概要
タイトル:会計が動かす世界の歴史
著者:ルートポート
本書では、お金ができてから簿記の誕生そして現在の会計の仕組みが整備されるまでの歴史が語られています。
お金を主人公として、お金を取り巻く時代・社会についてポイントを押さえて知ることができます。
そもそも「お金」とは何なのでしょうか?
その謎を解く鍵は歴史にあります。
(はじめに p002)
構成
はじめに
第1章 偉人とお金の意外な関係
第2章 なぜ「文字」より先に「簿記」が生まれたのか
第3章 一国の運命をも翻弄する会計の力
第4章 産業革命。そして、簿記から会計へ
第5章 これからの「おカネ」の話をしよう
おわりに
参考文献
ポイント
第2章「なぜ「文字」より先に「簿記」が生まれたのか」では、どんな地域でも簿記の仕組みが出来ているということが語られています。
ヨーロッパや日本だけでなく、文字のなかったインカ帝国などでも簿記があったことには驚きです。
簿記の仕組みが発生した理由として、人の脳の仕組みと関りがあるという視点に立っていたことは面白いです。
人が組織で多数の他者と関りをもって生きていく中で、貸し借りの概念が重要となり、そのことが簿記を発生させた土台になっていると述べています。
第3章では、バブルについても述べられています。
オランダのチューリップバブル、南海泡沫事件などの話もありますが、日本で発生したバブルとしてウサギバブルがあげられています。
ウサギ投機などあったことに驚きました。
第4章では、産業革命で事業の規模が大きくなり簿記から会計への発展が語られています。
公的なものとして整備されていく会計の仕組みを歴史の出来事とともに知ることができます。
感想
会計×歴史について語られています。
歴史の中で多数の不正があり、その失敗から今の会計制度などが整えられていることを知れるのは面白いです。
これまでのお金の話を知れるのも興味深いですが、著者のこれからのお金がどうなっていくか、課税・仕事・仮想通貨に焦点を当てて述べています。
お金や歴史について知りたい方は楽しく読める一冊だと思います。