後期高齢者が天体撮影に嵌りました

ノルウェー、フィンランドでのオーロラ撮影の旅(後半)

2024.11.20の夕食(この日は特別に8階でのスペシャルディナー)も終わりかけたころ、フッティルーテン艦内放送で「オーロラが見えます」(意味は判りません)。食べかけのデザートも放り出してみんなが一斉に動き出しました。(脱兎のごとくとはこんなんでしょうか)私は4階の自室に戻り、防寒具、カメラ等を用意して9階船上に上がりました。船上はごった返していました。また、この日は特別に強風で立っているのもやっとのような状態でした。

期日;2024.11.20 20:00-22:00 場所;ボードーートロムソ間 北緯68.3付近(北極圏内)

I-Phone12 ISO:3200, 26mm, f.1.6, 1.1sec

I-Phone12 ISO:10000, 26mm, f.1.6, 0.5sec

E-4, TTArtisan APS-C 25mmF2.0, ISO:1600, 4.0sec

E-4, TTArtisan APS-C 25mmF2.0, ISO:1600, 4.0sec

私の今回の撮影の一番の失敗は我が奥様とオーロラと北斗七星の一体撮影をしようとしたことでこれに時間を取られ、更にみんな出来の悪い映像だったことです。残念。そして翌日からは天気が大荒れでオーロラどころではなくなり、船は途中で引き返しアルトという町に二日間停泊し、私たちはバスでフィンランドのサーリセルカに移動になりました。到着したサーリセルカは雪が20~30センチ積もってました。夜間は雪も降り、オーロラ撮影はできませんでした。以上ですが、奥様の感想としては「オーロラは七色に輝くようでなくては。白っぽいのはもう一つ、不満」たしかに目視ではほんとに白っぽい。私「そんなら今度はアラスカに行こうか」

ノルウェー、フィンランドでのオーロラ撮影の旅(前半)

いつも天体撮影に注力していますが、今回は少し外れますが、2024.11.14-25にかけてノルウェーフィンランドでのオーロラ撮影を試みるツアーに夫婦で参加しました。一番の目玉はフッティルーテンノルウェー沿岸急行船からのオーロラ観望です。そして最後にフィンランドのサーリセルカでの地上観望です。いつもは望遠鏡で庭から星雲などを撮影していますが、北海道でオーロラが観測されたなんて情報を得ますと今まで見たこともないものに憧れてしまい、まあ、これが最後と決断しました。以下、ブログでは前半と後半に分けて報告します。

期日;2024.11.19 22:00-24:00 場所;トロンハイムーボードー間 北緯64.1付近(北極圏外)

I-Phone12 ISO:10000, 26mm, f.1.6, 0.5sec

I-Phone12 ISO:5000, 26mm, f.1.6, 1.1sec

北方に薄っすらとオーロラが映っていますが、目視ではほとんどわかりませんでした。スマホで眺めてようやく確認できるような。この日はまだ北極圏外でもあり、また、時間も真夜中で9階船上には誰もおらず、風は少しありましたが、一人ゆっくりと観察できました。

三脚は華奢なもの、カメラはFuji E-4、レンズはTTArtisan APS-C 25mmF2.0と簡便で軽いものです。なにせ、防寒具が多くて荷物が多かったです。

E-4, TTArtisan APS-C 25mmF2.0, ISO:1600, 4.0sec

E-4, TTArtisan APS-C 25mmF2.0, ISO:1600, 4.0sec

初めてのオーロラ撮影でしたが北方に可愛らしく映ったのが印象的でした。

文化の日(2024.11.3)のIC289、M1

前回のブログの続きです。M76を撮影後、安定したオフアキガイドでIC289、M1を撮影しました。対象の導入は少し手間取りましたが何とかできました。

IC289, 2024.11.3, 撮影場所:我が家の玄関先, 赤道儀:HEM27EC ,望遠鏡: μ180C(+フラットナーレデューサー):焦点距離1780mm、F=9.9 ,  カメラ:ASI183MMPro,  -5℃ ,  gain 350, Antlia 3nm Hα、OⅢフィルター, 各300sec-6cycle, Dark処理, オフアキシスガイド:SEDNA-M(PHD2), ステライメージ9PixInsight, Photshop, DeNoise AI処理

