピーを添付して該当箇所を指摘しなければならないため、ちょっとそれでは対応しきれません。 記事にも書きましたが、経費の関係で調べ物にかけられる時間が限られ、かつ図書館までの交通費とコピー代は自腹なもんで、いろんなことを天秤にかけるとなるたけ家から近いところでのアナログ肉体労働にならざるを得ないという……。もうちょっと効率の良い方法もきっとあると思うんですけどね。 精進いたします! そしてこれからもお世話になります(笑)。
>usakoさん
いやー、こんな仕事に憧れてくださったなんて……なんだかすみません。 自分は逆にusakoさんのように植物を育てたり綺麗なものを創り出す才能が無いので、そっちに憧れてばかりです(笑)。 私も小学校のちっちゃい図書室の蔵書すべて読み倒した子どもでした。 めぐりめぐっていま、大好きだったその「本」を作る末端のところで仕事をさせていただいているというのが不思議ですし、嬉しくもあります。 この仕事はバイト先でやらされて「あら。適性あるかも」と気づき。 「自分みたいな社会不適応人間は会社員向きじゃないんだから手に職だ!」と思って20代半ばから目指したんですが、それゆえあんまり夢は持っていませんでした。 熱しやすく冷めやすいたちなので、他にももっと素敵なお仕事があるんじゃないかしらと幻想を抱いたり、ハードなわりには率の悪いこんな仕事いつだってやめてやらあ!と思ったりしてたんですが、なんだかんだで一生ものになりそうです。 ほんと、人生いろいろ。おもしろいものです(笑)。 ![]()
薄々は思っていたのですがやはり校正のお仕事でしたか。私も本が好きでミチミチと細かいことをするのが好きで、やはり「自分みたいな社会不適応人間は会社員向きじゃないんだから手に職だ!」というのがあり(笑)学生の頃憧れました!
で、結局、図書館の司書免許をとり、雑誌編集の学校に行き(ここでちょっと校正かじりました)、最終的に全然違う仕事をしています(笑 なので校正さんも司書さんもやっぱり憧れのお仕事です。かなりハードなお仕事ですが頑張って下さい! ![]() ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
>シベリア728さん
どうもありがとうございます! しかし、なぜ、校正者に憧れるひとが多いのでしょう(笑)。 やっぱりアナログ肉体労働含むにせよ基本的に「おうちでできる」というあたりが魅力なのでしょうか。 でも、ほんとギャラ安いんですよ。私は校正とテープ起こしの二足の草鞋なのでなんとか食えていますが、校正のみでの自活は厳しいです。 でもそういう、ちょっと貧乏だったり偏屈だったり孤独だったりするイメージがある種萌えどころなのかなあ校正者の……とか勝手にウットリしていたり(笑)。
>[2012年10月5日 21時40分]さま
ううう、ご親切にありがとうございます……。 そんなに融通がきく素敵図書館もあるなんて……。 ひとくちに図書館といっても、自治体によっては随分と違いがあるものなんですね。新幹線代出してもらえるんなら通いたいです! ついでに観光もできるし!(おい 大阪といえば府立中之島図書館。 重厚で素晴らしい建築ですね。 入ったことないんですが、中之島を歩くときにはかならず近くまで参ります。ウットリです……。
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