【様似町】素敵な走行環境に惹かれて日高へ移住!ジェイ・アール北海道バス | 北海道の人、暮らし、仕事。 くらしごと

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素敵な走行環境に惹かれて日高へ移住!ジェイ・アール北海道バス

約80年に渡って、日高エリアの暮らしや物流を支えてきたJR日高本線。そのうち、鵡川(むかわ)~様似(さまに)の間が令和3年に廃線となり、もう3年になります。その鉄路に代わり、人々の足となっているのがバスです。そのバスを運行しているのは、ジェイ・アール北海道バスと道南バスの2社。そのうち、日高管内の東側を主に担っているジェイ・アール北海道バスの様似営業所に今回はおじゃましました。実は、同営業所に勤務するバス乗務員のうち、なんと5人が道外からの移住者!どうして移住を考えたのか、実際に様似で働いてみてどうなのかなどなど、気になることを乗務員の方に直撃しました。また、同営業所のことや様似の暮らしについて、営業所長や町役場の方にお話を伺いました。

北海道外からの「移住ドライバー」が多数活躍中

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太平洋に面し、背面には日高山脈、アポイ岳を有する様似町は、町全体がユネスコ世界ジオパークに認定されています。人口は約3,800人と決して大きな町ではありませんが、豊かな自然に恵まれたJR日高本線の終着駅として知られてきました。えりも岬へ向かう観光客や登山愛好家などが多く訪れます。今年5月には、様似町を含む13市町村にまたがる「日高山脈襟裳十勝国立公園」が誕生し、このエリアを訪れるアウトドアファンが増えるのではないかと言われています。

JRbus_takayamasan122.jpg様似営業所 所長の高山さん。昨年転勤してきた様似町での暮らしが気に入っていると笑います

そんな様似町に営業所を構え、日高エリアに暮らす人々の足となるバスを運行しているのがジェイ・アール北海道バスです。「現在、様似営業所には29名の乗務員が勤務し、22台のバスを保有。運行は1日19行路です」と話すのは、営業所所長の高山禄英さん。様似営業所では、静内から広尾町までを走る路線バス、苫小牧・札幌とえりも町または広尾町までを結ぶ都市間バスを運行しています。最近は、苫小牧から帯広や襟裳岬へ行くためにバスを利用する観光客も多くいるのだとか。

「29名の乗務員のうち、5名が道外出身者なんですよ」と教えてくれた高山所長、ご自身も愛知県出身なのだそう。北海道へ憧れて移住し、20年ほど前にジェイ・アール北海道バスに転職したといいます。長く札幌で勤務していましたが、昨年転勤で様似へ。

「日高エリアははとても住みやすくて、いいところですね。私自身、都会から少し離れたところに暮らしたいと思って、札幌勤務のときも石狩に住んでいたくらいなので、ここは快適です」

道外から移住してきた乗務員の方たちは、皆さんドライバー経験者とのこと。北海道の自然豊かな場所での暮らしに憧れ、移住先を探す際、経験を生かせる仕事を求め日高へたどり着いた人が大半。

「これまではたまたま大型車両のドライバー経験者ばかりでしたが、今後は未経験でもこちらに移住して働きたいという方を受け入れられるようにと考えています。札幌では大型二種免許の取得も含め、未経験者向けの養成制度を実施しているので、様似営業所でもいい形で未経験者を採用できるよう考えていきたいですね」

実は、道外にいる移住希望者向けに作られた様似営業所の乗務員募集の動画がYouTubeにアップされています。これは、2年前に東京から様似へ移住してきた乗務員の発案で作られたもの。日々の業務や車窓からの眺めのほか、様似での暮らしや休日の過ごし方など、魅力的な内容が詰まっています。

京都出身の若き乗務員。走行環境、年収、暮らしなどトータルで検討して移住を決心

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さて、ここからは5人いる道外からの移住者の中でも一番の若手にお話を伺いたいと思います。登場していただくのは野村健人さん、京都出身の25歳です。ちょうど1年前の8月に入社しました。

「子どものころから車や乗り物が好きで、将来は車関係の仕事に就きたいと思っていたので、高校を卒業後、京都のバス会社で働いていました。いろいろな方が利用する路線バスではなく、スクールバスやホテルの送迎などを請け負うバス会社でドライバーをしていました」

