学研全訳古語辞典 |
め-ざま・し 【目覚まし】
活用{(しく)・しから/しく・しかり/し/しき・しかる/しけれ/しかれ}
①
気にくわない。目にあまる。
出典源氏物語 桐壺
「はじめより我はと思ひ上がり給(たま)へる御方々、めざましきものにおとしめそねみ給ふ」
[訳] 宮仕えの最初から、私こそは(帝(みかど)の寵愛(ちようあい)をうける)と自負していらっしゃった御方々は、(桐壺更衣(きりつぼのこうい)を)気にくわない者としてさげすみ、ねたみなさる。
②
思いのほかすばらしい。意外にたいしたものだ。
出典源氏物語 明石
「『げにもすきたるかな』と、めざましう見給(たま)ふ」
[訳] 「なるほど風流なことよ」と思いのほかすばらしいとご覧になる。◇「めざましう」はウ音便。
参考
平安時代の仮名文学では、多く、上位の者が下位の者の言動や状態を見て、身の程を越えて意外であると感じたときに、①のようにけなしたり、②のようにほめたりして用いられるが、現代語とは異なり、むしろ①の意に用いられることが多い。
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