AOO画像 ;IC289はSⅡが全くなくAOO合成になりました

拡大トリミング

M1, 2024.11.3, 撮影場所:我が家の玄関先, 赤道儀:HEM27EC ,望遠鏡: μ180C(+フラットナーレデューサー):焦点距離1780mm、F=9.9 ,  カメラ:ASI183MMPro,  -5℃ ,  gain 350, Antlia 3nm Hα、SⅡ、OⅢフィルター, 各300sec-6cycle, Dark処理, オフアキシスガイド:SEDNA-M(PHD2), ステライメージ9PixInsight, Photshop, DeNoise AI処理

ASO画像

今まで私の撮影したM1の中で最も大きく、きれいに映りました。

文化の日(2024.11.3)のM76(小アレイ星雲)

2024.11.3は本当に晴れた絶好の星空撮影環境でした。この日の私の撮影機材設定は以下の写真に示します。今回の主たる課題はオフアキガイドを安定化することです。

・主鏡はμ180C(+フラットナーレデューサー)+ASI183MMProです。これにオフアキガイドとフィルターホイールを取り付けています。以前からの課題でμ180C(+フラットナーレデューサー)はフォーザスサイズカメラ(ASI294MMPro、SV405CC)ではプレートソルブは上手く進行しても、1インチカメラ(ASI533MCPro)では成功したり、しなかったりして(大概は失敗)いたので同様のASI183MMProでどうなるかを確認したかったのです。

・副鏡はFMA135+ASI385MCです。前回オフアキガイドが上手くいかなかったので今回も同様のことも考え、オフアキガイドが失敗すればこれをガイド鏡にする予定でした。また、主鏡のプレートソルブが上手くいかない場合、これでプレートソルブして、主鏡の対象導入の助けにすることにしました。

・前回(2024.10.30)失敗したオフアキガイドの問題点解決

以上の3つの課題をM76(小アレイ星雲)を対象にして進めました。天候は最善でした。

1.μ180C(+フラットナーレデューサー)+ASI183MMProでのプレートソルブはできませんでした。(但しなんかのタイミングで成功することもあるのです。これが判りません。しかし当てにすることはできません。 )

2.FMA135+ASI385MCを用いてプレートソルブした後に主鏡に戻ると主鏡の映像にM76が入ってました(端の部分ですが)。もうちょっと主鏡と副鏡の位置合わせをきちんとすれば有効と考えます。

3.以上はある程度予測されたことですが、一番の課題であるオフアキガイドの改善です。PHD2の今までのいくつかの鏡筒での設定を見直してみました。するとMaximum star HFD(pixel)が前回以外はすべてデフォルトの10なのに前回は3.5pixelです。更にキャリブレーションステップが焦点距離の割には750msとヤケに大きいのです。適正値は150msのようです。何時こんな設定にしたのかまったく記憶にありません。こんなところをいらった記憶も全くありません。最小移動検知量は焦点距離に合致しているようでした。これらを修正して、ガイドを始めたのですが、ガイド星が捕まったり、消えたりしました。暗いんではないかと考え、思い切ってカメラビニングを1から2に変更しました。するとどうしたことでしょう。ガイドがスムーズに進みだしました。今回は3つの対象を5時間あまりガイドしましたが、全く問題がありませんでした。(正確性は判りません。それを評価する能力は私にはありません)

この夜、M76、IC289、M1を撮影しました。今日のブログではM76だけを示します。残りは後日です。

M76(小アレイ星雲), 2024.11.3, 撮影場所:我が家の玄関先, 赤道儀:HEM27EC ,望遠鏡: μ180C(+フラットナーレデューサー):焦点距離1780mm、F=9.9 ,  カメラ:ASI183MMPro,  -5℃ ,  gain 350, Antlia 3nm Hα、SⅡ、OⅢフィルター, 各300sec-6cycle, Dark処理, オフアキシスガイド:SEDNA-M(PHD2), ステライメージ9PixInsight, Photshopでトーンカーブ調整,DeNoise AI処理

ASO画像

 

M76(小アレイ星雲)をμ180Cで再び撮影してみて

M76は1年前にμ180C(+フラットナーレデューサー)+ASI533MCProで撮影していました。その時はかなりボケた映像でした。しかし、今回はASI294MMProで3nmHα、SⅡ、OⅢモノクロナローバンドフィルターを用いて撮影し、しかもオフアキガイドするのできっと綺麗な画像が得られるものと勇んで取り組みました。しかし、結果は惨めなものでした。M76の導入は全く問題なく、初期画像は綺麗に映りました。問題はオフアキガイドの不良です。なんど調整してもガイド鏡に星が2~3個しか映らないのです。その状態でPHDガイドを開始すると追随しないで星が流れてしまうのです。どう対処して良いのかわかりません。今までの不勉強がたたってしまいました。しかし、主鏡の映りは良いのでノータッチガイドのような感覚で撮影を続けました。そして、無理やり画像処理を進めました。

