毎回自分の意見が通ってしまう不安を"受容"する - Konifar's ZATSU

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私はのび太の味方じゃないわ、悪の敵よ

毎回自分の意見が通ってしまう不安を"受容"する

スキルも経験も積み重ねてきた人が抱きがちな悩みとして、「自分が意見を出すと毎回大きな反論なく通ってしまって不安になる」というのがある。

いわゆるリードができるレベルになると、他のメンバーより視野を広く持って色々なことに考慮した意見を出せるようになる。しかし実際には明確な答えは持っていなくて自信があるわけでもないこともある。

それなのに自分が言ったことがそのまま通ってしまう。発言すると、「たしかに」「そうですね」「いいと思います」みたいな雰囲気になって採用されていくのである。新しいサービスの設計方針の議論、コードレビューでのやりとり、チーム目標を決めるミーティング、さまざまなところでこういうことが起きる。

「本当にこれで大丈夫なのか」という不安も感じるし、「もしかしたら自分が発言することで他の人の意見をふさいでしまったり萎縮させてしまったりしてるんじゃないか」と心配になってくる。人によっては、「むしろ自分がいないほうがチームにとっていいんじゃないか」とすら思うかもしれない。

ファシリがうまい人は自分がしゃべらずほとんど参加者が話してるとか、1on1はメンバーがほとんどしゃべってるのがよいとか、そういう"あるべき論"を聞いたことがある人ほど悩むのかもしれない。この不安な気持ちをどう整理すればいいか、雑に書いてみることにする。先に言っておくと、正解はわからない!!


まず、そういう悩みはよくあることだ。たぶん程度の差はあれ皆一度は通ってきてるんじゃないかな。過度に不安になる必要はない。そういうもんだと割り切ったほうがいい。むしろ自分のスキルと経験が積み重なってきたのだと自分を褒めてあげよう。

で、不安な気持ちに対しては以下の4つの対応しかないと思う。

1. 意見を言うのをやめる

意見を言うのをやめるのもひとつの手である。ただ、場にいて意見を言わないとムズムズするだろうしまわりもやりづらいと思うので、きっぱり関わらないように調整したほうがいいかもしれない。

ただし、これは内容によっては本当に意見を出すべきところに気づけなくなるリスクもあるのでやるなら慎重に。

ミーティングであれば、ファシリに徹して自分が直接意見を言わずに皆の意見を吸い上げるスキルを磨いていってもいいかもしれない。

2. 意見の言い方を変える

意見の言い方を変えて、まわりに意見を出してもらうようにするという手もある。これはすぐには成果が出ないので根気よく取り組むことが大事。

「自分も自信があるわけではないから一意見として聞いてほしい」といったエクスキューズを何度も伝えたりとか、意見を言った後で何か意見を持ってそうな人に「〇〇さんの意見も聞きたいです」のように話を振ったりとか。まわりが意見を言いやすくなるようなハードルを下げることを言ってみるのもいい。

このあたりはスキルなので試せば試すほど磨いていける。書籍で学ぶなら問いかけの作法がオススメ。

3. 他に意見を言える人を増やす

2の積み重ねとも言えるが、自分以外に意見を言える人を増やしていく方向に頭を切り替えるのもよい。要は"育成"である。事前に期待をうまく伝えてお願いしてみると、想像以上に応えようとしてくれることが多い。

自分はなかなかうまくできていないが、うまい人は本当にチームにバフをかけていくように"ポスト自分"を増やしていく。

4. 割り切って意見を言って引っ張る

不安は感じても、最終的にそのチームやプロダクトの"その時点でのベスト"を選べるのであれば何でもいい。不安な気持ちを抱えたままチームをリードして突き進むのも手である。

自分はなんだかんだこの対応がいいんじゃないかと思っている。よく聞く悩みではあるが、自分の意見を言って意思決定に関わっていくことは必ず自身の血肉になっていく。

まわりのメンバーの経験値が〜とか属人性が〜とか、気にする気持ちはわかるが正直あんまり気にしすぎる必要はない。自分が思っているよりも人は勝手に成長していくし何とかなる。不安は不安として持ったまま割り切ってガンガン意見を言って背中を見せていくといいかもしれない。


そんな悩みを持つこと自体が傲慢というか井の中の蛙になってるんじゃないかと思う人もいると思う。

そう思うならもっと外に目を向け知見を吸い発信していくといい。特に、気後れするような場所に飛び込んでいくとうぬぼれる余裕もなくなる。場所や関わる人が変わると、逆に自分自身が意見を言えなくなってしまうこともある。そうしたら、自分がどうすればいいかを考えて、普段関わる組織でも逆の立場で試してみるといい。

リスクの「回避」「転嫁」「軽減」「受容」みたいな感じで、不安に対しては回避ではなく受容するほうがいいこともある。どの対応もできるけれど、この類の不安は「受容」を選ぶといいかもしれない。