学研全訳古語辞典 |
たう・ぶ 【食ぶ】
活用{べ/べ/ぶ/ぶる/ぶれ/べよ}
①
いただく。▽「飲む」「食ふ」の謙譲語。
出典古今集 離別・詞書
「大御酒(おほみき)などたうべて」
[訳] 天皇が召し上がるお酒などいただいて。
②
いただく。食べる。▽「飲む」「食ふ」を改まっていう丁寧語。
出典徒然草 二一五
「この酒をひとりたうべんがさうざうしければ」
[訳] この酒をひとりでいただくのが物足りないので。
注意
(1)謙譲語(①)と丁寧語(②)の二つがある。(2)四段活用の動詞・補助動詞「たうぶ(賜ぶ)」と混同しないように。
た・ぶ 【食ぶ】
活用{べ/べ/ぶ/ぶる/ぶれ/べよ}
①
いただく。▽「飲む」「食ふ」の謙譲語。
出典枕草子 職の御曹司におはします頃、西の廂にて
「御仏供(ぶく)の下ろしたべむと申すを」
[訳] 仏へのお供え物のおさがりをいただこうと申し上げるのを。
②
いただく。食べる。▽「飲む」「食ふ」の丁寧語。
出典平家物語 六・紅葉
「酒あたためてたべける薪(たきぎ)にこそしてんげれ」
[訳] 酒をあたためていただいた薪にしてしまった。
注意
(1)謙譲語と丁寧語とがある。(2)同訓の語に「賜(た)ぶ」がある。
とうぶ 【食ぶ・賜ぶ・給ぶ】
⇒たうぶ
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