6年ほどそこに勤務し、転職を考えはじめていた野村さん。西日本ジェイアールバスに務めている友人がいたこともあり、JRグループが載っている求人サイトなどをチェックする中で、他の地域のJRバスの求人にも目を通していたそう。

「そこで様似営業所の求人を見つけて、『あ、いいかも』って思ったんですよね。走行環境がいいですって書いてあったところに惹かれたのと、小さな町の営業所でもJR北海道グループだから、福利厚生などもきちんとしてると思って」

北海道には縁もゆかりもないけれど、バス乗務員として気持ちよく走ることができる環境に興味が湧いたといいます。とはいえ、暮らしていくためには生活環境や年収など、現実的な部分も検討する必要があります。

「採用前に様似町を訪れて、生活環境もチェックしました。コンビニもあるし、銀行やホームセンターもあるし、自分が暮らすのに問題はないなと思ったので、そこは難なくクリア。年収に関しても、京都にいたときより少し下がるかなという感じでしたが、実質それほど変わらないので心配はありませんでした」

様似町へ移住することに関して、家族や周りの人からは「思い切ったね」と驚かれたものの特に反対はされなかったそう。今年、京都から家族が遊びに来て、一緒に襟裳岬や帯広、札幌を回り、元気にしている姿を見せられたと言います。

現在、野村さんは3年前に建てられた新しい社宅に暮らしています。「北海道の冬は確かに寒いですけど、住宅の性能が違うのでストーブを点けたら部屋の中はすごく暖かくて快適。夏も涼しいですし、暮らしやすいです」と話します。休みの日は自炊しますが「忙しい日や疲れた日はセイコーマートにお世話になっています。ホットシェフは便利ですよね、ありがたい」と笑います。

JRbus_shataku_room223.jpgまだ真新しい社宅にはキッチン・暖房・エアコンを完備

日高の「走行環境」は、美しい海岸に沿った路線と、雪が少ない気候が魅力

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バス乗務員としての経験があるとはいえ、京都と北海道では道路環境なども違うはず。戸惑うことなどはなかったのでしょうか。

「走行環境がいいと求人情報に書いてあったとおり、海が見えて景色もよくて、道路も広くて渋滞もないし、本当に環境はいいなと思います。ただ、走る場所によりますが、信号が少なくてずっと走りっぱなしのこともあって...(笑)。京都にいるときは、信号待ちで水分補給もできましたが、それができなくて慣れるまでは結構疲れました」

また、野生動物の飛び出しの多さにも驚いたそう。「出るから気を付けてねと聞いてはいましたが、本当に飛び出してきたときはびっくりしましたね」と話します。この1年ですでに何度か鹿の飛び出しに遭遇したと教えてくれました。「さすがに京都の市街地で鹿が飛び出してくることはないので初めての経験でした」と笑います。

北海道に移住してくる人の多くが心配する冬道運転に関しては、「いくらか心配はありましたが、なんとかなるだろうと思っていました」とニッコリ。「日高エリアは雪が少ないと聞いていたので、雪は大丈夫かなと思っていました。むしろ、凍結路面のほうが少し不安でしたね」と続けます。

若年層の1年未満のドライバーを集めた冬道走行訓練があった際、野村さんも参加。「江別市が会場だったんですけど、雪が多くてびっくりしました。様似や日高エリアって本当に雪が少ないんだって思いました」と話します。

「凍結路面はパッと見ても分かりにくいですし、海岸沿いは海風も強いので、冬場は常に気を付けて運転するように心がけています。お客さまを乗せているので、そこは安全第一でハンドルを握っています」

町の人たちの「ありがとう」が、乗務員としてのやりがいに繋がっている

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様似町のバス利用者の多くが、通学、通勤、そしてマイカー運転が難しい高齢者の人たち。小さな町で利用者も限られているため、自然と顔見知りが増えるのも都心部のバス乗務員との大きな違いです。

「こっちに来てすぐの頃は、いろいろな方から『どっから来たのさ』とよく声をかけられました。最近は聞かれることもなくなりましたが、その代わりに挨拶をしたり、ひと言ふた言、言葉を交わします」

