イタリア風のいなり寿司!? 伝統料理の可能性を引き出す商品開発【イオンフードサプライ】 | お米の新商品開発情報サイト コメノミリョク

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イタリア風のいなり寿司!? 伝統料理の可能性を引き出す商品開発【イオンフードサプライ】

イタリア風のいなり寿司!? 伝統料理の可能性を引き出す商品開発【イオンフードサプライ】

いなり寿司+イタリア食材=イタリ寿司伝統料理に新たな風を吹き込む意欲作

全国に約3,000店舗を展開するイオングループの総合スーパー・スーパーマーケットの店頭に並ぶ、お寿司や揚げ物などの惣菜。それらを手掛けるイオンフードサプライは、商品開発に始まり原料調達、製造加工、配送、販売というイオングループの一貫したバリューチェーンにおいて、500種類にも及ぶ種類に富んだ惣菜カテゴリーの商品開発を担います。

  • 多くの人が慣れ親しむ家庭の一品から、世界各地の食文化や流行を取り入れた本格的な逸品まで。食卓を彩るこだわりの惣菜を届けてきた同社は、今回新たな商品開発に着手しました。いなり寿司にイタリア料理のエッセンスを加えた「イタリ寿司」です。日本中で親しまれる伝統料理、そしてイオン惣菜部門の定番メニューであるいなり寿司の新たなバリエーションとして開発。トマトベースのつゆで煮上げたいなりあげと、ポルチーニ茸やバルサミコ酢などで味付けしたシャリで構成された斬新な組み合わせです。

 

惣菜開発のノウハウと習得した知見で和と洋が調和したいなり寿司を実現

  • 素朴な味わいが特徴のいなり寿司と、酸味や香りに個性がある西洋食材。イメージがかけ離れたふたつが融合したきっかけは、2022年に“新規性”のある商品開発支援を目的として開催された「お米メニューアイデアグランプリ」です。エントリー159作品の中で特別審査員賞に輝いたのが、栃木県の飲食店考案の「イタリ寿司」でした。新たな惣菜メニューの“種”を求めてリサーチを行っていたイオンリテールのデリカセンター開発マネージャー・西川朋寿さんは、「定番化しているいなり寿司に、イタリアの要素を詰め込む発想がおもしろいと思いました。一口食べると、どこか懐かしく、それでいて味わったことのない不思議なおいしさが広がります。『私たちのノウハウを活用すれば商品化できる』と直感しました」と、「イタリ寿司」との出会いを話します。




 

  • イオンフードサプライが開発製造する惣菜は、イオングループの食品売上高の重要なウエイトを占める人気カテゴリーであり、品質は消費者や料理人から評価されています。そのうえで『いなり寿司+西洋食材』という新たな組み合わせの商品化に挑むのはなぜでしょうか。西川さんは「消費者の食行動は新型コロナウイルス感染症の拡大により大きく変化し、飲食店のテイクアウトやスーパーマーケットの惣菜などの中食需要が高まりました。当社としては惣菜をご愛顧いただくことをうれしく思いつつも、“私たちにしかない独自価値”の創出に力を入れ始めていました」と挑戦の背景を説明します。
    外食さながらのおいしさや、ベトナム料理や韓国料理をはじめとした本場の味など、長年にわたり培ってきたノウハウと探究心で、惣菜の枠を広げる独自価値を提案してきた同社。「イタリ寿司」の開発は、食をとおして驚きや笑顔を生み出す新たな価値創造の一環であり、いままでにない食体験をもたらす可能性を秘めていたのです。
  • 商品化に向けて、開発チームは“料理”として考案された「イタリ寿司」を、食品工場で製造され、店舗に並び、全国の食卓に届けられる“惣菜”へとブラッシュアップしました。その中心を担ったのが、イオンフードサプライの惣菜開発チームです。「お米メニューアイデアグランプリ」で多方面から高く評価された“おいしさ”、多くの消費者が購入しやすい水準の“価格”、おいしさと安全性を食卓まで保つための“消費期限”の3要素を満たすため、開発メンバーは西洋食材への知見を深めると同時に、惣菜としての条件を満たす配合や工程を再構築。開発チームの中心である総菜事業本部営業商品開発の畠田尚さんは、「イオンリテールのリサーチチームから伝えられたコンセプトや特徴をもとに、想定価格内で求める水準のおいしさを実現することが至上命題でした。カギになったのは、原価率の高い魚介類やポルチーニ茸をどのように使うか。多くのお客様が楽しめる『イタリ寿司』を目指し、限られた配合量で異国の風を感じる本格的な味わいを生み出せるよう、チーム一丸となって試行錯誤を行いました」。畠田さんたちは開発キッチンと工場ラインで試作を重ねた末に、惣菜としての「イタリ寿司」を作り上げ、2023年2月のテストマーケティングを迎えました。

西川さんは商品化の節目を迎え、「いなり寿司を作り続けてきた開発チームも納得の、時間が経ってもおいしい『イタリ寿司』に仕上がりました。トマト風味のいなりあげとのバランスを考慮して、レシピ段階よりもシャリに含まれるポルチーニ茸の香りを際立たせました。特に若い世代の方々に味わってもらい、日本の伝統料理であるいなり寿司に興味をもつきっかけになればうれしいです。今後は、来店客の反応をふまえて、レシピ改良やバリエーション拡充、そして全国の総合スーパー・スーパーマーケットへの展開も検討していきます。」

 

日本のおいしい米を活用して幸せな食体験の枠を広げていく

  • 約3,000店舗の惣菜カテゴリーを担うイオンフードサプライは、食を取り巻く社会や消費者の変化に敏感です。寿司や弁当、丼ものなど様々なメニューに用いられる米については、需要の高まりをひしひしと感じています。弁当や炊き込みご飯などの従来商品に加えて、最近ではエスニックをはじめとしたアジアン料理の需要が高まっており、人気の要因のひとつに国産米があると西川さんは分析します。「日本のお米は本当においしい。本格派志向が高まるお客様に満足していただける食体験を提供するカギは、お米の持ち味を異国のテイストといかに調和させるかにかかっています」。

 

  • 西川さんたちが「イタリ寿司」の開発プロセスで得た、新たな知見と開拓心。既成概念にとらわれない姿勢でこれからも米を活用した惣菜メニューを探求し、全国の食卓に驚きと感動を添えたおいしさを届けていきます。

 

【事業者紹介】
イオンフードサプライ株式会社
千葉県船橋市高瀬町24番6号
https://www.aeon-fs.com/

イオンリテール株式会社
千葉県千葉市美浜区中瀬一丁目4番地
https://www.aeonretail.jp/