M76(小アレイ星雲), 2024.10.30, 撮影場所:我が家の玄関先, 赤道儀:HEM27EC ,望遠鏡: μ180C(+フラットナーレデューサー):焦点距離1780mm、F=9.9 ,  カメラ:ASI294MMPro,  -5℃ ,  gain 350, Antlia 3nm Hα、SⅡ、OⅢフィルター, 各300sec-3cycle, Dark処理,ステライメージ,  PixInsight(BXT処理無), Photshopでトーンカーブ調整,DeNoise AI処理

ASO画像(BXT処理無)

見事に星が流れています。M76も当然流れて映っているのでしょう。

ASO画像(BXT処理有)

ところがBXT処理をすると見事に星が点になってます。おっそろしい。

大映

1年前に撮影したものより綺麗な感じです。ガイドが良ければ「もっともっと良くなっていただろうに」残念です。今、ガイド不良の原因を探していますが未解決です。

Sh2-200を撮影してみたけれど

このところ、ずっと天気が悪く、不機嫌な毎日です。2024.10.26は久しぶりに短時間ではあるけれど晴れました。そこで、この星雲は私には映すのは無理だろうと考えていたSh2-200を対象に確認撮影をしました。最近の撮影設定はほぼ同一条件で、その結果がどうなるかをみています。予想されたようにSh2-200は私のナローバンド撮影条件ではほとんど映像が確認できませんでした。HαとSⅡは確認できず、かろうじてOⅢだけがかすかに現れました。そこでその日の条件でNGC281を撮影したらどうなるかをHαだけで確認しました。

NGC281, 2024.10.26, 撮影場所:我が家の玄関先, 赤道儀:HEM27EC ,望遠鏡: R200SS(+コレクターPH:焦点距離788mm、F=3.8) ,  カメラ:ASI294MMPro,  -5℃ ,  gain 350,Antlia 3nm Hαフィルター, 各300sec-5cycle, Dark処理, オフアキシスガイド:SEDNA-M(PHD2), PixInsight処理,Photshopでトーンカーブ調整,DeNoise AI処理

ほぼ完璧に映ってました。Sh2-200とこんなにも映りが違うにかとあらためて思い知らされました。しかし、そうとはいってもせっかくなので、Sh2-200の画像処理を進めました。

Sh2-200, 2024.10.26, 撮影場所:我が家の玄関先, 赤道儀:HEM27EC ,望遠鏡: R200SS(+コレクターPH:焦点距離788mm、F=3.8) ,  カメラ:ASI294MMPro,  -5℃ ,  gain 350,Antlia 3nm Hα、OⅢフィルター, 各300sec-6cycle, Dark処理, オフアキシスガイド:SEDNA-M(PHD2), ステライメージでAOO合成,PixInsight処理,Photshopでトーンカーブ調整,DeNoise AI処理

アノテーション画像

トリミング後の最終画像

先輩諸氏の皆様が映している外周赤色が全く見られません。寂しいけれどこれが現実です。情けなさついでに2024.10.18に近くの見晴らしの良い道路で撮影した紫金山・アトラス彗星を私のアーカイブとして載せておきます。

紫金山・アトラス彗星, 2024.10.18 19:19, 撮影場所:我が家近くの見晴らしの良い道路, カラ;Fuji E-4, レンズ:TTArtisan 25mm F2, 0.3sec, トリミング画像

実を言いますと目視では全く確認できず、映像で初めて見つけました。

なんとか紫金山・アトラス彗星撮影できました(2024.10.13)

夕焼けの中での紫金山・アトラス彗星を撮影したかったですが、だいぶん中心を外れての結果ですが映像が得られました。添付写真の右上部分です。

望遠鏡:FMA135,カメラ:Fuji E-4, 撮影日:2024-10-13, 撮影場所:我が家2階の西側窓

時間:18:26, ISO2500, 1/8sec

時間:18:29, ISO2500, 1/8sec

時間:18:35, ISO2500, 1/4sec

実を言いますと、撮影中は全く認識できず、撮影画像を見て映っていることを確認しました。もし明日も晴れるならもう少しまともなものができると思いますけど。昨日の映像は飛行機雲ですね。たぶん。