町の人たちとのこうしたやり取りの中でも、野村さんのやりがいに繋がっていると言うのが、「ありがとう」と声をかけてもらえる機会が多いということ。

「通勤の方も高齢者の方も、そして学生さんたちも、みんな降りるときに『ありがとう』『ありがとうございます』って言ってくれるんです。都会のバスではそういうことが少ないから、すごくうれしくて。皆さんの役に立っているんだなと思うと、しっかり安全に皆さんを目的地まで送り届けようと気持ちが引き締まります」

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また、様似営業所の雰囲気もとてもいいと話します。「先輩たちはみんな優しくて、調子はどうだ?って声をかけてくれたり、ご飯を食べに行こうかって誘ってくれたり、いろいろ気にかけてくれるので、一人で移住してきても寂しいと感じることもなくいられました。これからもここで頑張りたいですね」と続けます。

「道外でバスの乗務員をしている方で、移住を考えているとか、転職して走行環境のいいところで運転してみたいと考えているなら、様似はいいところだと思います。景色の良さは抜群ですし、うちの会社はJR北海道グループで安定感があるので、ぜひ検討してほしいですね」

地域交通を支えながら、日高暮らしを楽しむ。そんな移住をしてみませんか?

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移住するとなると、気になるのが日高での生活や住居について。野村さんも一度下見に来たそうですが、実際のところはどうなのでしょうか。様似町役場の藤田舞夏さんにお話を聞いてみました。

藤田さんは生まれも育ちも様似で、「生粋の様似っ子です」と笑います。

「様似は小さな町ですが、のんびりと暮らせるいい町だと思います。町の人たちはみんな気さくで、程よい距離感とフレンドリーさを持っているので、移住してきた方たちのことも気持ちよく受け入れてくれますし、暮らしやすいと思います」

スーパー、コンビニ、ホームセンター、ドラッグストアがあるので、食品、日用品など、日常的な買い物は町内で済みます。病院も車で30分の隣町の浦河に総合病院があり、町には診療所もあります。家具や洋服などを買うときは、新ひだか町の静内へ行くことが多いのだとか。「1時間くらいなので、ドライブがてらお買い物という感じですね」と藤田さん。なかには、広尾や帯広方面まで出向く人もいるそうです。

住まいに関しては、町営住宅や賃貸のアパート、あとは空き家バンクに登録されている戸建などがあります。「町に不動産屋がないので、住まいを探している方は、まずは役場に問い合わせてください。私たちのほうで業者さんや大家さんを紹介できるので、気軽に相談してほしいです」と話します。

「様似は、冬はそれなりに寒いですけど雪が少ないし、夏は涼しく、四季をはっきりと体感できる町です。何より自然に恵まれているので、休みの日には、釣りや登山、バーベキューを楽しむ人が多く、虫捕りもできますよ。私もこの夏、カブトムシを捕りました!」

教育の面では、様似町内に高校はありませんが近郊の浦河や静内の高校へ通学できます。
「様似町では、日高管内の高校へ通学する生徒がバス定期券を購入した場合、月額10,000円を超える分の金額を補助しています。私も浦河へジェイ・アールバスで通っていました。バスがあったおかげで様似を離れることなく、高校生活が送れたんですよ」と藤田さんはニッコリ。あらためてバスが町の人にとって大事な足であることが分かります。

地域の人々の暮らしに欠かせないバス。「これからも日高エリアの人たちのため、バスが走り続けてくれなければ困るんです。そのためにもここで活躍してくれる乗務員の方たちが必要」と藤田さんは話します。北海道へ移住を検討している方で、人の暮らしに役立つ仕事をしたい、やりがいを感じながら働きたいという方、また、広い大地でバスを運転してみたい方、日高でバス乗務員として働いてみませんか?

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関連動画

ジェイ・アール北海道バス株式会社 様似営業所
住所

北海道様似郡様似町錦町50番地5

電話

お問い合わせ先:011-622-8000(本社総務部)

URL

https://www.jrhokkaidobus.com/

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素敵な走行環境に惹かれて日高へ移住!ジェイ・アール北海道バス

この記事は2024年9月11日時点(取材時)の情報に基づいて構成されています。自治体や取材先の事情により、記事の内容が現在の状況と異なる場合もございますので予めご了承ください。