概要
タイトル:人生は「2周目」からがおもしろい
著者 :齋藤孝
ビジネスや会社での価値観、他者からの評価を強く受ける人生の1周目。
競争にさらされる人生の1周目にも見通しが立ち、徐々に他者の評価から離れられていく人生の2周目。
本書では、他者からの評価からの脱却、節度の持ち方など人生の2周目での生き方、楽しみ方についてアドバイスしています。
結論から言いましょう。
人生は2周目からがおもしろい!
2周目からが本番なのです。
(中略)
2周目の本当の醍醐味は、若い頃に学びきれなかったものをじっくりと学び直すことができることでしょう。
(中略)
学ぶことの面白さと価値を知り、そこから仕事やお金、地位、教養、人間関係、旅など、人生を「1周目」とは一味違った視点から見直す「フェアな審判力」を磨き上げ、仕事やいろいろなことに新鮮な好奇心や感動、向上感を持って挑むことができるようになる。それが2周目なのです。
先細りやシュリンクとは無縁の生き方ができるのです。
(中略)
本書では2周目の人生の価値観と楽しみ方を、いろんな視点でまとめました。
「2周目」とは、どんなおもしろさが待っている世界なのか、ご一緒に見ていきましょう。
(はじめに p4-7)
構成
はじめに
第1章 心の庭に「うつの雑草」が伸びていませんか?
第2章 1周目でたまった「重さ」を取り除く
第3章 「体の固さ」を取ると心が柔らかくなる
第4章 毎日の「向上感」が新しいアイデンティティをつくる
第5章 「お金」の考え方、使い方を整理する
第6章 節度ある「雑談力」が人間関係を豊かにする
第7章 好奇心、感動 ー 2周目で初めてわかる楽しさがある
第8章 学校教育を回収して「真善美」を追求する
おわりに
ポイント
心の整理
人生の2周目へ向けての心の整理の仕方として、以下の2点のアドバイスをされています。
・コントロール可能な問題なのか?
→コントロール不可能な問題はいっそ忘れてしまう
・自分の課題であるか?
→相手の課題は相手の自由と割り切る
上記を整理することで、本当に取り組む問題が何かを精査できれば、時間や心に余裕を持たせることが出来てくるはずです。
せっかくの2周目、余計なことに囚われないようにしたいですね。
他者承認と自己承認
人が生きていく中で大きく関わってくる承認欲求ですが、「他者からの承認」と「自己の承認」の大切さを説いています。
他者承認から、自己承認へと主軸を移す事ができる2周目の良さです。
しかしながら、他者からの承認が全く不要になるわけではありません。独りよがりや自己満足では不満を抱えたままになります。
1周目でしっかりと過ごす中で、社会の価値観や客観的な評価を知り、自己の中に取り入れることで「自己承認」を主軸としながらも「他者承認」が繋がるようにすることを進めています。
感想
社会からの役割、束縛から少しずつ離れられる人生の2周目の気構えや過ごし方について語られています。
1周目で身につけた教養や価値基準、能力を活かしながら他者との競争ではない楽しみを満喫することを勧めています。
著者のスポーツ観戦の仕方や音楽の聴き方、勉強の仕方なども紹介されているので何をしたらいいか悩んでいる方は参考になります。
人生の変化に悩んでいる方、生活を変えてみたいと考えている方にとっておすすめな一冊です。
ご一読ありがとうございます。